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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
緊急クエスト
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キシャンテの街を出ようとすると男がナライの元に飛び込んできた。
「大変だナライ。今まで魔物の出なかったセキタ採掘場に大型の百足の魔物が出たんだ」
「そんなことって!?まずいですね。セキタ採掘場から取れる石炭は汽車を動かすのに必要不可欠な資源、今まで魔物が全く居なかったのにどうしてこんなことに。マキタさんは作業員を直ぐに安全な場所に避難させてください。僕は、キチヨさんにこのことを報告して、判断を仰ぎます」
「わかった。すぐに知らせて安全な場所に避難する」
この光景は、デジャヴってやつだ。緊急クエスト、セキタ採掘場に突如として現れた魔物を討伐せよの一幕だ。このクエストで出てくる魔物、マモリムカデは、レベル21の魔物なんだよな。前回のクロウキッドナップの件があるし、クエストボスが実は女の魔物だったパターンの例もあるし、ここは俺も見に行くべきだろう。それに、個人的にこのマモリムカデに関して、心残りがある。勇者ラディッシュだった時に、このクエストを受けて、マモリムカデを討伐するとこれ以降、このセキタ採掘場に魔物が溢れるようになるのだ。まるで、このマモリムカデが作業員たちだけでなく、このキシャンテの街にとっても守り神であったかのように、誰にも姿を見せず密かに採掘場と作業員それを必要とするキシャンテの街を守っていたマモリムカデ。どうして、姿を現したのか。それについては当時知ることはできなかった。でも、この能力を持っているからこそ知れることもある。クロウキッドナップが子供を誘拐していたのが守るためだったと同様、この行動にも何かしらの意味があるはずなのだ。そして、マモリムカデという魔物は、この一体だけなのだ。他には存在しない。即ち、このマモリムカデが女であることは明らかなのである。そして、そのマモリムカデの行動にも多くの矛盾があった。行動パターンの多くが、様子を見るなのである。だがステータスはレベル21にしては、この周辺の魔物どころか後半の魔王の城周辺の魔物と比べても見劣りしないのだ。それが、ただただ様子を見るだけを選択し、倒される。多くの人間は、このマモリムカデを気にもしないで踏み潰す。倒さなければ、このキシャンテの街における汽車移動を解放できないからだ。
「ナライ君、これも何かの縁だ。よかったらそのムカデの魔物のことは僕たちに任せてもらえないだろうか?」
「そんな、皆様ほど強い冒険者なら願っても無いことですが、キチヨさんに判断を仰いで、クエスト登録しようかと考えていたのですが」
「ナライ、その必要はないよ。その冒険者一向に任せようじゃないか」
白いコートとズボン姿で肩にカモメを乗せ、口にキセルを咥えた女性が現れる。
「キチヨさん、良いんですか?」
「あぁ、だってその人たちだろさっきあの悪漢共から我が街の作業員たちを救出してくれたのは?」
「はい。ひょっとして、見ておられたのですか?」
「ナライ、アタイを誰だと思ってんだい。この街の町長であり、皆様の夢と希望を運ぶドリームトレインの機長様だよ。この街でアタイの知らないことは何一つないと思っておきな」
「だったら助けてくだされば、、、、」
「ナライ、何か言ったかい?」
「いえ、キチヨさんがそう言うのでしたら、フグサク御一行様、宜しくお願いいたします。解決してくださった暁には皆様限定で、ドリームトレインの乗り放題パスを進呈させて頂きます」
「ナライ、太っ腹だねぇ。まぁ、それぐらいは良いさ。大いにやんなアンタたち」
いやテキストしかなかった時は、大柄な女が肩で風を切って、なんか言ってるぐらいだったけど、なんていうか、海の女って感じなのは何で?そもそも、石炭をくべる蒸気機関車の機長だよね。白かったら真っ黒になるだろうが!なんで毎日毎日服が白くて綺麗なんだよ!ひょっとして何着もあるパターンか。そうなのか。とツッコミたい所は山ほどあるんだけどやめておこう。
「キチヨさんの許可も頂きましたので、よろしくお願いいたしますフグサク御一行様。セキタ採掘場は、キシャンテの街の北東に位置しています」
「じゃあ、ちょっと行ってくるよ」
フグオたちが出ていく背中を見つめながら呟くキチヨ。
「フグオか。お尋ね者であるアンタが名前を偽って、何をしようとしてるのか目を光らせていたんだけどねぇ。悪漢から町人を助けてくれたり、ナライに親身になってくれたり、挙げ句の果ては、魔物の討伐まで請け負うだなんてねぇ。やれやれ、この街の汽車ギルドのマスターであるアタイにも届いているこの手配書だけど、何かの間違いなんじゃないかねぇ。最近、上のやることがきな臭いったらありゃしないよ。向こうも偽名、こちらもわからなかったで暫く様子を見るとするさね。せいぜいアタイをガッカリさせないでくれよ」
キシャンテの街の北東に位置するセキタ採掘場。この採掘場には魔物が存在しない。それでいて、上質な石炭が手に入ることから蒸気機関車による交通で生計を立てているキシャンテの街にとって必要不可欠な場所なのだった。ここに出たムカデの魔物の目的とは一体何なのか?
「大変だナライ。今まで魔物の出なかったセキタ採掘場に大型の百足の魔物が出たんだ」
「そんなことって!?まずいですね。セキタ採掘場から取れる石炭は汽車を動かすのに必要不可欠な資源、今まで魔物が全く居なかったのにどうしてこんなことに。マキタさんは作業員を直ぐに安全な場所に避難させてください。僕は、キチヨさんにこのことを報告して、判断を仰ぎます」
「わかった。すぐに知らせて安全な場所に避難する」
この光景は、デジャヴってやつだ。緊急クエスト、セキタ採掘場に突如として現れた魔物を討伐せよの一幕だ。このクエストで出てくる魔物、マモリムカデは、レベル21の魔物なんだよな。前回のクロウキッドナップの件があるし、クエストボスが実は女の魔物だったパターンの例もあるし、ここは俺も見に行くべきだろう。それに、個人的にこのマモリムカデに関して、心残りがある。勇者ラディッシュだった時に、このクエストを受けて、マモリムカデを討伐するとこれ以降、このセキタ採掘場に魔物が溢れるようになるのだ。まるで、このマモリムカデが作業員たちだけでなく、このキシャンテの街にとっても守り神であったかのように、誰にも姿を見せず密かに採掘場と作業員それを必要とするキシャンテの街を守っていたマモリムカデ。どうして、姿を現したのか。それについては当時知ることはできなかった。でも、この能力を持っているからこそ知れることもある。クロウキッドナップが子供を誘拐していたのが守るためだったと同様、この行動にも何かしらの意味があるはずなのだ。そして、マモリムカデという魔物は、この一体だけなのだ。他には存在しない。即ち、このマモリムカデが女であることは明らかなのである。そして、そのマモリムカデの行動にも多くの矛盾があった。行動パターンの多くが、様子を見るなのである。だがステータスはレベル21にしては、この周辺の魔物どころか後半の魔王の城周辺の魔物と比べても見劣りしないのだ。それが、ただただ様子を見るだけを選択し、倒される。多くの人間は、このマモリムカデを気にもしないで踏み潰す。倒さなければ、このキシャンテの街における汽車移動を解放できないからだ。
「ナライ君、これも何かの縁だ。よかったらそのムカデの魔物のことは僕たちに任せてもらえないだろうか?」
「そんな、皆様ほど強い冒険者なら願っても無いことですが、キチヨさんに判断を仰いで、クエスト登録しようかと考えていたのですが」
「ナライ、その必要はないよ。その冒険者一向に任せようじゃないか」
白いコートとズボン姿で肩にカモメを乗せ、口にキセルを咥えた女性が現れる。
「キチヨさん、良いんですか?」
「あぁ、だってその人たちだろさっきあの悪漢共から我が街の作業員たちを救出してくれたのは?」
「はい。ひょっとして、見ておられたのですか?」
「ナライ、アタイを誰だと思ってんだい。この街の町長であり、皆様の夢と希望を運ぶドリームトレインの機長様だよ。この街でアタイの知らないことは何一つないと思っておきな」
「だったら助けてくだされば、、、、」
「ナライ、何か言ったかい?」
「いえ、キチヨさんがそう言うのでしたら、フグサク御一行様、宜しくお願いいたします。解決してくださった暁には皆様限定で、ドリームトレインの乗り放題パスを進呈させて頂きます」
「ナライ、太っ腹だねぇ。まぁ、それぐらいは良いさ。大いにやんなアンタたち」
いやテキストしかなかった時は、大柄な女が肩で風を切って、なんか言ってるぐらいだったけど、なんていうか、海の女って感じなのは何で?そもそも、石炭をくべる蒸気機関車の機長だよね。白かったら真っ黒になるだろうが!なんで毎日毎日服が白くて綺麗なんだよ!ひょっとして何着もあるパターンか。そうなのか。とツッコミたい所は山ほどあるんだけどやめておこう。
「キチヨさんの許可も頂きましたので、よろしくお願いいたしますフグサク御一行様。セキタ採掘場は、キシャンテの街の北東に位置しています」
「じゃあ、ちょっと行ってくるよ」
フグオたちが出ていく背中を見つめながら呟くキチヨ。
「フグオか。お尋ね者であるアンタが名前を偽って、何をしようとしてるのか目を光らせていたんだけどねぇ。悪漢から町人を助けてくれたり、ナライに親身になってくれたり、挙げ句の果ては、魔物の討伐まで請け負うだなんてねぇ。やれやれ、この街の汽車ギルドのマスターであるアタイにも届いているこの手配書だけど、何かの間違いなんじゃないかねぇ。最近、上のやることがきな臭いったらありゃしないよ。向こうも偽名、こちらもわからなかったで暫く様子を見るとするさね。せいぜいアタイをガッカリさせないでくれよ」
キシャンテの街の北東に位置するセキタ採掘場。この採掘場には魔物が存在しない。それでいて、上質な石炭が手に入ることから蒸気機関車による交通で生計を立てているキシャンテの街にとって必要不可欠な場所なのだった。ここに出たムカデの魔物の目的とは一体何なのか?
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