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5章 天下統一
濮陽、混沌
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ここは、兗州北部の1つ泰山郡である。
賈詡は、思いの外、攻略の進まない兗州北部と自身の不甲斐なさにイライラしていた。
賈詡「謀臣などと言われたこの俺がなんたる無様なことか。敵の謀も見抜けぬどころか。こうして、親衛隊は俺を守るために全滅。俺自身も足に怪我を負って、療養を余儀なくされている。伝令を飛ばし、報告はしたものの。他の二軍からは連絡が来ない。まさか、遅かったというのか」
夏侯玄の伝令「失礼します賈詡様。夏侯玄様より使いを命じられました」
賈詡「夏侯玄殿に何かあったのか!?」
夏侯玄の伝令「いえ、夏侯玄様は、賈詡様の伝令のお陰で、被害無し。御礼を申し上げるとのことです」
賈詡「そうか、それは良かった」
夏侯玄の伝令「そこで対抗策について、賈詡様にお知らせしたいと」
賈詡「何!?対抗策だと」
夏侯玄の伝令「はっ。夏侯玄様の奥方様がアレは呪術の類であると見抜かれました。それと同時に呪術を生み出している呪術師の存在の確認も」
賈詡「呪術とは何だ?」
夏侯玄の伝令「李恵姑様、曰く。呪術師とは、道士の成れの果てとのこと。闇の行いに手を染めたもの」
賈詡「しかし、于吉は死んだと聞いた」
夏侯玄の伝令「それも李恵姑様曰く。于吉も大いなる存在に操られた1人に過ぎないと。かつて、不老不死の秘術に手を染めた悪鬼」
賈詡「全く、訳がわからん。何だそのとんでもない話は、聞くに耐えん」
夏侯玄の伝令「俺もそう思います。ですが李恵姑様は至って真剣でした」
賈詡「はぁ。で?その呪術師は何処に?」
夏侯玄の伝令「李恵姑様、曰く。濮陽に怪しげな気配を纏う存在が居ると」
賈詡「では、鄧艾殿が危ないと?」
夏侯玄の伝令「はっ。賈詡様も怪我のところ大変だと思いますが濮陽に向かってくださいとのことです」
賈詡「承知した。しかし、呪術などという訳のわからんものの存在を認めるわけではないが」
夏侯玄の伝令「大丈夫です。そこは俺も信じてませんよ」
賈詡の考えは、濮陽にて大きく変わることとなる。
先に到着していた夏侯玄軍と鄧艾軍によって、生きたまま穴の中に落ちていき、不発していく人間爆弾となった民衆。
追い詰められた王累はとうとう怪しげな男から得た薬を飲むこととなる。
王累「クソッ。クソッ。クソッ。クソッ。あの鄧艾を追い詰めていたというのに、あの援軍が来てから節目が節目が変わったわ!クソッ。クソッ。クソッ。こうなったらやむを得まい。我自身がこの薬を。うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。か、か、か、身体が燃えるように燃えるように熱い。無敵の無敵の身体になるんじゃ無かったのか。うがぁぁぁぁぁぁ」
この様子を丘の上から眺めていた怪しげな男こと秦の始皇帝嬴政。
嬴政「さぁ。踊り狂え。そして、滅ぼせ。この国の王は、この嬴政、ただ1人だけで良い」
ドロドロに溶けゆく意識の中、同じように溶けたであろう多くの民衆と混じり合って、とてつもなく大きい骨の魔物となる王累。
王累「クハハハハ。力が力がとてつもなく溢れてきよる。これが、これが無敵の身体。確かに骨なら既に死んでいる。無敵も無敵もだぁぁぁぁぁ」
鄧艾「骨が動いてる。これが現実だというのか」
夏侯玄「アレが君が見ている景色なのか?」
李恵姑「えぇ、道士の成れの果て。まさか鍾繇の部下の王累が呪術師だったなんて」
王累「クハハハハ。面白い。面白い。さぁ、集まれ骨よ」
戦場に散らばる兵たちの肉体が朽ち果て、骨が吸収されていく。
鄧艾「馬鹿な!?一体どれだけ大きくなるつもりだ」
夏侯玄「これでは濮陽が保たん」
李恵姑「こうなっては、仕方ありません。それに遠くを見てください。ここにいるものだけで対処するしかありません」
賈詡「何だ。あの黒い煙は、まるで外側と遮断されているかのよう」
鄧艾「賈詡殿!怪我をしているところ申し訳ない」
賈詡「しかし、なぜ、骨が動いて喋っている?」
王累「クハハハハ。集まってこい。集まってこい。おまえたちが死ねば死ぬ程、俺の力はどんどん増す。その後で何食わぬ顔で人間に戻れば良い」
李恵姑「まさか、ここまでの秘術を王累が?」
王累「素晴らしい。素晴らしい。まるで人が豆粒のように飛んでいく」
大きな骨の怪物となった王累はどんどんどんどん濮陽の民を弾き飛ばし、死んだ身体から骨を吸収して、大きく大きく育っていく。
民男「どうぞ、お食らいください王累様。そのお力で司馬家をお守りください!」
民女「あぁ、これで力のない私でも司馬家のために、嬉しい嬉しい嬉しい」
民老「侵略者どもを殺すためなら喜んで命など差し出してくれるわい」
老婆「こんな年寄りの力でよければ、喜んで差し出しますぞい」
大きく大きくなった骨から小さな骨が大量生産される。
民男骨「これなら槍も剣も弓も何も痛くねぇ。ここを守るために侵略者どもを殺す。キシャー」
民女骨「素晴らしい。素晴らしいわ。身体の奥底から力が溢れ出てくる。これなら私でも戦力になれるわ。キシャー」
民老骨「ワシの体が若返っていくぞい。このワシが存分に力を奮ってやるわい」
老婆骨「こんな身体でも役に立てるなら喜んで使いなされ。存分に力を奮ってやりますぞい」
王累が濮陽の民を喰らい、生み出した大量の骨の数は数100万を超えていた。
それを押さえ込むのは27万の兵。
濮陽は混沌の渦の中に飲まれていた。
賈詡は、思いの外、攻略の進まない兗州北部と自身の不甲斐なさにイライラしていた。
賈詡「謀臣などと言われたこの俺がなんたる無様なことか。敵の謀も見抜けぬどころか。こうして、親衛隊は俺を守るために全滅。俺自身も足に怪我を負って、療養を余儀なくされている。伝令を飛ばし、報告はしたものの。他の二軍からは連絡が来ない。まさか、遅かったというのか」
夏侯玄の伝令「失礼します賈詡様。夏侯玄様より使いを命じられました」
賈詡「夏侯玄殿に何かあったのか!?」
夏侯玄の伝令「いえ、夏侯玄様は、賈詡様の伝令のお陰で、被害無し。御礼を申し上げるとのことです」
賈詡「そうか、それは良かった」
夏侯玄の伝令「そこで対抗策について、賈詡様にお知らせしたいと」
賈詡「何!?対抗策だと」
夏侯玄の伝令「はっ。夏侯玄様の奥方様がアレは呪術の類であると見抜かれました。それと同時に呪術を生み出している呪術師の存在の確認も」
賈詡「呪術とは何だ?」
夏侯玄の伝令「李恵姑様、曰く。呪術師とは、道士の成れの果てとのこと。闇の行いに手を染めたもの」
賈詡「しかし、于吉は死んだと聞いた」
夏侯玄の伝令「それも李恵姑様曰く。于吉も大いなる存在に操られた1人に過ぎないと。かつて、不老不死の秘術に手を染めた悪鬼」
賈詡「全く、訳がわからん。何だそのとんでもない話は、聞くに耐えん」
夏侯玄の伝令「俺もそう思います。ですが李恵姑様は至って真剣でした」
賈詡「はぁ。で?その呪術師は何処に?」
夏侯玄の伝令「李恵姑様、曰く。濮陽に怪しげな気配を纏う存在が居ると」
賈詡「では、鄧艾殿が危ないと?」
夏侯玄の伝令「はっ。賈詡様も怪我のところ大変だと思いますが濮陽に向かってくださいとのことです」
賈詡「承知した。しかし、呪術などという訳のわからんものの存在を認めるわけではないが」
夏侯玄の伝令「大丈夫です。そこは俺も信じてませんよ」
賈詡の考えは、濮陽にて大きく変わることとなる。
先に到着していた夏侯玄軍と鄧艾軍によって、生きたまま穴の中に落ちていき、不発していく人間爆弾となった民衆。
追い詰められた王累はとうとう怪しげな男から得た薬を飲むこととなる。
王累「クソッ。クソッ。クソッ。クソッ。あの鄧艾を追い詰めていたというのに、あの援軍が来てから節目が節目が変わったわ!クソッ。クソッ。クソッ。こうなったらやむを得まい。我自身がこの薬を。うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。か、か、か、身体が燃えるように燃えるように熱い。無敵の無敵の身体になるんじゃ無かったのか。うがぁぁぁぁぁぁ」
この様子を丘の上から眺めていた怪しげな男こと秦の始皇帝嬴政。
嬴政「さぁ。踊り狂え。そして、滅ぼせ。この国の王は、この嬴政、ただ1人だけで良い」
ドロドロに溶けゆく意識の中、同じように溶けたであろう多くの民衆と混じり合って、とてつもなく大きい骨の魔物となる王累。
王累「クハハハハ。力が力がとてつもなく溢れてきよる。これが、これが無敵の身体。確かに骨なら既に死んでいる。無敵も無敵もだぁぁぁぁぁ」
鄧艾「骨が動いてる。これが現実だというのか」
夏侯玄「アレが君が見ている景色なのか?」
李恵姑「えぇ、道士の成れの果て。まさか鍾繇の部下の王累が呪術師だったなんて」
王累「クハハハハ。面白い。面白い。さぁ、集まれ骨よ」
戦場に散らばる兵たちの肉体が朽ち果て、骨が吸収されていく。
鄧艾「馬鹿な!?一体どれだけ大きくなるつもりだ」
夏侯玄「これでは濮陽が保たん」
李恵姑「こうなっては、仕方ありません。それに遠くを見てください。ここにいるものだけで対処するしかありません」
賈詡「何だ。あの黒い煙は、まるで外側と遮断されているかのよう」
鄧艾「賈詡殿!怪我をしているところ申し訳ない」
賈詡「しかし、なぜ、骨が動いて喋っている?」
王累「クハハハハ。集まってこい。集まってこい。おまえたちが死ねば死ぬ程、俺の力はどんどん増す。その後で何食わぬ顔で人間に戻れば良い」
李恵姑「まさか、ここまでの秘術を王累が?」
王累「素晴らしい。素晴らしい。まるで人が豆粒のように飛んでいく」
大きな骨の怪物となった王累はどんどんどんどん濮陽の民を弾き飛ばし、死んだ身体から骨を吸収して、大きく大きく育っていく。
民男「どうぞ、お食らいください王累様。そのお力で司馬家をお守りください!」
民女「あぁ、これで力のない私でも司馬家のために、嬉しい嬉しい嬉しい」
民老「侵略者どもを殺すためなら喜んで命など差し出してくれるわい」
老婆「こんな年寄りの力でよければ、喜んで差し出しますぞい」
大きく大きくなった骨から小さな骨が大量生産される。
民男骨「これなら槍も剣も弓も何も痛くねぇ。ここを守るために侵略者どもを殺す。キシャー」
民女骨「素晴らしい。素晴らしいわ。身体の奥底から力が溢れ出てくる。これなら私でも戦力になれるわ。キシャー」
民老骨「ワシの体が若返っていくぞい。このワシが存分に力を奮ってやるわい」
老婆骨「こんな身体でも役に立てるなら喜んで使いなされ。存分に力を奮ってやりますぞい」
王累が濮陽の民を喰らい、生み出した大量の骨の数は数100万を超えていた。
それを押さえ込むのは27万の兵。
濮陽は混沌の渦の中に飲まれていた。
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