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5章 天下統一
深刻な状況
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4箇所から野営地を焼き払って、強引に突破した総勢160万の鄴への救援軍。
焼けた身元を照らし合わせるが、その身体の多くが。
郭嘉「この人もそうだね。兵士じゃなくて、農民。さらにここにある多くが歳を召しているね」
諸葛亮「とても戦えるように見えない人たちすら戦闘民族に変えて利用する。恐ろしい禁術ですね」
龐統「孔明、感心してる場合じゃないさ。今回はやむを得ずこれだけの人を殺す作戦を取ったけど本来なら彼らもこの国に生きる大事な民さ」
徐庶「士元、そう孔明を虐めないでくれると嬉しいな?孔明のことだから、そのこともよーくわかってるはずだしね」
周瑜「確かに殺さずに救える方法もあったかと思うと」
荀彧「今回は鄴が陥落間近まで追い込まれていたこともあり、取れる戦術が限られていました。その中で、夜堂々と眠る彼らを見て、火計が最も効果的だと判断したのです。亡くなった彼らの亡骸を弔うことがせめてもの償いとなりましょう」
陸遜「若造が口を挟むことをお許しください。彼らは火に焼かれながら満足そうな顔を浮かべていました。救うことができたと好意的に捉えた方が良いかもしれません!」
魯粛「うーむ。確かにどの顔を火に焼かれて亡くなったというのにまるで何かから解放されたかのように穏やかな顔をしている。一種の救いと言えなくもない」
呂蒙「ですが、これだけの人命が失われてしまったことに変わりありませんぞ」
賈詡「成程、では呂蒙殿にはもっと良い作戦があったと?」
呂蒙「そうは言ってませんが」
戯志才「今は悔いている場合ではないと思うが。敵は、予想を遥かに超える非人道的な男だ。これはまだ序の口であろう」
姜維「それに城に向かわれた皆が戻らないのも気がかりです」
荀攸「確かに少し遅い気もするな。だが我らはそれまでにこの亡くなった命を弔うのが仕事だ」
城の中へと向かったのは、劉義賢に縁のある面々と曹操だった。
曹仁「殿、それに劉備殿。良かった、お二人は和解されたのですな。さぁ、こちらへ」
曹操「子考、お前が劉義賢殿を守っていてくれたのだな。お前たちがこの場を死守してくれなければ、我々のところに奴らが来ていたかと思うと感謝に耐えん!」
劉備「曹仁殿、弟のことを守ってくれたこと感謝する」
酷い怪我で寝かされている3人のところに向かう。
曹操「子和、怪我をしたのは劉義賢殿だけではなかったのだな」
曹仁「申し訳ございません殿。某が敵の力量を見誤ったばかりに、弟を危険な目に」
曹操「この怪我だ。よく戦ったのだろう。構わん。それよりも」
曹操が横を見ると劉義賢だけでなく寇封まで、酷い怪我で寝ていることに取り乱している劉備がいた。
劉備「う。うぅ。こんなの嘘だろ。丁!封!どうして弟だけでなく息子までこのような目に」
関興「劉備様、我々がついていながら申し訳ありません」
張苞「叔父上を守れず申し訳ねぇ」
近づいて来る関興と張苞を止める劉備。
劉備「えぇい近付くな!誰も!誰も!弟と息子に近付くことは許さん!う。うぅ」
曹操「2人とも今はそっとしておいてやれ。俺たちは少し出ているとしよう」
全員が出て来るのを見届けた劉備は劉義賢の頭を思いっきり叩く。
義賢「イッテェ~。いきなり何するんですか兄上!」
劉備「この大馬鹿者が!私を騙せると思っていたのか!また、何か見たのだな?」
義賢「兄上には隠せませんね」
劉備「お前は、昔から気を失うことが多かった。私は、その度に貧血かと流していたがあの時もこことは違う別の世界を見ていたのだな?」
義賢「はぁ。もうそのことにも気付いてしまったんですね兄上は、ほんと羊の顔を被った狼ですよ」
劉備「そうでなければここまで生き抜けるわけが無いだろう。で、何を見た?」
義賢「これより北の侵攻は苛烈を極めることになります。俺が見てきたどの世界線でも多くの将兵の命が失われました。その先に掴む平和も美しいとは思いますが俺は看過できません。完全なる勝利を手にしたい。兄上の好敵手であった曹操殿とも手を結んだのならね。俺はバッドエンドは好きじゃない。ハッピーエンドが好きなんですよ」
劉備「また、訳のわからない言葉を。で、何か策はあるのか?」
義賢「えぇ。相手が予想もできないようなところから攻撃してやれば良いんですよ。所詮、本体は一つしかないんですから。悪の親玉を討つ、最後の献策を聞きたいですか兄上?」
劉備「愚問だな。民を守るためにそれが必要なことなら私はもう迷わない!丁、それが終わったらお前は?」
義賢「えぇ。お察しの通りです。未来に帰ってしまうでしょうね。どの未来かは想像もできないぐらい今の歴史はめちゃくちゃですが」
劉備「フッ。ところで寇封、お前もいつまで寝たフリしてる?」
寇封「スー。スー」
劉備「この馬鹿者が!」
その手を止める劉義賢。
義賢「兄上、寇封は本当に大きな怪我をしています。絶対安静です。冗談ではありません。後、俺も実は目が完全に覚めたのはさっきです。覚めて、いきなり兄上に小突かれるとは思いませんでしたが」
劉備「あわ。あわわ。封ーーーー死ぬな!死んではダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
義賢「ありゃ。俺が無事だからてっきり封もと思ってたのが違ったから涙腺が決壊しちゃったか。こうなった兄上は暫くそっとしておくしかないな」
そう、劉義賢の能力が彼らに取って誤算だったのはいうまでもない。
一つづつ、攻め取る必要なんてない。
だって、今の彼には、有象無象に隠れた敵の本体が何処にいるか丸見えなのだから。
そして、その場所にこっそりと近付く、8人の勇者のことも。
義賢「徹底的に悪役を演じてきたのがこれのためなんて、数奇な運命を行くよね君も」
義賢は8人の勇者にそっと呟くのだった。
焼けた身元を照らし合わせるが、その身体の多くが。
郭嘉「この人もそうだね。兵士じゃなくて、農民。さらにここにある多くが歳を召しているね」
諸葛亮「とても戦えるように見えない人たちすら戦闘民族に変えて利用する。恐ろしい禁術ですね」
龐統「孔明、感心してる場合じゃないさ。今回はやむを得ずこれだけの人を殺す作戦を取ったけど本来なら彼らもこの国に生きる大事な民さ」
徐庶「士元、そう孔明を虐めないでくれると嬉しいな?孔明のことだから、そのこともよーくわかってるはずだしね」
周瑜「確かに殺さずに救える方法もあったかと思うと」
荀彧「今回は鄴が陥落間近まで追い込まれていたこともあり、取れる戦術が限られていました。その中で、夜堂々と眠る彼らを見て、火計が最も効果的だと判断したのです。亡くなった彼らの亡骸を弔うことがせめてもの償いとなりましょう」
陸遜「若造が口を挟むことをお許しください。彼らは火に焼かれながら満足そうな顔を浮かべていました。救うことができたと好意的に捉えた方が良いかもしれません!」
魯粛「うーむ。確かにどの顔を火に焼かれて亡くなったというのにまるで何かから解放されたかのように穏やかな顔をしている。一種の救いと言えなくもない」
呂蒙「ですが、これだけの人命が失われてしまったことに変わりありませんぞ」
賈詡「成程、では呂蒙殿にはもっと良い作戦があったと?」
呂蒙「そうは言ってませんが」
戯志才「今は悔いている場合ではないと思うが。敵は、予想を遥かに超える非人道的な男だ。これはまだ序の口であろう」
姜維「それに城に向かわれた皆が戻らないのも気がかりです」
荀攸「確かに少し遅い気もするな。だが我らはそれまでにこの亡くなった命を弔うのが仕事だ」
城の中へと向かったのは、劉義賢に縁のある面々と曹操だった。
曹仁「殿、それに劉備殿。良かった、お二人は和解されたのですな。さぁ、こちらへ」
曹操「子考、お前が劉義賢殿を守っていてくれたのだな。お前たちがこの場を死守してくれなければ、我々のところに奴らが来ていたかと思うと感謝に耐えん!」
劉備「曹仁殿、弟のことを守ってくれたこと感謝する」
酷い怪我で寝かされている3人のところに向かう。
曹操「子和、怪我をしたのは劉義賢殿だけではなかったのだな」
曹仁「申し訳ございません殿。某が敵の力量を見誤ったばかりに、弟を危険な目に」
曹操「この怪我だ。よく戦ったのだろう。構わん。それよりも」
曹操が横を見ると劉義賢だけでなく寇封まで、酷い怪我で寝ていることに取り乱している劉備がいた。
劉備「う。うぅ。こんなの嘘だろ。丁!封!どうして弟だけでなく息子までこのような目に」
関興「劉備様、我々がついていながら申し訳ありません」
張苞「叔父上を守れず申し訳ねぇ」
近づいて来る関興と張苞を止める劉備。
劉備「えぇい近付くな!誰も!誰も!弟と息子に近付くことは許さん!う。うぅ」
曹操「2人とも今はそっとしておいてやれ。俺たちは少し出ているとしよう」
全員が出て来るのを見届けた劉備は劉義賢の頭を思いっきり叩く。
義賢「イッテェ~。いきなり何するんですか兄上!」
劉備「この大馬鹿者が!私を騙せると思っていたのか!また、何か見たのだな?」
義賢「兄上には隠せませんね」
劉備「お前は、昔から気を失うことが多かった。私は、その度に貧血かと流していたがあの時もこことは違う別の世界を見ていたのだな?」
義賢「はぁ。もうそのことにも気付いてしまったんですね兄上は、ほんと羊の顔を被った狼ですよ」
劉備「そうでなければここまで生き抜けるわけが無いだろう。で、何を見た?」
義賢「これより北の侵攻は苛烈を極めることになります。俺が見てきたどの世界線でも多くの将兵の命が失われました。その先に掴む平和も美しいとは思いますが俺は看過できません。完全なる勝利を手にしたい。兄上の好敵手であった曹操殿とも手を結んだのならね。俺はバッドエンドは好きじゃない。ハッピーエンドが好きなんですよ」
劉備「また、訳のわからない言葉を。で、何か策はあるのか?」
義賢「えぇ。相手が予想もできないようなところから攻撃してやれば良いんですよ。所詮、本体は一つしかないんですから。悪の親玉を討つ、最後の献策を聞きたいですか兄上?」
劉備「愚問だな。民を守るためにそれが必要なことなら私はもう迷わない!丁、それが終わったらお前は?」
義賢「えぇ。お察しの通りです。未来に帰ってしまうでしょうね。どの未来かは想像もできないぐらい今の歴史はめちゃくちゃですが」
劉備「フッ。ところで寇封、お前もいつまで寝たフリしてる?」
寇封「スー。スー」
劉備「この馬鹿者が!」
その手を止める劉義賢。
義賢「兄上、寇封は本当に大きな怪我をしています。絶対安静です。冗談ではありません。後、俺も実は目が完全に覚めたのはさっきです。覚めて、いきなり兄上に小突かれるとは思いませんでしたが」
劉備「あわ。あわわ。封ーーーー死ぬな!死んではダメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
義賢「ありゃ。俺が無事だからてっきり封もと思ってたのが違ったから涙腺が決壊しちゃったか。こうなった兄上は暫くそっとしておくしかないな」
そう、劉義賢の能力が彼らに取って誤算だったのはいうまでもない。
一つづつ、攻め取る必要なんてない。
だって、今の彼には、有象無象に隠れた敵の本体が何処にいるか丸見えなのだから。
そして、その場所にこっそりと近付く、8人の勇者のことも。
義賢「徹底的に悪役を演じてきたのがこれのためなんて、数奇な運命を行くよね君も」
義賢は8人の勇者にそっと呟くのだった。
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