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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
山を抜けた先での出会い
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山の反対側に出て、しばらく歩くと街並み?村?みたいなものが見えてきた。
「この村になんのようだ?大人!」
お鍋の蓋とフライパン、身体をダンボールで武装した少年に呼び止められた。俺は思わずクスりとわらってしまった。
「クスッ」
「なんだよ。笑ってんじゃねぇ。こんなところに人が来るなんて、お前さては怪しい奴だな。ひっ捕えてやる!」
「ごめんごめん。いや、今時お鍋の蓋とフライパンで武装する人がいるなんて思わなかったからさ。俺の名前はフグオ。まぁ、この通り特殊な魔物使いだ」
俺の後ろからマリンたちが顔を覗かせる。
「スライムにホーンラビットに殺人蜂にダークバットにオークにボムにゴブリンだ~さっ触っても良いか?」
「胸とかはダメだよ」
「胸?オッサン、何言ってんだ?スライムに胸があるわけないだろ。まさか、そんな風に魔物を見てんのか?」
「いやいや、ほら見てみろ。これが普通のスライムに見えるか?」
「マスター、やめるのだ。せっかくマーヤにかけてもらった認識魔法が溶けちゃうのだ」
「マリン、それを言うなら解けるね」
「そっそうとも言う~」
「スライムがしゃ喋った~~~~。なんだ、このスライム。ん?姿が変わってる。えっええええええええ!俺たちによく似てる!!!!」
「オッサン、最近生物使いってのは、魔物と話ができるようにできるのか?なら頼みたいことがある。聞いてくれるか?」
「オッサンって言い方はやめてほしいな。これでも16歳なんだけど」
「俺の2倍歳上ならオッサンだな」
「なら良いけど。で、オバサンたちはオッサンのコレ?」
少年はマーヤとハルに小指を立てた。
「誰がオバサンよ。それに、このマサガキがまだ早いっての」
「あらあら、マーヤオバサン、そんなに怒ると肯定しているようなものですわよ」
「ハル、アンタ後で覚えときなさいよ」
「オッサン、モテモテだな。その特殊な魔物たちだけじゃなくて、人間のコレも2人いるなんて」
「いや、マーヤもハルも恋人じゃないし、コイツらはまぁ家族みたいなもんだ」
「まぁ一緒の時を過ごしたら。血は繋がってなくても家族だよな。それは俺にもわかるよ。助けてほしいのは、その家族なんだ。いや、俺の母さんだな」
ん?母さん?でも、コイツが助けて欲しいのって、人と話せないって言ってたから魔物だよな?どういうことだ?
「で、オッサン、どうなんだよ。助けてくれるのか?」
「わかった。案内を頼めるかい?」
「あぁ、だがその俺たちはその訳ありでさ。人目を避けて、更にこの山の麓にひっそりと村を作って住んでるんだよ。そこに案内する。だけど誰にも言わないってのは約束してくれ。いやしてください。お願いします」
「勿論だ」
少年の顔が明るくなった。
「名乗りもしなくて悪かったな。俺は村長のイタって言う。宜しく頼む」
えっ子供が村長????ますます意味がわからないんだが。
「こっこちらこそ」
山の麓にしっかりと村があった。煉瓦造りだがしっかり組み立てられていて、山の新鮮な水を引いて、畑を耕し、牛や羊や鶏などを飼って、畜産もしていた。それどころか川の魚を養殖もしていて、だが見渡す限り子供しかいないのだ。そして、彼らを横目に案内された村の一際大きな屋敷の奥で、傷付いたクロウキッドナップが横たわっていた。
「母さん、薬草だよ。苦いけど飲んで」
「カーカー(ありがとう坊や。私みたいな魔物を母と呼んで、こうして毎日薬まで、だけど私はもうすぐ死ぬだろう。お前たちを守るため私のことを討伐しに来た男と戦い、敗北して、こうしてここに帰って来れたことすら奇跡。心残りがあるとすれば、私が居なくなった後、誰が坊やたちを守ってくれるのか。そのことだけが気掛かりなのよ)」
「良いんだよ。当たり前だろ。俺たちのことをあのジジイから助けてくれたのは母さんなんだから。これぐらいさせてよ。今日は不思議な人を連れてきたんだ」
「カーカー(不思議な人って誰かしら?坊やに危害を加える人だった場合どうしたら?)」
「マスター、このクロウキッドナップなのだ。でも、傷ついていた、今にも生き絶えそうなのだ」
「カーカー(えっスライムが横の人間と明らかに言葉で会話話してる?どっどういうこと?私も話せるようになって坊やたちとお話ししたいのに)」
「やっぱりそうだったか」
「フグオ君、ならちゃっちゃっとやれば良いじゃん」
「あらハル、珍しいじゃない乗り気だなんて」
「マーヤ、そんなのこのクロウキッドナップが死んだらフグオ君が死ぬからに決まってるじゃん。背に腹はかえられないってやつ」
「カーカー(あの2人はあの男のパーティのメンバー!魔法使いと僧侶の女。私を追ってきたのね。でも、こんなところでやられるわけにはいかない)」
「母さん、そんなに怒ってどうしたんだ。なぁ、魔物使いのオッサン、母さんは何て言ってるんだ?教えてくれよ」
「いや、全くわからん」
だが明らかにマーヤとハルに対して、怒りを露わにしているように思える。一体何故?このクロウキッドナップとマーヤとハルとの間に因縁がある?いや、2人とだけ因縁があるなんてこと考えられれだろうか?いや、待て、このクロウキッドナップが俺が勇者だった時に討伐したクロウキッドナップだとしたら、どうだ?いや、あの時は討伐した。こうして生きているなんてことあり得ない。だったら、これは一体。しかも、相手はバトルの構えだ。仕方ない。これも人助けならぬ魔物助けのため。
「クロウキッドナップよ。このフグオが相手となろう!」
「この村になんのようだ?大人!」
お鍋の蓋とフライパン、身体をダンボールで武装した少年に呼び止められた。俺は思わずクスりとわらってしまった。
「クスッ」
「なんだよ。笑ってんじゃねぇ。こんなところに人が来るなんて、お前さては怪しい奴だな。ひっ捕えてやる!」
「ごめんごめん。いや、今時お鍋の蓋とフライパンで武装する人がいるなんて思わなかったからさ。俺の名前はフグオ。まぁ、この通り特殊な魔物使いだ」
俺の後ろからマリンたちが顔を覗かせる。
「スライムにホーンラビットに殺人蜂にダークバットにオークにボムにゴブリンだ~さっ触っても良いか?」
「胸とかはダメだよ」
「胸?オッサン、何言ってんだ?スライムに胸があるわけないだろ。まさか、そんな風に魔物を見てんのか?」
「いやいや、ほら見てみろ。これが普通のスライムに見えるか?」
「マスター、やめるのだ。せっかくマーヤにかけてもらった認識魔法が溶けちゃうのだ」
「マリン、それを言うなら解けるね」
「そっそうとも言う~」
「スライムがしゃ喋った~~~~。なんだ、このスライム。ん?姿が変わってる。えっええええええええ!俺たちによく似てる!!!!」
「オッサン、最近生物使いってのは、魔物と話ができるようにできるのか?なら頼みたいことがある。聞いてくれるか?」
「オッサンって言い方はやめてほしいな。これでも16歳なんだけど」
「俺の2倍歳上ならオッサンだな」
「なら良いけど。で、オバサンたちはオッサンのコレ?」
少年はマーヤとハルに小指を立てた。
「誰がオバサンよ。それに、このマサガキがまだ早いっての」
「あらあら、マーヤオバサン、そんなに怒ると肯定しているようなものですわよ」
「ハル、アンタ後で覚えときなさいよ」
「オッサン、モテモテだな。その特殊な魔物たちだけじゃなくて、人間のコレも2人いるなんて」
「いや、マーヤもハルも恋人じゃないし、コイツらはまぁ家族みたいなもんだ」
「まぁ一緒の時を過ごしたら。血は繋がってなくても家族だよな。それは俺にもわかるよ。助けてほしいのは、その家族なんだ。いや、俺の母さんだな」
ん?母さん?でも、コイツが助けて欲しいのって、人と話せないって言ってたから魔物だよな?どういうことだ?
「で、オッサン、どうなんだよ。助けてくれるのか?」
「わかった。案内を頼めるかい?」
「あぁ、だがその俺たちはその訳ありでさ。人目を避けて、更にこの山の麓にひっそりと村を作って住んでるんだよ。そこに案内する。だけど誰にも言わないってのは約束してくれ。いやしてください。お願いします」
「勿論だ」
少年の顔が明るくなった。
「名乗りもしなくて悪かったな。俺は村長のイタって言う。宜しく頼む」
えっ子供が村長????ますます意味がわからないんだが。
「こっこちらこそ」
山の麓にしっかりと村があった。煉瓦造りだがしっかり組み立てられていて、山の新鮮な水を引いて、畑を耕し、牛や羊や鶏などを飼って、畜産もしていた。それどころか川の魚を養殖もしていて、だが見渡す限り子供しかいないのだ。そして、彼らを横目に案内された村の一際大きな屋敷の奥で、傷付いたクロウキッドナップが横たわっていた。
「母さん、薬草だよ。苦いけど飲んで」
「カーカー(ありがとう坊や。私みたいな魔物を母と呼んで、こうして毎日薬まで、だけど私はもうすぐ死ぬだろう。お前たちを守るため私のことを討伐しに来た男と戦い、敗北して、こうしてここに帰って来れたことすら奇跡。心残りがあるとすれば、私が居なくなった後、誰が坊やたちを守ってくれるのか。そのことだけが気掛かりなのよ)」
「良いんだよ。当たり前だろ。俺たちのことをあのジジイから助けてくれたのは母さんなんだから。これぐらいさせてよ。今日は不思議な人を連れてきたんだ」
「カーカー(不思議な人って誰かしら?坊やに危害を加える人だった場合どうしたら?)」
「マスター、このクロウキッドナップなのだ。でも、傷ついていた、今にも生き絶えそうなのだ」
「カーカー(えっスライムが横の人間と明らかに言葉で会話話してる?どっどういうこと?私も話せるようになって坊やたちとお話ししたいのに)」
「やっぱりそうだったか」
「フグオ君、ならちゃっちゃっとやれば良いじゃん」
「あらハル、珍しいじゃない乗り気だなんて」
「マーヤ、そんなのこのクロウキッドナップが死んだらフグオ君が死ぬからに決まってるじゃん。背に腹はかえられないってやつ」
「カーカー(あの2人はあの男のパーティのメンバー!魔法使いと僧侶の女。私を追ってきたのね。でも、こんなところでやられるわけにはいかない)」
「母さん、そんなに怒ってどうしたんだ。なぁ、魔物使いのオッサン、母さんは何て言ってるんだ?教えてくれよ」
「いや、全くわからん」
だが明らかにマーヤとハルに対して、怒りを露わにしているように思える。一体何故?このクロウキッドナップとマーヤとハルとの間に因縁がある?いや、2人とだけ因縁があるなんてこと考えられれだろうか?いや、待て、このクロウキッドナップが俺が勇者だった時に討伐したクロウキッドナップだとしたら、どうだ?いや、あの時は討伐した。こうして生きているなんてことあり得ない。だったら、これは一体。しかも、相手はバトルの構えだ。仕方ない。これも人助けならぬ魔物助けのため。
「クロウキッドナップよ。このフグオが相手となろう!」
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