『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 消えゆく国

黒地から捨て地へ

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「家賃は場所によって違いますが、

支援を受けて返金もできますので、

黒地から越してきて、

そのようにされる方もいらっしゃいますよ」

「はぁ~」

彼らはため息をついてぼ~とした。

「人数はこれだけですか? 

怪我されたり具合の悪い方がいましたら、

すぐに医療班が診ますので」

「いや、大丈夫だ。ただ………明美が消えたんで、

あれは、その捨て地で言う消されたって事なんか? 」

男性が向井達を見た。

「明美さんですね。こちらで確認できますので、

このタブレットに名前をご記入ください」

向井がタブレットとペンを渡した。

「まだ、夢見てるみたいだ………」

老人が老眼鏡を外して周囲を見回した。

潰れた店や家はまだ残っているものの、

危険なものは全て消えていた。

「黒地では捨て地は悪魔だって言っていたが、

この景色は………まるで神様が降りたってくれたようだ」

「捨て地は神様に感謝する気持ちのある人を、

助けてくれる最後の砦なんです」

「やっぱり神様はいるんだな………」

向井の言葉に彼らは涙を流した。

「母さんももう少し早ければ、

神さんが守ってくれたやろうか………」

老人は遠くを見ながら呟いた。

「神も万能じゃないからね。

この国全てを見守ることは難しいんだよ」

「ここには神の祠がありますよね」

ヴァンとアートンが住民を見た。

「あぁ、あります。この山を少し登ると、

もう宮司もいませんけど、

大昔からある神社が残ってるんですよ。

陽子さんも朝のお散歩で行くと、

祠を綺麗にしてるもんね」

久美子が陽子を見た。

「観光客が溢れた時は、

祠も荒らされて大変だったけど、

最近は本当のファンの人が来てお花とかあげてたわね」

陽子が話した。

「そういう気持ちが大切なんです」

向井が微笑むと、

「あの、私達の子供と孫が防衛隊に助けられて、

ここから出て行ったんですけど、

その後通信も切られて連絡が取れなくなっているんです。

どこにいるか調べることは可能でしょうか」

隆が言い、夕子も心配そうに頷いた。

「はい。大丈夫です。

では家族の名前をお願いします」

向井はそういってタブレットを渡した。

「それと、今回の災害で二人亡くなって、

向こうに葬ってあるんですが、

荼毘に付したいんです」

久美子がその場所を見た。

「分かりました。お墓がないようでしたら、

災害で亡くなられた方の合葬墓になりますが」

「お墓はないのでお願いします」

「はい。その事も全て手配します。

皆さんよく耐えられましたね。

もっと早くに分かれば我々が調査に来れたんですけど、

黒地はどうしても難しいので」

向井が説明した。

「わ、私達もこんな事なら、も…もっと早くに、

捨て地に越せばよかった………」

久美子は声を押し殺して泣きながら言った。

「では、向こうにバスを用意していますので、

避難場所まで送ります。

今日はゆっくり休んでください」

向井の言葉にやっと安心したのだろう。

彼らはゆっくりと歩き出した。

チップの方は捨て地に入ることで、

国は利用することが不可能になるため問題はないが、

一応機械を当てて破壊している。

向井も歩き出す彼らの足取りに安堵の表情で見ていた。
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