えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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3章 群雄割拠

間話休題④ 河間の英雄

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 冀州の河間郡に1人の英雄がいた。その男の名を張郃儁乂という。容姿が中性的で女性に度々間違われることもあったが男である?幼馴染である高覧とともに武を高め合っていた。
 肉屋の男「おぅ張郃ちゃん、今日も可愛いね。可愛い張郃ちゃんにこれオマケね」
 張郃「おっちゃん俺、男なんだけど」
 肉屋の男「えっそうなの?どっちでも良いじゃないか。ハッハッハ」
 張郃「良くない。俺は男だー」
 高覧「何騒いでんだよ張郃」
 張郃「高覧、聞いてくれよ。また女に間違われたんだ」
 高覧「まぁ、男の俺から見ても可愛いからな。仕方ないんじゃねぇか」
 張郃「ちっとも良くない」
 村女「あら張郃ちゃん、お母さんのお手伝いしてて偉いわね。これお姉さんから可愛いお嬢さんに」
 張郃「あの俺、男なんだけど」
 村女「もう、何言ってるのよ。何処を探したらこんな可愛い男の子が居るのよ」
 高覧「ハハハ」
 張郃「笑うな」
 そんな少年時代を過ごし、青年へと成長してもその容姿は中性的で女性らしかっただけではなく、成長するに伴って女性らしく出るとこは出ていた。この歳になると張郃自身も自覚し始める自分は女性なのではないかと。だが心がそれを認めなかった。
 高覧「まさか、本当に女だったなんてな。ハハハ」
 張郃「煩い、自分でもどっちなのかわかんなくなってきてるってのに高覧は呑気なんだから」
 高覧「声も野太い感じじゃなくて、可愛い声してるもんな。納得納得」
 張郃「勝手に納得すんな」
 肉屋の男「やっぱり張郃ちゃんだったじゃないか。ハッハッハ」
 村女「ほら、お姉さんの目は誤魔化せなかったでしょ。フフフ」
 張郃「私は男だー」
 高覧「そんなに言うならよ。どうして水浴びの時は、1人なんだよ」
 張郃「・・・(言えない。高覧みたいに立派なの付いてないなんて。俺のはすごく小さいんだ。豆粒みたいに)」
 高覧「何黙ってんだよ。今度一緒に水浴びしようぜ。なっ」
 張郃「わかったからそんなにベタベタ引っ付くな。見ても笑うなよ」
 高覧「笑わねぇよ」
 後日約束した通り、近くで水浴びする2人。
 高覧「何、布で隠してんだよ」
 張郃「うぅ、恥ずかしい」
 高覧は、張郃の裸を見て鼻血を吹き出し倒れた。
 張郃「高覧、ちょっとなんで水浴びで上せたの。ねぇ返事してよ」
 高覧「大きなお山が2つ。そしてアレが無かった」
 張郃「大きなお山って何?アレって何?何なの?やっぱり、俺の身体がおかしいの?」
 高覧「そうじゃねぇよ。俺にはコイツが付いてるだろ。お前には無い。つまり、そういうことだ」
 張郃「えっ、あるよ。この小さい豆粒が」
 高覧「それは女。ゴホン。俺以外の男に裸を見せんじゃねえぞ」
 張郃「それどういうこと?」
 高覧は耳元で呟く。
 高覧「俺のこれは男特有のもの。張郃のそれは女特有のもの。だから張郃、お前は生物上的に言うなら女ってことだ。女が好きでもない男の前で肌晒して良いわけないだろ。俺は友人だ。大丈ブーーーーーー」
 まだ裸だった張郃の女性の部分を見て盛大に鼻血を吹き出す。
 張郃「女?俺が女?」
 16にもなって初めて知った。そして、この時より張郃は男装の麗人として生きることを決める。髪の毛を束にして一本で括り、胸にはサラシを巻き男らしく振る舞う。そして、時は頭に黄色い頭巾を巻いた賊が蔓延る時代となる。女は捕えられ凌辱され。男は殺される。そんな野蛮な賊徒が河間にも押し寄せる。韓馥の募兵に応じ、軍司馬として高覧と共に仕える。
 張郃「この河間を韓馥様より任された張儁乂である。皆の命は俺が守る。黄巾の賊どもを1人残らず駆逐しようぞ」
 肉屋の男「張郃ちゃんのことは、俺たちが守ってやる」
 村女「そうよそうよ。女だって戦場に立てることを見せてやるんだから」
 高覧「全く、お前ってやつは(女の身でありながら男として戦場に立つか)俺が支えてやらねぇとな」
 河間を攻める黄巾の賊徒の名を鷙蹶ゴウケツという。2万の山賊を率いる親分だった。多勢に無勢。このままでは、河間を失うことになる。そう考えた張郃は一計を案じる。
 張郃「村の女たちを集めて、男たちは合図があるまで外で待機」
 高覧「張郃、何するんだ?」
 張郃は鎧を脱ぎ胸を巻いていたサラシを外し、服を着替えると女性に早替わりする。
 張郃「村の女たちは、私が守る。だから高覧、男たちを束ねて、合図を出したら一斉に殲滅だよ」
 高覧「全く、使えるものなら自分の身体すら使うってかよ。わかったよ。でも、お前に危害を加えようとしやがったら容赦なく飛び出すからな」
 張郃「わかったわよ。頼んだわよ高覧」
 高覧「あぁ、任せろ」
 鷙蹶率いる黄巾賊徒が村に侵入する。
 張郃「ようこそお越しくださいました。村の男どもは、黄巾の皆様に恐れを成して逃げる始末。私たちは抵抗は致しません。心ゆくまでここで疲れを癒してくださいませ」
 鷙蹶「ガハハ。そうか。良い良い。それにこのような美人の申し出なら断ることなどできんわい。もっと近こう寄れ」
 張郃「はい」
 鷙蹶「全く、こんなに良い思いができて黄巾には感謝せんとなぁ。ガハハ」
 張郃「きゃっ。そこを強く揉まれると。まだまだ夜は長いんですからお楽しみは、もう少しあ・と・で・ね」
 鷙蹶「ガハハ。全く美しい。機嫌を損なわせるわけにもいくまい。待とうぞ。ガハハ」
 張郃の考えた作戦はこうだ。女だけで食事を持て成し、油断したところをまとめて殲滅。その作戦のためなら率先して女であることを武器に使い。矢面に立った。その作戦は功を奏し、鷙蹶たちはこのもてなしに大層気を許し、酔いに酔った。
 張郃「鷙蹶様、それでは」
 鷙蹶「ようやっと、お前を味わえるのだな。楽しみじゃ。これは何じゃ。うぐっ」
 張郃「女であることがこんなことで役に立つとは、私こそがこの河間を預かる大将である。賊ども覚悟せよ」
 鷙蹶「謀ったな。者共、この村を蹂躙するのだ。どうして、お前たち。何故、誰も来ない」
 黄巾賊徒「鷙蹶様、お逃げください。我々は袋のねず。ガハッ」
 高覧「おぅおぅ。鷙蹶さんよ。俺の女房と鼻息荒く楽しんでくれじゃってさ。覚悟できてんだろうな」
 張郃「誰がお前の女房になった!つまらぬ冗談は良い。合わせろよ高覧」
 高覧「おぅ」
 鷙蹶「許さんぞ貴様ら。この大斧にて切り刻んで。って俺の大斧何処行きやがった」
 張郃「もう、何もわからないでしょう。つよ~いお酒を奮発して飲ませましたからね」
 鷙蹶「ヒック。おんどりゃあ、舐めるんやないぞ」
 高覧「動きも千鳥足、潮時だな。行くぞ張郃」
 張郃「あぁ」
 張郃と高覧による剣を横にしてのダブル一閃。鷙蹶の身体は綺麗に下半身と上半身に分かれた。
 鷙蹶「ギャァァァァァァァァァァァァ」
 高覧「終わったな張郃」
 張郃「あぁ。いつまで抱きついてるつもりだ?離せ」
 高覧「いや~ん。こんな可愛い張郃ちゃんをあんな奴に触られたと思ったら。俺が上書きしてやろうと」
 張郃「要らん。お前も鷙蹶のようにしてやろうか?」
 高覧「冗談だって、そんなに怒んなよ。なっ」
 張郃によりボコボコにされる高覧。これ以降、黄巾賊徒を幾度となく河間にて、追い返す張郃のことをいつしか河間の英雄と呼ぶようになる。
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