えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

文字の大きさ
423 / 821
4章 三国鼎立

趙雲隊vs馬雲緑隊(前編)

しおりを挟む
 劉備軍の先鋒の趙雲隊vs馬超軍の先鋒の馬雲緑隊が激しく打ち合っていた。当初、馬超は、先鋒として馬休を出すつもりであった。それを、横から勝手に飛び出したのが馬雲緑であった。

 馬雲緑「馬休兄様には悪いけど、あんなにかっこよくて強そうな人、譲れないよね」

 爺や「ですが姫様、相対する趙雲殿は、歴戦の猛将ですぞ。如何、なされるおつもりか?」

 馬雲緑「もう、爺やったら私のことが心配なのはわかるけど黙ってて、楽しみたいんだから」

 爺や「それで、命を失っては、元も子もありませんぞ。それに姫様は、馬超様のいうことを聞かず。全く姫様ときたら、くどくど」

 以下、話が長すぎるので略。馬雲緑に爺やと呼ばれているのは、馬騰の正規兵として各地の戦場を渡り歩いた歴戦の兵であり、馬雲緑の傅役を任されている初老の男性で、名を狒々ヒヒと言う。以下、狒々と表記する。

 馬雲緑「だって、こんな楽しいこと早々ないじゃない。常山の英雄で、劉備殿に5本の指に数えられる地位を与えられていて、別名を龍槍白馬《りゅうそうはくば》将軍、カッコよくて、絶対に戦いたかったんだもん」

 狒々「だからですぞ!全く、若様が先鋒を御命じになるのを無視して飛び出すのですからな。これだから、姫様は、くどくど」

 馬雲緑「もう爺やは、話が長いんだってば!」

 とにかく話が長いのである。それも馬雲緑の身を案じるからなのではあるが。

 馬雲緑兵士A「姫様、アイツら中々やりますぜ。歯応えがあらぁ」

 馬雲緑「えっ。うそうそ、何自分たちだけ楽しんでるのよ~。私も行く~」

 狒々「姫様、話は終わっておりませんぞ。全く、どうしてあんなにじゃじゃ馬なのかの。こんなことならとっとと引退しておくんでしたわい。全く、姫様ときたら、くどくど」

 何かぶつぶつと言ってるが馬雲緑はどこ吹く風である。兵士たちに混じって、前線で武を奮っていた。こうなると押されるのは趙雲軍である。

 趙雲兵士A「クソッ。この女、強い。グハッ」

 馬雲緑兵士A「おぅおぅ。うちの姫様に見惚れて、隙だらけだねぇ」

 鮑隆「これが馬超軍か、よく精錬されている。だが、我々も負けていない」

 馬雲緑兵士A「次はお前だ。ガハッ」

 鮑隆「フン。この鮑隆、そう易々と遅れは取らん」

 馬雲緑「ねぇねぇ、趙雲殿に会いたいんだけど、君捕まえたら、助けに来てくれるかなぁ。ねぇねぇ」

 鮑隆「馬鹿な!?いつの間に背後に!?」

 馬雲緑「良い反応だけどまだまだかなぁ」

 鮑隆が刃を春よりも先に馬雲緑が槍の柄で刺突を繰り出し、鮑隆を気絶させて捕虜にする。

 鮑隆「不覚!敵将に捕まろうとは」

 趙雲兵士B「そんな、鮑隆様が一撃で!?」

 馬雲緑「ねぇねぇ、他に名のある将は何処にいるの?」

 趙雲兵士B「敵に何を聞かれても答えないぞ!」

 馬雲緑「えー、答えてくれたら後でいいことしてあげようと思ったのになぁ」

 趙雲兵士B「そ、そんな。誘惑にく、屈さないぞ」

 馬雲緑「えー、これでもぉ」

 趙雲兵士B「な、な、なんて、破廉恥な。た、堪らん。あ、あ、抗うことなどできん。向こうに鮑隆様の親友であり、弓隊を率いる陳応様が居られます」

 馬雲緑「ありがと。いい子いい子してあげるね。目瞑って」

 趙雲兵士B「エヘヘ。これがフカフカのおっぱい。いや、何か違ーう」

 馬雲緑「えっ!?気持ち良くなかった。水袋、コロコロ。うちの子たちには、大人気なのになぁ。あっ、情報ありがとうね。少し眠っててね」

 趙雲兵士B「こんなのあんまりだぁ。はふっ」

 馬雲緑兵士B「ひょっとして、俺たちもいつもそれだったので?」

 馬雲緑「うん。そうだよ~」

 馬雲緑兵士B「姫様のおっぱいじゃなかったのか」

 馬雲緑「あれれ、どしたの?次に行こう」

 馬雲緑兵士B「はぃ」

 馬雲緑兵士Bのやる気が露骨に落ちたのは言うまでもない。いつも目を瞑って、姫様からのご褒美として、おっぱいで顔をパフパフされるのが楽しみだったのだ。その正体がまさか袋に水を入れただけと知ったのだから。

 それはともかく、彼らは趙雲隊の兵士からの情報を元に丘の上にいるという陳応という将を狙う。

 趙雲兵士C「陳応様、何やら一団がこちらに来ます」

 陳応「鮑隆が突破されたのか?それとも、まさか鮑隆の身に何か?ええぃ近づかせるで無いぞ」

 趙雲兵士C「承知しました。ゴフッ」

 馬雲緑兵士B「敵に後ろを見せるなんざ。ダメダメだなぁ。ぎゃぁ」

 陳応「近付かれれば弓が撃てないとでも。すまん。敵は取ったぞ」

 馬雲緑「すご~い。弓の腕前が良いって本当なんだね。ねぇねぇ。趙雲殿に会いたいんだけど協力してくれる?」

 陳応「女!?その後ろにいるのは、鮑隆!?貴様、許さんぞ」

 馬雲緑「あっ、弓隊って聞いてたけど君が陳応なんだね?よーし、捕まえちゃおう」

 陳応「この陳応、易々と捕まらんぞ」

 近づかれたら陳応は弓を背中にしまうと剣を抜く。

 馬雲緑「無理しちゃダメだよ。使い慣れてない武器なんか使っても、良い結果なんて、出ないんだからね」

 陳応「心配など不要、この陳応、剣も使いこなせるわ」

 しかし、次の瞬間、斬りかかった陳応の剣が空高く飛び、近くの地面に突き刺さった。

 陳応「馬鹿な!?なんという力だ。これは、樊玉鳳様に匹敵するやもしれん」

 馬雲緑「へぇ。良いこと聞いちゃった。ありがと~。じゃあね」

 陳応「申し訳ございません趙雲様。俺は、ここまでのようです。はぐぅ」

 馬雲緑は、槍の切先を変えて、柄で刺突して、陳応を気絶させる。

 馬雲緑「よーし、これで2人目だよ~」

 馬雲緑兵士C「姫様、どうして殺されないので?」

 馬雲緑「えっ?そんなの決まってるじゃない。趙雲殿に逢いたいからよ」

 馬雲緑兵士D「なぁなぁ。これ、ひょっとして姫様は憧れを通り越して、恋してるなんてことは?」

 馬雲緑兵士C「何言ってんだ。姫様に限って、そんなこと。だって、俺たちに御褒美としてパフパフしてくれる人だぞ」

 馬雲緑兵士D「そうだよな。貞操観念緩々の姫様に限って、そんなことねぇよな」

 馬雲緑兵士C「あるわけねぇ。あるわけ」

 馬雲緑「ほら、皆~いっくよ~」

 馬雲緑隊の動きは凄まじく、終始押されていたのは趙雲隊であった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

処理中です...