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第5話
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気がつくと、そこはあの白い空間だった。
「ということは.......テトラ?」
「撲だよー!龍一君、久しぶりだね!」
「久しぶりだな。急にどうした?」
「ダンジョンのオープンまで後半年でしょ?ここで一度君と話しておこうと思ってね」
「オープンって.......楽しいアトラクションでもあるまいし」
「あはは.......そうかもね。ところで、龍一君すごいよ!まさかここまで攻略出来るなんて思ってもいなかったよ!」
「俺も同感だが、2階層で運良く雷魔法をゲットできたからな。あれってテトラの差し金か?」
「う~ん。そうとも言えるような言えないような」
「どういうことだ?」
「実はねーー」
この試作型ダンジョンは事実上の俺専用。
そして、実際に世界中に現れるダンジョンよりも魔物からスキルオーブがドロップする確率がかなり高く、その中身もなるべく有用な物になるように設定してくれていたらしい。
実際、収納にはかなりの量のスキルオーブが死蔵されていて、俺には今更必要ないが有用な物も多い。
要は俺だけのボーナスステージだったってことか。
「といってもゴブリンからのドロップ率は元々あってないようなものだったし、雷魔法みたいな強力なスキルも全体から見ればかなりレアだったはずなんだけど.......。結局、君の運が良かっただけかな」
「そうか」
「それにしても雷魔法はないよ!あれだけで暫くは余裕だったよね!」
「ははは!俺の運を呪うがいい!」
「キィー!悔しいです!」
テトラは俺の行動を基本的に見ていたらしく、序盤の雷魔法無双を悔しがった。
その後はあの〝サムライオーガ戦〟や〝初めてのドラゴン戦〟等について多いに盛り上がった。
「それにしても君は本当に凄いよ。僕はせいぜい50階層に行ければ良いぐらいだと思ってたんだけど」
「運も良かったし【先導者】の効果もあるからな。そういえば本来貰えるSPとか経験値ってどれぐらいなんだ?」
「聞かれなかったから答えなかったけど、普通は3ポイントだね」
「俺の3分の1以下なのか」
「経験値の方もだいたいそれぐらいだよ」
「オーマイガッ」
チート乙ってやつだな。
そんな俺の現在のステータスがこちら。
ープロフィールー
【氏名】佐々木 龍一
【性別】男
【生年月日】1989/5/27
【年齢】32
【ランキング】1/1
ーステータスー
【レベル】452
【生命力】128000/128000
【魔力】77568/77568
【肉体レベル】0(-)2500(+)2500
【魔力レベル】2000
残りSP:20
ースキルー
【刀術】Lv9【格闘術】Lv8【投擲術】Lv7【雷魔法】Lv10【身体能力強化魔法】Lv9
【魔力回復速度上昇】Lv6【状態異常耐性】Lv5【気配感知】Lv7【気配遮断】Lv7【】Lvー
ー称号ー
【先導者】
【テトラの加護】
こんな感じ。
新しく肉体強度のところにある+-は〝リミッター〟だ。
ある日、身体能力が高すぎて家の物を次々と破壊してしまうという事態に。
四苦八苦しながらもなんとか手加減を意識して過ごしていたのだが、そこに天の声さんから『肉体強度にリミット機能を追加しました』というお知らせが入る。
なんともありがたい話である。
ただ、あれはあれで力を制御する訓練になっていたが。
あと、スキルって奴はたいそう便利な代物で、刀術のスキルを取得した時ズブの素人である俺ですら刀をそれなりに扱うことができるようになった。
比較対象がいないからなんとも言えないが、今では結構な達人だと自負している。
「なぁテトラ。例えば刀術スキルなんだけど、これをその道の達人が取得する意味はあるのか?」
「んー、スキルの効果で魔物に与えるダメージが上昇するようになるから全くの無意味ってわけじゃないよ?それに、元から知識や技術がある人は相応にスキルレベルが上がりやすく補正がかかるね」
「なるほどなー」
割と上手くできてるんだな。
「それで、君はこのまま最下層を目指すのかな?」
「そのつもりだよ。中途半端は気持ちが悪いからな」
「そうだよね。まぁ、君なら大丈夫!神様のお墨付きさ」
「神様からのお墨付きか.......それは心強いな」
「でしょでしょ~」
「ははは」
「あはは」
2人からなんとなく笑みが零れる。
暫くテトラと話をした後ーー
「さてと、話すことは話したと思うし終わりにしよっか。最後に聞きたいこととかある?」
「最後?」
「僕もそれなりに忙しいからね。次にこういう機会がいつあるかはわからないんだ」
「そうか。テトラって忙しそうに見えないが.......」
「えー!君は僕のことをなんだと思っているのさ!」
「すまんすまん」
「全くもう」
冗談はさておき、どうしても聞きたいことが2つあった。
「2つ聞いて良いか?」
「どうぞどうぞ」
「テトラは俺に何かして欲しいこととかあるんじゃないのか?」
1つ目はこれだ。
テトラには世話になった、それも過剰と言える程に。
たかだか偶然このダンジョンを発見したぐらいの人間にここまでの恩恵を与える理由が良くわからない。
この力を使って何かして欲しいこととかあるのではないのだろうか。
「ん?特にないよ?それとも君は僕の使徒にでもなって世界の救世主でも目指したいのかな?」
「え?別にそんなことはないが」
「なら僕から君に求めることなんてないよ。自由にしてくれて良い。救世主を目指すのも、のんびり自由に暮らすのも自由さ」
「ならどうしてここまで」
「元々ここに初めて来た人間にはそれなりの力を与えるつもりだったよ。それが善人であれ悪人であれね。強いて言うなら君のことを気に入った、じゃダメかな?」
「気に入った.......か。ありがとな、テトラ」
「へへへ、どういたしまして」
本当に緩い神様だな。
だが、気分は悪くない。
「あ、そろそろ時間だよ!最後の1つは何?」
周囲が明るく輝き始める。
どうやらこのままダンジョンの入口に戻されるのだろう。
「テトラってさ.......男の子?女の子?」
「?」
テトラがキョトンとした顔になる。
そして、直ぐに笑顔になった。
「僕はねーー」
直後、俺は光に包まれた。
目を開けるとそこはダンジョンの入口だ。
空を見上げると雲ひとつない青空が俺を出迎える。
「そうか.......ボクっ娘だったんだな」
世界がダンジョンを知るまでーーあと半年ーー
「ということは.......テトラ?」
「撲だよー!龍一君、久しぶりだね!」
「久しぶりだな。急にどうした?」
「ダンジョンのオープンまで後半年でしょ?ここで一度君と話しておこうと思ってね」
「オープンって.......楽しいアトラクションでもあるまいし」
「あはは.......そうかもね。ところで、龍一君すごいよ!まさかここまで攻略出来るなんて思ってもいなかったよ!」
「俺も同感だが、2階層で運良く雷魔法をゲットできたからな。あれってテトラの差し金か?」
「う~ん。そうとも言えるような言えないような」
「どういうことだ?」
「実はねーー」
この試作型ダンジョンは事実上の俺専用。
そして、実際に世界中に現れるダンジョンよりも魔物からスキルオーブがドロップする確率がかなり高く、その中身もなるべく有用な物になるように設定してくれていたらしい。
実際、収納にはかなりの量のスキルオーブが死蔵されていて、俺には今更必要ないが有用な物も多い。
要は俺だけのボーナスステージだったってことか。
「といってもゴブリンからのドロップ率は元々あってないようなものだったし、雷魔法みたいな強力なスキルも全体から見ればかなりレアだったはずなんだけど.......。結局、君の運が良かっただけかな」
「そうか」
「それにしても雷魔法はないよ!あれだけで暫くは余裕だったよね!」
「ははは!俺の運を呪うがいい!」
「キィー!悔しいです!」
テトラは俺の行動を基本的に見ていたらしく、序盤の雷魔法無双を悔しがった。
その後はあの〝サムライオーガ戦〟や〝初めてのドラゴン戦〟等について多いに盛り上がった。
「それにしても君は本当に凄いよ。僕はせいぜい50階層に行ければ良いぐらいだと思ってたんだけど」
「運も良かったし【先導者】の効果もあるからな。そういえば本来貰えるSPとか経験値ってどれぐらいなんだ?」
「聞かれなかったから答えなかったけど、普通は3ポイントだね」
「俺の3分の1以下なのか」
「経験値の方もだいたいそれぐらいだよ」
「オーマイガッ」
チート乙ってやつだな。
そんな俺の現在のステータスがこちら。
ープロフィールー
【氏名】佐々木 龍一
【性別】男
【生年月日】1989/5/27
【年齢】32
【ランキング】1/1
ーステータスー
【レベル】452
【生命力】128000/128000
【魔力】77568/77568
【肉体レベル】0(-)2500(+)2500
【魔力レベル】2000
残りSP:20
ースキルー
【刀術】Lv9【格闘術】Lv8【投擲術】Lv7【雷魔法】Lv10【身体能力強化魔法】Lv9
【魔力回復速度上昇】Lv6【状態異常耐性】Lv5【気配感知】Lv7【気配遮断】Lv7【】Lvー
ー称号ー
【先導者】
【テトラの加護】
こんな感じ。
新しく肉体強度のところにある+-は〝リミッター〟だ。
ある日、身体能力が高すぎて家の物を次々と破壊してしまうという事態に。
四苦八苦しながらもなんとか手加減を意識して過ごしていたのだが、そこに天の声さんから『肉体強度にリミット機能を追加しました』というお知らせが入る。
なんともありがたい話である。
ただ、あれはあれで力を制御する訓練になっていたが。
あと、スキルって奴はたいそう便利な代物で、刀術のスキルを取得した時ズブの素人である俺ですら刀をそれなりに扱うことができるようになった。
比較対象がいないからなんとも言えないが、今では結構な達人だと自負している。
「なぁテトラ。例えば刀術スキルなんだけど、これをその道の達人が取得する意味はあるのか?」
「んー、スキルの効果で魔物に与えるダメージが上昇するようになるから全くの無意味ってわけじゃないよ?それに、元から知識や技術がある人は相応にスキルレベルが上がりやすく補正がかかるね」
「なるほどなー」
割と上手くできてるんだな。
「それで、君はこのまま最下層を目指すのかな?」
「そのつもりだよ。中途半端は気持ちが悪いからな」
「そうだよね。まぁ、君なら大丈夫!神様のお墨付きさ」
「神様からのお墨付きか.......それは心強いな」
「でしょでしょ~」
「ははは」
「あはは」
2人からなんとなく笑みが零れる。
暫くテトラと話をした後ーー
「さてと、話すことは話したと思うし終わりにしよっか。最後に聞きたいこととかある?」
「最後?」
「僕もそれなりに忙しいからね。次にこういう機会がいつあるかはわからないんだ」
「そうか。テトラって忙しそうに見えないが.......」
「えー!君は僕のことをなんだと思っているのさ!」
「すまんすまん」
「全くもう」
冗談はさておき、どうしても聞きたいことが2つあった。
「2つ聞いて良いか?」
「どうぞどうぞ」
「テトラは俺に何かして欲しいこととかあるんじゃないのか?」
1つ目はこれだ。
テトラには世話になった、それも過剰と言える程に。
たかだか偶然このダンジョンを発見したぐらいの人間にここまでの恩恵を与える理由が良くわからない。
この力を使って何かして欲しいこととかあるのではないのだろうか。
「ん?特にないよ?それとも君は僕の使徒にでもなって世界の救世主でも目指したいのかな?」
「え?別にそんなことはないが」
「なら僕から君に求めることなんてないよ。自由にしてくれて良い。救世主を目指すのも、のんびり自由に暮らすのも自由さ」
「ならどうしてここまで」
「元々ここに初めて来た人間にはそれなりの力を与えるつもりだったよ。それが善人であれ悪人であれね。強いて言うなら君のことを気に入った、じゃダメかな?」
「気に入った.......か。ありがとな、テトラ」
「へへへ、どういたしまして」
本当に緩い神様だな。
だが、気分は悪くない。
「あ、そろそろ時間だよ!最後の1つは何?」
周囲が明るく輝き始める。
どうやらこのままダンジョンの入口に戻されるのだろう。
「テトラってさ.......男の子?女の子?」
「?」
テトラがキョトンとした顔になる。
そして、直ぐに笑顔になった。
「僕はねーー」
直後、俺は光に包まれた。
目を開けるとそこはダンジョンの入口だ。
空を見上げると雲ひとつない青空が俺を出迎える。
「そうか.......ボクっ娘だったんだな」
世界がダンジョンを知るまでーーあと半年ーー
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