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4章 三国鼎立
間話⑦ 呂姫と袁燿
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劉備が益州を平定した後、徐州都督となった呂布が本拠地としている下邳城にて、呂布の娘である呂姫と劉備の養子である袁燿の婚姻が執り行われようとしていた。
呂姫「父上、母上、今まで育ててくださりありがとうございました」
呂布「我が姫よ。俺は、てっきり劉丁殿のことが好きなのだと思っていたが袁燿殿を選ぶとはな。心境の変化でもあったか?」
厳氏「まぁまぁ旦那様ったら。そのようなことをお聞きになるなんて無粋ですわよ」
貂蝉「厳様の言う通りです。人の心は移り変わるものです」
呂姫「父上のおっしゃる通り、義賢様に恋をしておりました。でも義賢様と董白様の間に入ることなんて、敵いませんもの。理想のお二人です」
呂布「劉丁殿も罪な御人だな。色々な女性に好意を寄せられようとも董白様一筋なのだからな」
厳氏「董卓に育てられていては、あぁはならないでしょう。あのツンとした態度と劉丁殿にだけデレるところなんて可愛らしいですもの」
呂布「女性陣から見たらそういうものか」
呂姫「えぇ。あの態度が全員だと何愛嬌振り撒いてんのよとか思いますけどあくまで義賢様にだけですから」
貂蝉「心得ておられるのでしょう。霊帝様も良き孫娘を育てられましたね」
呂布「その人物を董卓として、義父の敵と殺す運命にならなかったこと。劉備様には感謝しかない。例えこの身に変えようともこの徐州は死守する所存だ」
荀攸「叔父上にこの徐州の軍師を任されている俺がいる限りそうはなりませんから御心配なく」
呂布「全く、自信は良いが慢心はするなよ荀攸」
陳登「呂布様、劉備様たちが張遼殿と共に到着したそうです」
呂布「承知した。陳登、お前にも苦労をかけた。引き続き、孫翊の動きの警戒を任せたぞ」
陳登「はっ。お任せを」
呂布「待て、陳登。孫堅殿や孫権殿にも恨みはあるだろうが今は共に劉備様を支える仲間だ。許せとは言わないが徐州を守る上で、劉備様の治める荊州と交州を治める孫堅殿との協力は大事だ」
陳登「御安心を。もう私情に流される事はありません。亡き父にも固く言い含められましたから」
呂布「陳珪殿か。最後の最後まで劉備様の天下を望んでおられたな。だがこのご時世において、戦ではなく寿命による天寿を全うされたことは、喜ばしい事だ」
陳登「はい。俺もそのように思います。では、孫翊の警戒に戻ります。呂布様、此度の姫様と袁燿様の婚姻、おめでとうございます」
呂布「ありがとう陳登。守りは任せたぞ」
陳登「はっお任せください。徐州の地に孫翊を踏み込ませはしません」
劉備たちの到着を知らせた陳登は、孫翊の抑えのためにお祝いの言葉だけを述べて、戻っていく。
張遼「呂布様、御無沙汰しております」
呂布「よく来たな張遼。袁紹との戦いでは、徐晃と共に関羽殿の補佐を務めた事、この徐州にまで轟いていたぞ」
張遼「良い経験ができたと思っております。この度、荊州の郡の一つを預かる太守となりました。揚州北部を任される事となった袁燿様共々、呂布様の補佐を出来れば」
呂布「そう堅くなる必要はない張遼よ。お前が側に太守として、いる事心強く思う。今日は来てくれて感謝する」
張遼「姫様の晴れ舞台を見ないわけにいきませんからな。元傅役として」
呂姫「あっ張遼。袁燿は?」
張遼「姫様!それが。先程から緊張しておりまして、劉丁殿と何やら会話しておられました」
呂姫「そうなんだ。何を緊張しているのかしら?」
張遼「その。何と言いますか。ちょっとナヨっとしておりましたな」
呂姫「ふーん」
その頃、袁燿は養父である劉備ではなく、叔父でありヨシカタ塾の先生でもある義賢に泣きついていた。
袁燿「叔父上~。あんなに綺麗な人が僕の妻だなんて、その初めての夜の事とか。満足させてあげられるかとか色々、考えてしまうと、うっうぅ」
義賢「はぁ。まぁ、そうだよな。俺が董白と結婚した時は、ん?俺、祝言あげたっけ?」
袁燿「叔父上!それはどうなんですか!董白叔母、ゴホン、董白姉様は、何も?」
義賢「まぁプロポーズはしたな。あっ婚約の誓いな」
袁燿「成程。失礼でなければどのように?」
義賢「俺の妻になってくれだったかな?」
袁燿「叔父上、直球ですね」
義賢「まぁ、それ以外の言葉を知らなかったしな。まぁ、断られたんだがな」
袁燿「えっ?それなのにどうして今、2人は一緒に?」
義賢「妻は嫌だと側室なら良いってな。でも、俺は董白以外に妻を取るつもりはない。そういう意味では、婚約はしてないのか?よくわからん俺も。だが、そんなものだ。そんな中、お前は呂姫と祝言を上げるんだ。後のことなんて考えず今を楽しめ」
袁燿「なんか叔父上より俺の方がまともな気がしてきました。ありがとうございます」
義賢「いや、それどういう意味だ袁燿?」
袁燿「何でもありません」
義賢「まぁ、良いか。袁燿、結婚おめでとう。幸せにな」
袁燿「叔父上、袁術の子でありながら。ヨシカタ塾で色々と御指導くださったこと忘れません。ありがとうございました」
義賢「お前はいつまでも過去に囚われすぎだ」
袁燿「父の罪を背負いこむ覚悟ですから」
義賢「難儀な性格だな」
袁燿「えぇ、俺もそう思います」
ようやく吹っ切れた袁燿と呂姫の婚姻の儀が執り行われる。
劉備「このめでたき日に我が息子が祝言をあげる事、とても嬉しく思う。袁燿、呂姫殿を大切にせよ。揚州北部の統治はお前に任せる。前任である紀霊と共に民に優しい統治をせよ」
袁燿「はっ。父上の期待に応えられるように善処いたします」
呂姫「夫を誠心誠意お支えします」
劉備「うむ。2人の幸せを祈って乾杯」
張飛「待ってたぜ」
呂布「張飛殿、飲みすぎるなよ」
張飛「めでたい席で酔わないなんて男じゃねぇ!」
関羽「翼徳よ。呂布殿も飲むなとは言っておらんだろう。羽目を外しすぎるなと」
張飛「兄者まで固いってんだ。俺は飲むぜ。何たって、兄者の子供と苦労した呂布殿の娘の婚姻なんだからよ」
呂布「張飛殿。そう言われては何も言えませんな。暴れたら俺が止めよう」
関羽「やれやれ、仕方ない。某も手を貸しますぞ呂布殿」
呂布「感謝する」
飲んで騒いで呂姫と袁燿の2人を祝う。
呂姫「袁燿、どうしたの?」
袁燿「りょりょりょ呂姫!?!?」
呂姫「何慌ててるのよ」
袁燿「叔父上には敵わないなって、呂姫はどうして叔父上ではなく俺を選んでくれたの?」
呂姫「そんなの決まってるじゃない。愛するよりも愛される方が幸せだから。義賢様は、女が手を出しちゃダメな典型例よ。1番大切な人しかあの人の目には映らないんだから」
袁燿「俺の目には呂姫しか映ってないよ」
呂姫「もう、さりげなくそういうこと言うんだから。でもありがと。さっきはあんな言い方したけど袁燿の事、好ましいと思っているわ。そうじゃなければ、結婚しないわよ」
袁燿「俺を選んでくれた事、後悔させないように頑張るよ」
呂姫「ほんと袁燿は真面目ね。ヨシカタ塾で一緒に習った時から全く変わってないんだから。大丈夫よ。袁燿が苦手なことは私がやるから。一緒に成長しましょ」
袁燿「うん」
こうして、呂姫と袁燿は夫婦となり揚州北部を統治することとなった。
呂姫「父上、母上、今まで育ててくださりありがとうございました」
呂布「我が姫よ。俺は、てっきり劉丁殿のことが好きなのだと思っていたが袁燿殿を選ぶとはな。心境の変化でもあったか?」
厳氏「まぁまぁ旦那様ったら。そのようなことをお聞きになるなんて無粋ですわよ」
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呂姫「父上のおっしゃる通り、義賢様に恋をしておりました。でも義賢様と董白様の間に入ることなんて、敵いませんもの。理想のお二人です」
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荀攸「叔父上にこの徐州の軍師を任されている俺がいる限りそうはなりませんから御心配なく」
呂布「全く、自信は良いが慢心はするなよ荀攸」
陳登「呂布様、劉備様たちが張遼殿と共に到着したそうです」
呂布「承知した。陳登、お前にも苦労をかけた。引き続き、孫翊の動きの警戒を任せたぞ」
陳登「はっ。お任せを」
呂布「待て、陳登。孫堅殿や孫権殿にも恨みはあるだろうが今は共に劉備様を支える仲間だ。許せとは言わないが徐州を守る上で、劉備様の治める荊州と交州を治める孫堅殿との協力は大事だ」
陳登「御安心を。もう私情に流される事はありません。亡き父にも固く言い含められましたから」
呂布「陳珪殿か。最後の最後まで劉備様の天下を望んでおられたな。だがこのご時世において、戦ではなく寿命による天寿を全うされたことは、喜ばしい事だ」
陳登「はい。俺もそのように思います。では、孫翊の警戒に戻ります。呂布様、此度の姫様と袁燿様の婚姻、おめでとうございます」
呂布「ありがとう陳登。守りは任せたぞ」
陳登「はっお任せください。徐州の地に孫翊を踏み込ませはしません」
劉備たちの到着を知らせた陳登は、孫翊の抑えのためにお祝いの言葉だけを述べて、戻っていく。
張遼「呂布様、御無沙汰しております」
呂布「よく来たな張遼。袁紹との戦いでは、徐晃と共に関羽殿の補佐を務めた事、この徐州にまで轟いていたぞ」
張遼「良い経験ができたと思っております。この度、荊州の郡の一つを預かる太守となりました。揚州北部を任される事となった袁燿様共々、呂布様の補佐を出来れば」
呂布「そう堅くなる必要はない張遼よ。お前が側に太守として、いる事心強く思う。今日は来てくれて感謝する」
張遼「姫様の晴れ舞台を見ないわけにいきませんからな。元傅役として」
呂姫「あっ張遼。袁燿は?」
張遼「姫様!それが。先程から緊張しておりまして、劉丁殿と何やら会話しておられました」
呂姫「そうなんだ。何を緊張しているのかしら?」
張遼「その。何と言いますか。ちょっとナヨっとしておりましたな」
呂姫「ふーん」
その頃、袁燿は養父である劉備ではなく、叔父でありヨシカタ塾の先生でもある義賢に泣きついていた。
袁燿「叔父上~。あんなに綺麗な人が僕の妻だなんて、その初めての夜の事とか。満足させてあげられるかとか色々、考えてしまうと、うっうぅ」
義賢「はぁ。まぁ、そうだよな。俺が董白と結婚した時は、ん?俺、祝言あげたっけ?」
袁燿「叔父上!それはどうなんですか!董白叔母、ゴホン、董白姉様は、何も?」
義賢「まぁプロポーズはしたな。あっ婚約の誓いな」
袁燿「成程。失礼でなければどのように?」
義賢「俺の妻になってくれだったかな?」
袁燿「叔父上、直球ですね」
義賢「まぁ、それ以外の言葉を知らなかったしな。まぁ、断られたんだがな」
袁燿「えっ?それなのにどうして今、2人は一緒に?」
義賢「妻は嫌だと側室なら良いってな。でも、俺は董白以外に妻を取るつもりはない。そういう意味では、婚約はしてないのか?よくわからん俺も。だが、そんなものだ。そんな中、お前は呂姫と祝言を上げるんだ。後のことなんて考えず今を楽しめ」
袁燿「なんか叔父上より俺の方がまともな気がしてきました。ありがとうございます」
義賢「いや、それどういう意味だ袁燿?」
袁燿「何でもありません」
義賢「まぁ、良いか。袁燿、結婚おめでとう。幸せにな」
袁燿「叔父上、袁術の子でありながら。ヨシカタ塾で色々と御指導くださったこと忘れません。ありがとうございました」
義賢「お前はいつまでも過去に囚われすぎだ」
袁燿「父の罪を背負いこむ覚悟ですから」
義賢「難儀な性格だな」
袁燿「えぇ、俺もそう思います」
ようやく吹っ切れた袁燿と呂姫の婚姻の儀が執り行われる。
劉備「このめでたき日に我が息子が祝言をあげる事、とても嬉しく思う。袁燿、呂姫殿を大切にせよ。揚州北部の統治はお前に任せる。前任である紀霊と共に民に優しい統治をせよ」
袁燿「はっ。父上の期待に応えられるように善処いたします」
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張飛「兄者まで固いってんだ。俺は飲むぜ。何たって、兄者の子供と苦労した呂布殿の娘の婚姻なんだからよ」
呂布「張飛殿。そう言われては何も言えませんな。暴れたら俺が止めよう」
関羽「やれやれ、仕方ない。某も手を貸しますぞ呂布殿」
呂布「感謝する」
飲んで騒いで呂姫と袁燿の2人を祝う。
呂姫「袁燿、どうしたの?」
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呂姫「そんなの決まってるじゃない。愛するよりも愛される方が幸せだから。義賢様は、女が手を出しちゃダメな典型例よ。1番大切な人しかあの人の目には映らないんだから」
袁燿「俺の目には呂姫しか映ってないよ」
呂姫「もう、さりげなくそういうこと言うんだから。でもありがと。さっきはあんな言い方したけど袁燿の事、好ましいと思っているわ。そうじゃなければ、結婚しないわよ」
袁燿「俺を選んでくれた事、後悔させないように頑張るよ」
呂姫「ほんと袁燿は真面目ね。ヨシカタ塾で一緒に習った時から全く変わってないんだから。大丈夫よ。袁燿が苦手なことは私がやるから。一緒に成長しましょ」
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