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続編2 新たなリーダー
悪霊の共生も難しい?
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向井達が死神課の前で立ち止まり、
何やら難しい顔で話しているのを見て、
「大きな問題に発展した? 」
二人は近づいて行った。
「そう。自殺者の数が膨れて、
早紀ちゃんには悪いけどまた配達で忙殺されちゃうな」
シェデムの話に、
「それは困るな。ピッコラもあるのに」
ディッセも歩いてきた。
「そうなんだけど、それどころじゃないんだよ」
アートンも大きく息を吐いた。
「新田君もトレーズとエルフがヘルプで入るから、
仕分けの方が忙しくなると思うけどお願いね」
「それはいいけど、何があったの? 」
「実はね………」
シェデムが口を開いた。
「去年あたりから政府広報で、
『地球を丸ごとウェルカム! 日本! 』ってCMをうってたでしょう」
シェデムはそう言うとタブレットを開き、
そのCMを見せた。
政権寄りのインフルエンサーが、
楽しそうに話す姿が映し出されている。
どこかのカフェにいるのか、
お洒落なランチを食べながら、
今の日本を憂いている若者達だ。
『最近は本当に自己中が多くなったよね』
『レイシストだらけで、
私も住みづらくて嫌な国になったと思う』
『捨て地のせいで、
俺達も海外から白い目で見られてるしね』
『昔はおもてなしの国で優しかったのになぁ~』
『捨て地が黒地を昔の日本に戻すんだって? 』
『日本人に踏みにじられた私達がNOをつきつけましょう』
『今こそ日本を私達の手に! 』
共生社会を阻む日本人は犯罪です。
との言葉で締めくくられていた。
差別と共生を訴える何ともおかしな政府広報だ。
「この国って確か日本だよね」
新田が首をかしげる。
「一応国名だけね。
日本というブランドの信頼性はまだ辛うじて生きてるから」
アートンの言葉に、
「えっ? 」
向井達が驚きの声を漏らした。
「ほら、街中ゴミだらけでも、
日本人は自ら片付けてるだろう。
そういう姿を海外はバカにしてるけど、
妥協できない性質もあるから、
日本製品は未だに安心だと言われてる」
「じゃあその人達は貴重だな。
冥王の話じゃ、
日本人は人口の三十%だそうだよ」
「えっ? 」
玄関を入ってきた妖鬼が言った。
工房にいたのか小さな木材を入れた袋を持っていた。
「さっきそう話してたよ」
「だったらもう除去する理由なんてないじゃない」
シェデムが驚きの顔で声をあげた。
「そうなんだけどさ。捨て地があるだろ? 」
「あ………」
その言葉にディッセも声を漏らした。
「それより皆してこんな所にたまって何してんの? 」
妖鬼の声にシェデムがハッとした顔になった。
「そうそう。向井君には悪いけど、
ちょっと中央の中区に来てもらえる? 」
「いいですけど、やはり結界のせいで、
騒ぎに収拾がつかなくなってますか? 」
「外国人街が入り乱れて、暴動が広がってる。
上区へのゲートも燃やされてるから、
特別区に軍と防衛隊が集中して凄い騒ぎなの」
何やら難しい顔で話しているのを見て、
「大きな問題に発展した? 」
二人は近づいて行った。
「そう。自殺者の数が膨れて、
早紀ちゃんには悪いけどまた配達で忙殺されちゃうな」
シェデムの話に、
「それは困るな。ピッコラもあるのに」
ディッセも歩いてきた。
「そうなんだけど、それどころじゃないんだよ」
アートンも大きく息を吐いた。
「新田君もトレーズとエルフがヘルプで入るから、
仕分けの方が忙しくなると思うけどお願いね」
「それはいいけど、何があったの? 」
「実はね………」
シェデムが口を開いた。
「去年あたりから政府広報で、
『地球を丸ごとウェルカム! 日本! 』ってCMをうってたでしょう」
シェデムはそう言うとタブレットを開き、
そのCMを見せた。
政権寄りのインフルエンサーが、
楽しそうに話す姿が映し出されている。
どこかのカフェにいるのか、
お洒落なランチを食べながら、
今の日本を憂いている若者達だ。
『最近は本当に自己中が多くなったよね』
『レイシストだらけで、
私も住みづらくて嫌な国になったと思う』
『捨て地のせいで、
俺達も海外から白い目で見られてるしね』
『昔はおもてなしの国で優しかったのになぁ~』
『捨て地が黒地を昔の日本に戻すんだって? 』
『日本人に踏みにじられた私達がNOをつきつけましょう』
『今こそ日本を私達の手に! 』
共生社会を阻む日本人は犯罪です。
との言葉で締めくくられていた。
差別と共生を訴える何ともおかしな政府広報だ。
「この国って確か日本だよね」
新田が首をかしげる。
「一応国名だけね。
日本というブランドの信頼性はまだ辛うじて生きてるから」
アートンの言葉に、
「えっ? 」
向井達が驚きの声を漏らした。
「ほら、街中ゴミだらけでも、
日本人は自ら片付けてるだろう。
そういう姿を海外はバカにしてるけど、
妥協できない性質もあるから、
日本製品は未だに安心だと言われてる」
「じゃあその人達は貴重だな。
冥王の話じゃ、
日本人は人口の三十%だそうだよ」
「えっ? 」
玄関を入ってきた妖鬼が言った。
工房にいたのか小さな木材を入れた袋を持っていた。
「さっきそう話してたよ」
「だったらもう除去する理由なんてないじゃない」
シェデムが驚きの顔で声をあげた。
「そうなんだけどさ。捨て地があるだろ? 」
「あ………」
その言葉にディッセも声を漏らした。
「それより皆してこんな所にたまって何してんの? 」
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「そうそう。向井君には悪いけど、
ちょっと中央の中区に来てもらえる? 」
「いいですけど、やはり結界のせいで、
騒ぎに収拾がつかなくなってますか? 」
「外国人街が入り乱れて、暴動が広がってる。
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