えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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4章 三国鼎立

合浦陥落の情報を聞く士祇

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 合浦が落ちたという情報が士祇の元に入る。
 伝令「報告、合浦が劉備軍に落とされました」
 士徽「劉備は殺し回ったんだな?」
 伝令「いえ、民兵と奴隷兵の被害はないとのことです。それと」
 士徽「民兵や奴隷兵を殺さずに合浦を落としただと!?どうやったっていうんだ!」
 士祇「黙れ士徽、それとなんだ。続きを申せ」
 伝令「はっ。慄苦様と臆巣様が討ち死になされました」
 士祇「ほぉ。あの下半身の快楽のためならどんなことでもやる馬鹿が死んだか」
 伝令「はい。その方法が見ていた我々にもわからなくて、2人ともいきなり血を吐いて倒れましたので」
 士祇「毒か何か飲まされた様子もなくか?」
 伝令「はい。2人とも士祇様が倒された原住民。ゴホン。失礼しました蛮族の刀流の妻を強姦している最中に血を吐いて、倒れたのです」
 士徽「おいおい。あの女、マジかよ。綺麗な顔して、あっちに何仕込んでたって言うんだよ」
 士祇「この馬鹿者が。そんなことをすれば、その女も死んでいるだろうがそんなこともわからんのか。馬鹿が」
 士徽「馬鹿は言い過ぎだって、言ってるだろ兄貴」
 士幹「士祇にぃさん、だとしたらやはり毒でしょうか?」
 士祇「そう考えるのが自然だろうが何か引っかかる」
 士頌「士祇兄上が引っ掛かる程の何かですか?まさか透明人間なんて居ませんよね。アハハ」
 士祇「透明人間?待て、その時、奴らの周りに何かいたか?」
 伝令「いえ」
 士祇「怪しい奴らは居なかった?どんなことでもいい。その時のことを話せ!」
 伝令「はい。いつものように慄苦様と臆巣様が刀流の妻に強姦をしていて、その様子を見ている我が軍の兵がチラホラ。ほら俺たちだって男ですから。その、やっぱり気になるじゃないですか」
 士祇「そんなことはどうでもいい。起こったことだけを話せ!」
 伝令「失礼しました。その後、暫くして、2人とも血を吐いて倒れました」
 士祇「その時、周りにいた兵どもはどうしてた?」
 伝令「へっ?倒れた慄苦様と臆巣様に駆け寄っていました」
 士徽「聞く限り怪しいところはねぇんじゃねぇか?仕えている人間が倒れたら普通寄るだろう」
 士祇「ハッハッハ。成程な。劉備め本当に透明人間を使うとはな」
 士幹「士祇にぃさん、僕にもさっぱりわかりません」
 士祇「なーに透明人間と言っても、本当に透明人間が居たわけではない。注目するべきは、我が軍の格好をした兵が居たという点だ。慄苦と臆巣は嫉妬深い。あの2人が自分の獲物と交尾しているところを他人に見せるはずがない。恐らくその周りにいた兵は劉備が我が軍の兵装を奪って着せた者たちだ。慄苦と臆巣のことだやることに夢中で背後に迫られていることに気付かなかったのだろう。まさかこのような手段で、民兵と奴隷兵の虐殺を止めるとはな。ハッハッハ。面白いこうでなくてはな。劉備にどうやって、民を殺させるか考えるのが楽しみになってきたわ。次に向かった先はわかるか?」
 伝令「はい。恐らく後顧の憂いを断つため朱崖に向かったかと」
 士祇「報告御苦労。下がって良いぞ」
 伝令「はっ」
 伝令が振り向いた瞬間、士祇は容赦なく伝令を貫いた。
 伝令「ガハッ。何を?」
 士祇「お前のような余計な話をする伝令など不要だ。伝令とは起きた事象を迅速に話すものだ。お前の無駄話のせいで、12分28秒程、無駄にした」
 伝令「お願いですから殺さないで、、、」
 士祇「無理な相談だな」
 伝令「ゴフッ」
 士徽「兄貴、何も殺さなくても良いじゃねぇか!」
 士祇「これだから馬鹿は困る。時間は有限なのだ。貴様のような出来の悪い弟に咎められる筋合いなどない」
 士徽「でもよ。コイツだったしっかり仕事してくれたわけだしよ」
 士祇「だから無駄話の一つぐらい許せと?お前と話しているこの時間も無駄なのだが」
 士徽「わかったわかったから剣を俺に向けんじゃねぇよ」
 士祇「死体を始末しておけ(それにしてもまさか朱崖に向かうとはな。偽情報が1番浸透している土地だ。何が起こるか楽しみだな)」
 朱崖郡は、士祇の支配下に入っているが誰か置いているわけではなかった。それゆえ、村長と呼ばれている男がまとめていた。この村長が曲者で、まぁ有る事無い事全部噂として広めてしまう。その結果、この朱崖郡では劉備軍に対して、こういう噂が流れていた。
 民男A「お前、聞いたか?なんでも滅ぼした勢力の女を囲って毎日強姦している劉備とやらがここに進軍してきてるんだってよ」
 民男B「違う違う。確か強姦じゃなくて、乱交だって話だ。武将たちを呼んで毎日女とやり続けるんだとよ」
 民男C「いやいや。なんか弟の嫁にも手を出したとか聞いたぜ。まぁ女と見れば見境なしだって話だ」
 民男D「じゃあ、うちの姫様もやばいんじゃねぇか?」
 姫「口を慎みなさい。劉備軍が迫っているのは本当です。すぐに迎撃の支度をなさい!」
 民男E「いやいや、俺たち武器なんて使ったこともない素人ですぜ。このクワで畑仕事しているだけなんですから」
 姫「言い訳なんて聞きたくないわ。どっちみち、来てるのは、あの虐殺王劉備なのですから。戦わなくても死ぬだけですよ」
 民男F「そうだった強姦王だけじゃなくて虐殺王でもあったんだった。こうなったらやるしかねぇぜ。俺たち素人の意地を虐殺王に見せつけてやろうぜ」
 村長「ホッホッホ。我が娘ながら流石じゃ。皆を奮起するとはな」
 姫「獣に犯されたくはありませんから」
 村長「ヒョッヒョッヒョ(拾ってきた娘がこうも使い勝手の良い駒に育つとはのぅ。適齢期になったら地下室に閉じ込めてワシの子を産ませる予定じゃったが強姦王め。まさかここに目を付けるとはな。さては、この女が狙いか。させんぞ)」
 この村長は、有る事無い事を村人に吹き込むことで支配してきた権力者である。そして、捨てられていた女を自分の娘として育て、姫様と呼ばせた。自分のモノに手を出させないためである。この村で村長の娘に手を出そうとする奴は居ない。ある噂のお陰で、村長の娘に手を出したら開きにされる。この開きというのは文字通り、身体を裂かれて、解体されて骨以外は喰われるということである。そうこの村長と呼ばれている男は、人肉嗜食。現代語でいうならカニバリズムの持ち主であった。そんな村長はこう考えていた。たくさん人が死ねば人肉をたくさん食えると。そして、自分で育てた女に子を宿させた後、それごと喰らうのはどんな味がするのか。それだけを楽しみに日々を生きているような男である。
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