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第一章 リーツェン王国
第十一話 混沌
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【根暗葬視点】
「ひひっ。城がよ~く燃えてるねぇ。ふひっ」
根暗葬が見つめる眼下では、リーツェン王国の城下町が火弓を装備したスケルトン弓兵により燃やされていた。
「コイツら倒しても倒してもキリがないぞ!いや、何度も立ち上がってくる!あがが。何で、このゾンビ顔だけ動いて。あぅ。ヴー」
「がぁぁぁぁ。何で俺噛まれ。あ゛ー。ヴー」
火弓を装備したスケルトン弓兵を倒そうと丘を登るリーツェン軍は、入り口のスケルトン盾兵とゾンビ歩兵たちによって、その数を散らしていた。
いや、正確にはゾンビの仲間入りとなっていた。
「ふひっ。ファンタジーシミュレーションで、超高難易度のゾンビとスケルトンだけの国で天下統一したことのある僕にかかれば、このスキルと僕の相性は最強なんだなぁ。ふひっ」
根暗葬の言葉通り、眼下は既に酷い有様であった。
【???視点】
「おーい、手を貸してくれ!まだ中に母ちゃんが母ちゃんがいるんだよ」
「燃えてる家の中にいるなら手遅れだ。捨て置け!早く逃げるぞ!」
「嫌だ!」
「じゃあ、好きにしやがれ!」
「そんな。誰か誰でも良いから助けてくれよ!」
キキーッとこの世界に似つかわしくない郵便トラックが泣いている少年の家の前に止まると運転席のドアが開いて、子供が顔を覗かせる。
「待ってろ!今、俺が助けてやる!母ちゃんの名前と住所を教えろ!」
「母ちゃんの名前は、ポーラ。住所は、商店名でも良いか?」
「構わない!」
「ノ・ベルティ」
「良し!配達物、ポーラ。配達先、ノ・ベルティ前。デリバリーロード、ライド~オン!」
郵便トラックが一瞬消えると次の瞬間には、再び同じ場所に現れ、中から1人の女性が出てきた。
「デクスター、私の足が悪いばかりにお前を悲しませるところだった」
「母ちゃん!母ちゃん!良かった!良かった!ありがとう。ありがとう」
「へっ。気にすんな。それに困ってる人間を助けるのは、お互い様だろ?母ちゃんを大事にしろよ。俺は、ちょっくら困ってる奴らを助けてくるからよ!」
鼻を指で照れながら擦るのは、配達人のギフトを持つ伝通佑だ。
この伝通佑、英語以外の成績は良くないが英語が好きで、特に日本で作られたとされる造語が大好きなのだ。
その趣味が日本人にしか伝わらないような英語を作り出すことに長けている。
この後も伝通佑は、リーツェン王国の困ってる人々を自分の力の及ぶ範囲で助け続けた。
【渡会円視点】
「はっ!ハァ。ハァ。ハァ。あんのクソキモ野郎!あないなことしくさりよって!」
オホホホホ。
汚い言葉を使ってごめんあそばせ。
って冷静にならないとね。
根暗君、まさか異世界に来て早々にこの国を滅ぼして魔王に取り入ろうと考えてる輩が現れるなんて思わなかった。
まぁ、生きる上では人類より魔族の方がマシだと思ったのかも知れないけど。
事実、この国の王も魔王と同じぐらいクソだし。
とにかく、今は一刻も早く根暗君を探さないと。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
頭にまた何かが流れ込んでくる。
あんのクソキモ野郎、次から次へと余計なことしくさりやがったおかげで、また清瀬さんに危機が。
「渡会さん、大丈夫。今、回復魔法をヒール」
大きな声を出したから清瀬さんが起きてしまったみたいね。
でも、ちょうど良かったわ。
「ありがと。変な夢を見てしまって」
「渡会さんが見る夢ならそれってもう予知夢じゃないかな?」
「そ、そうね。話は変わるけど清瀬さんは、根暗君を見た?」
「ふーん。今度は根暗君が危険なのね。いや、見てないよ」
ふぅ、危ない危ない。
清瀬さんの勘が鋭いことを忘れていたわ。
これで、清瀬さんには根暗君が狙われてると誤解させることはできた。
もう既に根暗君に関しては手遅れみたいだから今は清瀬さんをあのクソ王から守ることに全力を注がないと。
城下町の方も伝通君が何とかしてくれてるみたいだし。
クソ王とその側近がどうなろうと知ったこっちゃないけど関係ない街の人たちが巻き込まれるのは、ちょっとね。
あっちは、伝通君に任せておきましょ。
「清瀬さん、よーく聞いて。もうすぐ、ここはスケルトンとゾンビの大軍に襲われるわ」
「えっ?そうなんだ。すぐに兵士さんたちに知らせてあげないとだね」
「待ちなさい。そんなことをすれば、戦に従軍させられて、命を散らすことになるわよ」
それどころかあのクソ王は、限界まで清瀬さんに不死系のモンスターを昇天させるように強要する。
どれだけ疲弊しようが次々と現れる不死モンスターを相手にすれば清瀬さんの魔力が切れて廃人となる。
そうなったら今度は堂々と盾に使う。
そういうクソ王なのよねアレ。
仕方ない一か八か。
ここにいるよりも丘に行く方がマシだと考えて。
「私たちで向こうのトップと交渉しましょう」
「へっ?それって魔王と交渉するってこと?」
「いいえ。ネクロマンサーのギフトを持つ根暗君とよ」
「えーーーーー。今から起こることの元凶って根暗君なのぉぉぉぉぉぉ!?」
「そうよ。今からみんなを集めて、根暗君にこんな馬鹿なことはやめるようにと説得しましょう」
「うん。そうだよね。クラスメイトが死ぬところはもう見たくないし。わかったよ」
これで良いのよ。
例えこの世界のどれだけの人を犠牲にしたとしても生き残らないと。
「ひひっ。城がよ~く燃えてるねぇ。ふひっ」
根暗葬が見つめる眼下では、リーツェン王国の城下町が火弓を装備したスケルトン弓兵により燃やされていた。
「コイツら倒しても倒してもキリがないぞ!いや、何度も立ち上がってくる!あがが。何で、このゾンビ顔だけ動いて。あぅ。ヴー」
「がぁぁぁぁ。何で俺噛まれ。あ゛ー。ヴー」
火弓を装備したスケルトン弓兵を倒そうと丘を登るリーツェン軍は、入り口のスケルトン盾兵とゾンビ歩兵たちによって、その数を散らしていた。
いや、正確にはゾンビの仲間入りとなっていた。
「ふひっ。ファンタジーシミュレーションで、超高難易度のゾンビとスケルトンだけの国で天下統一したことのある僕にかかれば、このスキルと僕の相性は最強なんだなぁ。ふひっ」
根暗葬の言葉通り、眼下は既に酷い有様であった。
【???視点】
「おーい、手を貸してくれ!まだ中に母ちゃんが母ちゃんがいるんだよ」
「燃えてる家の中にいるなら手遅れだ。捨て置け!早く逃げるぞ!」
「嫌だ!」
「じゃあ、好きにしやがれ!」
「そんな。誰か誰でも良いから助けてくれよ!」
キキーッとこの世界に似つかわしくない郵便トラックが泣いている少年の家の前に止まると運転席のドアが開いて、子供が顔を覗かせる。
「待ってろ!今、俺が助けてやる!母ちゃんの名前と住所を教えろ!」
「母ちゃんの名前は、ポーラ。住所は、商店名でも良いか?」
「構わない!」
「ノ・ベルティ」
「良し!配達物、ポーラ。配達先、ノ・ベルティ前。デリバリーロード、ライド~オン!」
郵便トラックが一瞬消えると次の瞬間には、再び同じ場所に現れ、中から1人の女性が出てきた。
「デクスター、私の足が悪いばかりにお前を悲しませるところだった」
「母ちゃん!母ちゃん!良かった!良かった!ありがとう。ありがとう」
「へっ。気にすんな。それに困ってる人間を助けるのは、お互い様だろ?母ちゃんを大事にしろよ。俺は、ちょっくら困ってる奴らを助けてくるからよ!」
鼻を指で照れながら擦るのは、配達人のギフトを持つ伝通佑だ。
この伝通佑、英語以外の成績は良くないが英語が好きで、特に日本で作られたとされる造語が大好きなのだ。
その趣味が日本人にしか伝わらないような英語を作り出すことに長けている。
この後も伝通佑は、リーツェン王国の困ってる人々を自分の力の及ぶ範囲で助け続けた。
【渡会円視点】
「はっ!ハァ。ハァ。ハァ。あんのクソキモ野郎!あないなことしくさりよって!」
オホホホホ。
汚い言葉を使ってごめんあそばせ。
って冷静にならないとね。
根暗君、まさか異世界に来て早々にこの国を滅ぼして魔王に取り入ろうと考えてる輩が現れるなんて思わなかった。
まぁ、生きる上では人類より魔族の方がマシだと思ったのかも知れないけど。
事実、この国の王も魔王と同じぐらいクソだし。
とにかく、今は一刻も早く根暗君を探さないと。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
頭にまた何かが流れ込んでくる。
あんのクソキモ野郎、次から次へと余計なことしくさりやがったおかげで、また清瀬さんに危機が。
「渡会さん、大丈夫。今、回復魔法をヒール」
大きな声を出したから清瀬さんが起きてしまったみたいね。
でも、ちょうど良かったわ。
「ありがと。変な夢を見てしまって」
「渡会さんが見る夢ならそれってもう予知夢じゃないかな?」
「そ、そうね。話は変わるけど清瀬さんは、根暗君を見た?」
「ふーん。今度は根暗君が危険なのね。いや、見てないよ」
ふぅ、危ない危ない。
清瀬さんの勘が鋭いことを忘れていたわ。
これで、清瀬さんには根暗君が狙われてると誤解させることはできた。
もう既に根暗君に関しては手遅れみたいだから今は清瀬さんをあのクソ王から守ることに全力を注がないと。
城下町の方も伝通君が何とかしてくれてるみたいだし。
クソ王とその側近がどうなろうと知ったこっちゃないけど関係ない街の人たちが巻き込まれるのは、ちょっとね。
あっちは、伝通君に任せておきましょ。
「清瀬さん、よーく聞いて。もうすぐ、ここはスケルトンとゾンビの大軍に襲われるわ」
「えっ?そうなんだ。すぐに兵士さんたちに知らせてあげないとだね」
「待ちなさい。そんなことをすれば、戦に従軍させられて、命を散らすことになるわよ」
それどころかあのクソ王は、限界まで清瀬さんに不死系のモンスターを昇天させるように強要する。
どれだけ疲弊しようが次々と現れる不死モンスターを相手にすれば清瀬さんの魔力が切れて廃人となる。
そうなったら今度は堂々と盾に使う。
そういうクソ王なのよねアレ。
仕方ない一か八か。
ここにいるよりも丘に行く方がマシだと考えて。
「私たちで向こうのトップと交渉しましょう」
「へっ?それって魔王と交渉するってこと?」
「いいえ。ネクロマンサーのギフトを持つ根暗君とよ」
「えーーーーー。今から起こることの元凶って根暗君なのぉぉぉぉぉぉ!?」
「そうよ。今からみんなを集めて、根暗君にこんな馬鹿なことはやめるようにと説得しましょう」
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例えこの世界のどれだけの人を犠牲にしたとしても生き残らないと。
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