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5章 天下統一
鄴、陥落間近
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劉義賢が矢傷で倒れて以降、臨時の総大将となった曹仁だったが、有効打となり得る攻撃はできず防戦一方であった。
趙高「あらあら、どうしたんですかねぇ。蜀漢の皆様は、籠ってばかりの軟弱者の集まりですかぁ?」
曹仁「クソッ。あの薄気味悪い男め。相変わらず民度の低い挑発をしおって!」
満寵「最初の頃に比べれば曹仁殿はよく耐えられていると思います。しかし、連日の攻撃によって、われわれを守る外壁は、崩壊寸前。後、何日持つか」
関興「打って出る許可を!叔父上の仇を討たせてください!」
張苞「俺たちがぜってぇアイツを!」
羊祜「お2人のお怒りはよくわかります。ですが現実を見た方が良いかと。劉虎龍殿、確実に仕留めたんですよね?」
劉虎龍「あぁ、間違いなくこの手に手応えがあった。だが、あぁやって生き返ってきた以上、魂を破壊するような攻撃でもしない限り、何度でも蘇るのだろう。全く、忌々しい」
羊祜の問いに顎に手を当てながら答える劉虎龍。
扉を開いて女性が入ってきた。
蔡文姫「精神崩壊してる2人には邪魔になるから眠ってもらったわ」
精神崩壊してる2人とは、この取り囲まれた状態でのほほんとしてた曹植と崔華美である。
羊祜「叔母様の手を煩わせて申し訳ありません」
蔡文姫「良いのよ。それで、話が聞こえたのだけど。魂を壊す攻撃なんてできるのかしら?」
劉虎龍「普通はできん。だが、叔父上から昔聞いた聖剣エクスカリバーなる聖剣もしくは天叢雲剣、草薙剣なる魔を払う剣があれば」
蔡文姫「えくす?かりは?何、その変な名前の剣は?」
劉虎龍「変な名前の剣などではない!エクスカリバーは、かの有名なアーサー王が使用したとされる魔を払う聖剣なのだ!」
蔡文姫「あさおうって誰?」
劉虎龍「アーサー王を知らないだと!?叔父上が読み聞かせしてくれたイングランドの征服王のことを知らないだなんて!」
蔡文姫「いんくらんと?」
曹仁「満寵よ。ところで、あさおうとやらを知ってるか?」
満寵「いえ、蔡文姫殿同様に初めて聞く名前です」
関興「2人とも無視してくれて構わない。あの状態になった劉虎龍は、悦に入っている。恐らくありもしない空想上の剣を頭の中で構築してるのだろう」
張苞「ホント、あれさえなければ次期当主に推したいぐらい優秀なやつなんだけどな」
羊祜「へぇ。そんな伝説の剣があるんですね」
劉虎龍「あぁ。叔父上は嘘など吐かない。これから何年も先の話だがこれらの物が存在。ん?あの光は?」
???「いやぁ。全く、この集積された姿になるのは久々だぜ。おっと。いけねぇ。アンタらがうちの大将が期待を寄せてる蜀漢とやらの人間かい?劉義賢って奴に会いたいんだがいるかい?(まぁ、厳密には劉義賢の中にいるとかいうだいだらに用があるんだが)」
曹仁「ど、どうやって中に入った!?曲者だ!」
???「待てってよい。怪しいもんじゃねぇぜ俺っちは。そうだなぁ。アンタらにも悪い話じゃねぇから先ずは聞けっての。あーもう、しょうがねぇな。1つアンタらの置かれている状況を予言してやる。無限に蘇ってくる敵に苦戦してる違うかい?」
満寵「!?どうしてそのことを?まさか敵の」
???「おいおいおい。殺気向けてくるんじゃねぇっての。情報を知ってる俺っちがあのクソ野郎どもの間者だって言うのかい?勘弁してくれぇ。俺っちは、どちらかと言うとアンタらの味方だぜぇ。とにかく急ぎで劉義賢って奴に用があるんだよい」
羊祜「確かに見た目は怪しいですが、害をなすような人には見えません。しかし、その。言ってもいいのでしょうか?」
関興「叔父上は、矢傷を受けて寝たきりでお会いすることはできない。わかったらとっとと帰ってくれ。俺たちは、今後の協議で忙しいんだ」
???「うっひょお~。マジかよ。うちの大将が気に入ってる奴って言っても所詮人間かぁ。コイツは困ったぜ。うちの大将から、この天叢雲剣を劉義賢って奴に貸し出せって言われてきたってのによぉ。これ、生身の人間だと振るえねぇんだよなぁ。困っちまったぜぇ。せっかく俺が身体の中で丹念に作った渾身の力作だってのによぉ。じゃ、俺っちの用は済んじまったからよ。アバよ」
目の前からもう一度光になったかと思うとその場から消えた。
だが、誰もこの得体の知れない奴と出会ったことを覚えていなかった。
曹仁「某は一体?」
満寵「確か、あさおうって人物について知ってるかと曹仁殿から問われていたような」
曹仁「そうであったな。ところで、知っているのか?」
満寵「いえ、全く存じ上げません」
関興「張苞、何か言ったか?」
張苞「いいや。何も言ってねぇよ」
関興「お前によく似た話し方の奴に話しかけられた気がしたのだが気のせいであったか。すまん」
張苞「連日の投石攻撃で少なからず心身的に疲れが出たんだろ。少し休んだらどうだ義兄弟」
関興「あ、あぁ。そうさせてもらおう」
しかし、この3人は違った。
蔡文姫「あの、蛇の鱗のような人が話しかけていたように思うのですが」
羊祜「良かった。叔母様も覚えているのですね」
劉虎龍「天叢雲剣~!?おーい、戻ってこーい!俺に、俺にその剣を見せてくれ~!」
蛇の鱗のような人物とは一体何者なのか。
それは。
???「ヒュー。こうなったらウチの大将が天叢雲剣を振るうしかねぇよなぁ。この八岐大蛇様が体内で丹精込めて作った渾身の力作をなぁ」
そう、妖怪の総大将ぬらりひょんに仕える八岐大蛇であった。
隣国の異変に気付き、隣国から転生された人間を密かに守るように密命を受けた妖怪の総大将ぬらりひょんは、仲間を連れ去られて、我を忘れ、いつの間にか滅ぼそうとしていたところをだいだらの宿る人間と出会い、心を落ち着け、協力を決める。
そして、今必要になるであろう武器を持つ八岐大蛇を送ったというのが経緯である。
趙高「あらあら、どうしたんですかねぇ。蜀漢の皆様は、籠ってばかりの軟弱者の集まりですかぁ?」
曹仁「クソッ。あの薄気味悪い男め。相変わらず民度の低い挑発をしおって!」
満寵「最初の頃に比べれば曹仁殿はよく耐えられていると思います。しかし、連日の攻撃によって、われわれを守る外壁は、崩壊寸前。後、何日持つか」
関興「打って出る許可を!叔父上の仇を討たせてください!」
張苞「俺たちがぜってぇアイツを!」
羊祜「お2人のお怒りはよくわかります。ですが現実を見た方が良いかと。劉虎龍殿、確実に仕留めたんですよね?」
劉虎龍「あぁ、間違いなくこの手に手応えがあった。だが、あぁやって生き返ってきた以上、魂を破壊するような攻撃でもしない限り、何度でも蘇るのだろう。全く、忌々しい」
羊祜の問いに顎に手を当てながら答える劉虎龍。
扉を開いて女性が入ってきた。
蔡文姫「精神崩壊してる2人には邪魔になるから眠ってもらったわ」
精神崩壊してる2人とは、この取り囲まれた状態でのほほんとしてた曹植と崔華美である。
羊祜「叔母様の手を煩わせて申し訳ありません」
蔡文姫「良いのよ。それで、話が聞こえたのだけど。魂を壊す攻撃なんてできるのかしら?」
劉虎龍「普通はできん。だが、叔父上から昔聞いた聖剣エクスカリバーなる聖剣もしくは天叢雲剣、草薙剣なる魔を払う剣があれば」
蔡文姫「えくす?かりは?何、その変な名前の剣は?」
劉虎龍「変な名前の剣などではない!エクスカリバーは、かの有名なアーサー王が使用したとされる魔を払う聖剣なのだ!」
蔡文姫「あさおうって誰?」
劉虎龍「アーサー王を知らないだと!?叔父上が読み聞かせしてくれたイングランドの征服王のことを知らないだなんて!」
蔡文姫「いんくらんと?」
曹仁「満寵よ。ところで、あさおうとやらを知ってるか?」
満寵「いえ、蔡文姫殿同様に初めて聞く名前です」
関興「2人とも無視してくれて構わない。あの状態になった劉虎龍は、悦に入っている。恐らくありもしない空想上の剣を頭の中で構築してるのだろう」
張苞「ホント、あれさえなければ次期当主に推したいぐらい優秀なやつなんだけどな」
羊祜「へぇ。そんな伝説の剣があるんですね」
劉虎龍「あぁ。叔父上は嘘など吐かない。これから何年も先の話だがこれらの物が存在。ん?あの光は?」
???「いやぁ。全く、この集積された姿になるのは久々だぜ。おっと。いけねぇ。アンタらがうちの大将が期待を寄せてる蜀漢とやらの人間かい?劉義賢って奴に会いたいんだがいるかい?(まぁ、厳密には劉義賢の中にいるとかいうだいだらに用があるんだが)」
曹仁「ど、どうやって中に入った!?曲者だ!」
???「待てってよい。怪しいもんじゃねぇぜ俺っちは。そうだなぁ。アンタらにも悪い話じゃねぇから先ずは聞けっての。あーもう、しょうがねぇな。1つアンタらの置かれている状況を予言してやる。無限に蘇ってくる敵に苦戦してる違うかい?」
満寵「!?どうしてそのことを?まさか敵の」
???「おいおいおい。殺気向けてくるんじゃねぇっての。情報を知ってる俺っちがあのクソ野郎どもの間者だって言うのかい?勘弁してくれぇ。俺っちは、どちらかと言うとアンタらの味方だぜぇ。とにかく急ぎで劉義賢って奴に用があるんだよい」
羊祜「確かに見た目は怪しいですが、害をなすような人には見えません。しかし、その。言ってもいいのでしょうか?」
関興「叔父上は、矢傷を受けて寝たきりでお会いすることはできない。わかったらとっとと帰ってくれ。俺たちは、今後の協議で忙しいんだ」
???「うっひょお~。マジかよ。うちの大将が気に入ってる奴って言っても所詮人間かぁ。コイツは困ったぜ。うちの大将から、この天叢雲剣を劉義賢って奴に貸し出せって言われてきたってのによぉ。これ、生身の人間だと振るえねぇんだよなぁ。困っちまったぜぇ。せっかく俺が身体の中で丹念に作った渾身の力作だってのによぉ。じゃ、俺っちの用は済んじまったからよ。アバよ」
目の前からもう一度光になったかと思うとその場から消えた。
だが、誰もこの得体の知れない奴と出会ったことを覚えていなかった。
曹仁「某は一体?」
満寵「確か、あさおうって人物について知ってるかと曹仁殿から問われていたような」
曹仁「そうであったな。ところで、知っているのか?」
満寵「いえ、全く存じ上げません」
関興「張苞、何か言ったか?」
張苞「いいや。何も言ってねぇよ」
関興「お前によく似た話し方の奴に話しかけられた気がしたのだが気のせいであったか。すまん」
張苞「連日の投石攻撃で少なからず心身的に疲れが出たんだろ。少し休んだらどうだ義兄弟」
関興「あ、あぁ。そうさせてもらおう」
しかし、この3人は違った。
蔡文姫「あの、蛇の鱗のような人が話しかけていたように思うのですが」
羊祜「良かった。叔母様も覚えているのですね」
劉虎龍「天叢雲剣~!?おーい、戻ってこーい!俺に、俺にその剣を見せてくれ~!」
蛇の鱗のような人物とは一体何者なのか。
それは。
???「ヒュー。こうなったらウチの大将が天叢雲剣を振るうしかねぇよなぁ。この八岐大蛇様が体内で丹精込めて作った渾身の力作をなぁ」
そう、妖怪の総大将ぬらりひょんに仕える八岐大蛇であった。
隣国の異変に気付き、隣国から転生された人間を密かに守るように密命を受けた妖怪の総大将ぬらりひょんは、仲間を連れ去られて、我を忘れ、いつの間にか滅ぼそうとしていたところをだいだらの宿る人間と出会い、心を落ち着け、協力を決める。
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