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4章 三国鼎立
救出
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呉懿が成都守備兵を率いて、開かずの間を開け、その奥へと向かい。兵士一人一人にその光景を見せる。
成都守備兵C「そんな。お前なのか?」
九十七姫「あら、誰かと思えば男としてなんの役にも立たない元旦那様じゃないですかぁ」
成都守備兵C「お前は俺にそんなことを言わない。誰だお前は?」
九十七姫「あたしは~。劉璋様に身も心も生まれ変わらせて貰ったの。ダメな元旦那から解放してもらった九十七姫よ~」
成都守備兵C「こんなことって、何がどうなって」
足元から崩れ去る兵士がそこら中に。
呉懿「お前たち、しっかりしろ!これが劉璋の行ってきたことだ!お前たちの愛する妻や大切な娘を連れ去り、調教した!これを見てもまだお前たちは劉璋に付き従うのか!」
成都守備兵C「許さない。こんなことをする劉璋を必ず殺してやる」
九十七姫「そんなことはあたしがさせないっての~。アンタの命もここまでだから」
成都守備兵C「ごめんな。こんな姿でずっと居たくないよな。お前らしくないもんな」
呉懿「殺すな!全員捕えるのだ。劉璋がこの女たちを愛しているのなら何を差し出しても取り返そうとするはずだ!その場合は交渉に使う。そして、その時はお前たちも諦め切れるだろう。そのどうしようもないやり場のない怒りを。怒りをぶつけるのは目の前の女たちではない!劉璋だ。それを肝に命じるのだ!」
呉懿の言葉で成都守備兵たちが女たちの武器を奪い取り、手と足を縛った。
九十七姫「何、すんのよ。こんなことして、タダで済むと思うんじゃないわよ。このダメ亭主。劉璋様が黙ってないわよ」
成都守備兵C「あぁ、そうであって欲しいよ。そうなら、男として自分に魅力が無かっただけと割り切れるからな。残念なのは、劉璋が取り返すことをしなかった場合だ。ここに集められた女性は、欲を満たすための道具で、誰でもよかったってことだ。お前は、劉璋のことを嫌っていたもんな。何か粗相をして、ここに連れ去られたんだろう。ここにいる女のほとんどが同じ理由なんだろう。どうしてこんなことができる。自国の民に。うぅ」
呉懿「お前のその想いは、いつか報われる。きっと真の領主様が現れる。民だけでなく兵たちも大切に思ってくださる領主様が」
成都守備兵C「慰めてくださり感謝します呉懿将軍」
呉懿の元に先程助けてくれた女が来る。
民女「貴方様は、どうして戻ってきたのです。こんな危険を犯して」
呉懿「必ず助けると約束したであろう。お前たちはみたところ五斗米道の信者か?」
民女「はい。野盗にいきなり押し入られ、旦那は私を助けようとして殺されそうに。私がなんでも言うことを聞くと懇願して、命だけは助かりましたが奴隷兵士として、連れて行かれました。劉璋という男は悪魔です。連れられてきた私たちの身体をまるで舐め回すように眺めて、選んでいる途中に何かあったようで、出て行って事なきを得ました」
呉懿「そうか。無事で良かった。先程は、危険を顧みず助けてくれて感謝する。劉璋に対して反旗を翻した1人で、呉子遠と申す。お前たちは帰る場所が無いのだろう。しばらく待っていてくれ。必ず、漢中に帰すと約束しよう」
民女「そこまでの恩を与えられて、返せるものなど、もうこの身体しか」
呉懿「やめんか!旦那がいるのであろう!」
民女「いやいや、そういう意味じゃないですよ!想像するなんて変態!家事が得意なんです。帰れるまで、皆様のために働きますってことです!」
呉懿「そっそうであったか。紛らわしい言い方をするでない!」
民女「勝手に勘違いなさったのは、呉懿様ですよね?」
呉懿「なんたる言われようか」
民女「最初に助けたのはこちらですから」
呉懿「だからこうして助けに来ただろう」
民女「えぇ、もう凄ーく感謝してますよ。あの男の毒牙にかかって、ここにいる他の女の人みたいにならなくて済んだんですからね」
呉懿「それは、本当に良かった」
外で見張りをしていた成都守備兵が入ってくる。
成都守備兵A「大変だ~。張任が兵を率いて、討伐に来たぞー」
呉懿「来たか。全ての守備兵をここに集めよ。張任とは俺が話す」
呉懿は外に出て、成都城を取り囲む張任と向き合う。
張任「呉懿、貴様は俺をここまで失望させてくれるとはな。俺への腹いせに成都で反乱を起こすなど。すぐにここより立ち去れ。今なら共に戦った縁も考慮し、見逃してやらんこともない」
呉懿「張任よ。お前は、成都城にある開かずの間を知っているか?」
張任「その場所は劉璋様以外の立ち入りを禁じられている場所だ。深く知る必要はない」
呉莧「おやめください」
張任「ほぉ。やはりお前が裏切り者の劉瑁と呉莧を匿っていたのだな」
呉莧「違います。私は今まで劉璋に囚われて居たのです。兄に助けてもらいました」
張任「そうかそうか口裏合わせもばっちりとな。お前たち、反逆者共を捕らえろ。何しているお前たち」
張任の兵の中に紛れ込んでいた元劉瑁の兵が呉莧の姿を見て、全てを察した。そして、張任を縛り上げ、そして、他の兵たちにも告げる。
元劉瑁の兵「やっぱりそうだったのか。劉璋は劉瑁様を殺し呉莧様を捕らえていたのか。今、目の前に見えていることが真実。今まで、泥水をすすりあのクズに仕えた意味があった。お前たちも目を見開いてよく見ろ!呉莧様以外にも囚われていた者たちがたくさんいるだろう。その中には、お前たちの妻や娘。姉妹なんかもいるかもしれんぞ」
この言葉を聞き、兵士たちは戦意を無くし、縛られた張任と共に成都城内へと入る。そして、その光景をみた兵士たちは、劉璋への反乱に加わる。そう、彼らの中にも居たのだ。行方不明となっていた姉や妹・妻や娘が劉璋様と叫んでいる姿をみてしまったのだ。しかし、これをみても張任は信じなかった。それゆえ、牢に繋ぐしかなかったのである。こうして、成都は一旦法正による劉璋反乱軍が制圧することとなった。
成都守備兵C「そんな。お前なのか?」
九十七姫「あら、誰かと思えば男としてなんの役にも立たない元旦那様じゃないですかぁ」
成都守備兵C「お前は俺にそんなことを言わない。誰だお前は?」
九十七姫「あたしは~。劉璋様に身も心も生まれ変わらせて貰ったの。ダメな元旦那から解放してもらった九十七姫よ~」
成都守備兵C「こんなことって、何がどうなって」
足元から崩れ去る兵士がそこら中に。
呉懿「お前たち、しっかりしろ!これが劉璋の行ってきたことだ!お前たちの愛する妻や大切な娘を連れ去り、調教した!これを見てもまだお前たちは劉璋に付き従うのか!」
成都守備兵C「許さない。こんなことをする劉璋を必ず殺してやる」
九十七姫「そんなことはあたしがさせないっての~。アンタの命もここまでだから」
成都守備兵C「ごめんな。こんな姿でずっと居たくないよな。お前らしくないもんな」
呉懿「殺すな!全員捕えるのだ。劉璋がこの女たちを愛しているのなら何を差し出しても取り返そうとするはずだ!その場合は交渉に使う。そして、その時はお前たちも諦め切れるだろう。そのどうしようもないやり場のない怒りを。怒りをぶつけるのは目の前の女たちではない!劉璋だ。それを肝に命じるのだ!」
呉懿の言葉で成都守備兵たちが女たちの武器を奪い取り、手と足を縛った。
九十七姫「何、すんのよ。こんなことして、タダで済むと思うんじゃないわよ。このダメ亭主。劉璋様が黙ってないわよ」
成都守備兵C「あぁ、そうであって欲しいよ。そうなら、男として自分に魅力が無かっただけと割り切れるからな。残念なのは、劉璋が取り返すことをしなかった場合だ。ここに集められた女性は、欲を満たすための道具で、誰でもよかったってことだ。お前は、劉璋のことを嫌っていたもんな。何か粗相をして、ここに連れ去られたんだろう。ここにいる女のほとんどが同じ理由なんだろう。どうしてこんなことができる。自国の民に。うぅ」
呉懿「お前のその想いは、いつか報われる。きっと真の領主様が現れる。民だけでなく兵たちも大切に思ってくださる領主様が」
成都守備兵C「慰めてくださり感謝します呉懿将軍」
呉懿の元に先程助けてくれた女が来る。
民女「貴方様は、どうして戻ってきたのです。こんな危険を犯して」
呉懿「必ず助けると約束したであろう。お前たちはみたところ五斗米道の信者か?」
民女「はい。野盗にいきなり押し入られ、旦那は私を助けようとして殺されそうに。私がなんでも言うことを聞くと懇願して、命だけは助かりましたが奴隷兵士として、連れて行かれました。劉璋という男は悪魔です。連れられてきた私たちの身体をまるで舐め回すように眺めて、選んでいる途中に何かあったようで、出て行って事なきを得ました」
呉懿「そうか。無事で良かった。先程は、危険を顧みず助けてくれて感謝する。劉璋に対して反旗を翻した1人で、呉子遠と申す。お前たちは帰る場所が無いのだろう。しばらく待っていてくれ。必ず、漢中に帰すと約束しよう」
民女「そこまでの恩を与えられて、返せるものなど、もうこの身体しか」
呉懿「やめんか!旦那がいるのであろう!」
民女「いやいや、そういう意味じゃないですよ!想像するなんて変態!家事が得意なんです。帰れるまで、皆様のために働きますってことです!」
呉懿「そっそうであったか。紛らわしい言い方をするでない!」
民女「勝手に勘違いなさったのは、呉懿様ですよね?」
呉懿「なんたる言われようか」
民女「最初に助けたのはこちらですから」
呉懿「だからこうして助けに来ただろう」
民女「えぇ、もう凄ーく感謝してますよ。あの男の毒牙にかかって、ここにいる他の女の人みたいにならなくて済んだんですからね」
呉懿「それは、本当に良かった」
外で見張りをしていた成都守備兵が入ってくる。
成都守備兵A「大変だ~。張任が兵を率いて、討伐に来たぞー」
呉懿「来たか。全ての守備兵をここに集めよ。張任とは俺が話す」
呉懿は外に出て、成都城を取り囲む張任と向き合う。
張任「呉懿、貴様は俺をここまで失望させてくれるとはな。俺への腹いせに成都で反乱を起こすなど。すぐにここより立ち去れ。今なら共に戦った縁も考慮し、見逃してやらんこともない」
呉懿「張任よ。お前は、成都城にある開かずの間を知っているか?」
張任「その場所は劉璋様以外の立ち入りを禁じられている場所だ。深く知る必要はない」
呉莧「おやめください」
張任「ほぉ。やはりお前が裏切り者の劉瑁と呉莧を匿っていたのだな」
呉莧「違います。私は今まで劉璋に囚われて居たのです。兄に助けてもらいました」
張任「そうかそうか口裏合わせもばっちりとな。お前たち、反逆者共を捕らえろ。何しているお前たち」
張任の兵の中に紛れ込んでいた元劉瑁の兵が呉莧の姿を見て、全てを察した。そして、張任を縛り上げ、そして、他の兵たちにも告げる。
元劉瑁の兵「やっぱりそうだったのか。劉璋は劉瑁様を殺し呉莧様を捕らえていたのか。今、目の前に見えていることが真実。今まで、泥水をすすりあのクズに仕えた意味があった。お前たちも目を見開いてよく見ろ!呉莧様以外にも囚われていた者たちがたくさんいるだろう。その中には、お前たちの妻や娘。姉妹なんかもいるかもしれんぞ」
この言葉を聞き、兵士たちは戦意を無くし、縛られた張任と共に成都城内へと入る。そして、その光景をみた兵士たちは、劉璋への反乱に加わる。そう、彼らの中にも居たのだ。行方不明となっていた姉や妹・妻や娘が劉璋様と叫んでいる姿をみてしまったのだ。しかし、これをみても張任は信じなかった。それゆえ、牢に繋ぐしかなかったのである。こうして、成都は一旦法正による劉璋反乱軍が制圧することとなった。
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