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第2章 地獄編 第1階層 鬼神島〜運命の糸編 まで
第12話 絶望的な力
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絶望的な力
春子さんと再度融合した俺は、あの鬼を倒すために最後の戦いに挑む。もうすでに、俺も春子さんも限界だ。次、術を出したらもう……
俺はしばらく動けない。だから、何としてもここで! この1発であいつを倒す!!
「固有霊刀術 冷血火殺・改!」
多分今までの攻撃の中で1番早く、そして1番切れ味のある技だ。とにかく少しでも多くあいつの体を切る!
「おぉぉ どうやら大技が来るみたいだね。
なら僕も少しだけ術を使うとするか……
鬼化術 鬼神化・鋼」
突然、鬼神様の体は鋼の如く硬くなった。皮膚は鎧のようなオーラを纏っている。
多分防御系の術だろうか? だがそんなの関係ない! 俺の冷血火殺・改なら!!!
俺は大地を揺るがすほどの蹴りで前進すると、神速を超えた速さで奴の体に斬りかかった。
あまりの速さに俺の体は摩擦で火がつき、大地には大きな亀裂が入る。
「す、すごい。なかなか強力な技だね。
それで僕を殺せるといいね! がんばれ!」
鬼神様は余裕な態度をかましている。
だが、それも今だけだぁぁぁぁぁぁ!!!
パキーン/ _-/
刃と奴の体がぶつかる音がした。
最強の矛と盾がぶつかるその衝撃は島全体に響き渡り、周りの海流と、雲の流れに影響を与えるほどだった。
やったか? これは手応えがある!!
「………………」
「え??」
だが奴の体にはかすり傷1つもついておらず、それに対して俺の刀は折れていて、体はその圧倒的な衝撃に耐えられず、全身の骨が折れてしまった。俺はこの惨敗ぷりに呆気をとられ、ただただ固まるしかなかった。
その瞬間、俺の敗北が確定した。最後の力を使い切り、俺は倒れてしまったのだ。
「残念だったね。僕の勝ちだ!!
じゃあ女の子か狐さんのどっちかに死んでもらおっかなー」
「待ってください!! なら私が! 私でどうですか?!」
春子さんは泣きながら叫ぶ様な声で言った。
「何を言ってるんだ、春子さん! まだ負けた訳じゃあ……な……い……から。まだ俺、戦えるからさ……お願いだ。そんなことを言うなって」
俺は必死に春子さんを説得する。
「ほら、もう声だってそんな出てないじゃないですか。もうこれ以上、あなたは戦えないですよ」
「そんな…… じゃあ、俺は……俺はこれからどうやって生きていけばいいんだ……。君がいなきゃ俺は……ただの人間じゃないか……」
「甘えたこと言わないください! あなたはそれを承知の上で地獄に来たんですよね? なら、わたし…が…い、いなくたって、頑張って生きていかなきゃ。
それに私だってあなたがいなきゃ術を使えないただの幽霊ですから……。
でもジェルバさんには息子さんがいます。彼は生き残るべきです」
そんな……命の選抜をしなくちゃいけないなんて……。俺は……なんて弱いんだ……………。
春子さんだって死にたくないはずなのに。
すると鬼神様が話に割り込んできた。
「あのー、 お取り込み中にごめんね? そこの女の子やっぱ死ななくていいよ。狐さん、今死んだからさ!!」
「え? どうして?」
俺と春子さんは呆気にとられた。
「君たちが来る前に僕が致命傷を与えちゃったからなー。2人が熱くなってる間に死んだんだよ!」
「そんな……。 これじゃあ、、、、ムスカくんに合わせる顔がないじゃないかぁぁぁぁ!!!」
俺と春子さんは泣くことしかできなかった。
「ということで、僕は行きます。
それじゃ、また会いましょうね。春樹くん!」
そう言い残すと、鬼神様は消えてしまった……。
日が昇り始め、空が明るくなるのとは対照的に俺たちの心は沈まざるおえなかった。
俺たちはもう立って歩く力が残されていなかったので地を這うゾンビのように地面に這いつくばりながらジェルバさんの元へ進む。
ジェルバさんの顔はとても安堵した様子でとても死んでるようには見えない。でも少しずつ、体が灰となり崩壊してゆく姿に俺たちはただただ眺めることしかできなかった。
そして遂にジェルバさんの体はチリとなり、完全に消えてしまった……
春子さんと再度融合した俺は、あの鬼を倒すために最後の戦いに挑む。もうすでに、俺も春子さんも限界だ。次、術を出したらもう……
俺はしばらく動けない。だから、何としてもここで! この1発であいつを倒す!!
「固有霊刀術 冷血火殺・改!」
多分今までの攻撃の中で1番早く、そして1番切れ味のある技だ。とにかく少しでも多くあいつの体を切る!
「おぉぉ どうやら大技が来るみたいだね。
なら僕も少しだけ術を使うとするか……
鬼化術 鬼神化・鋼」
突然、鬼神様の体は鋼の如く硬くなった。皮膚は鎧のようなオーラを纏っている。
多分防御系の術だろうか? だがそんなの関係ない! 俺の冷血火殺・改なら!!!
俺は大地を揺るがすほどの蹴りで前進すると、神速を超えた速さで奴の体に斬りかかった。
あまりの速さに俺の体は摩擦で火がつき、大地には大きな亀裂が入る。
「す、すごい。なかなか強力な技だね。
それで僕を殺せるといいね! がんばれ!」
鬼神様は余裕な態度をかましている。
だが、それも今だけだぁぁぁぁぁぁ!!!
パキーン/ _-/
刃と奴の体がぶつかる音がした。
最強の矛と盾がぶつかるその衝撃は島全体に響き渡り、周りの海流と、雲の流れに影響を与えるほどだった。
やったか? これは手応えがある!!
「………………」
「え??」
だが奴の体にはかすり傷1つもついておらず、それに対して俺の刀は折れていて、体はその圧倒的な衝撃に耐えられず、全身の骨が折れてしまった。俺はこの惨敗ぷりに呆気をとられ、ただただ固まるしかなかった。
その瞬間、俺の敗北が確定した。最後の力を使い切り、俺は倒れてしまったのだ。
「残念だったね。僕の勝ちだ!!
じゃあ女の子か狐さんのどっちかに死んでもらおっかなー」
「待ってください!! なら私が! 私でどうですか?!」
春子さんは泣きながら叫ぶ様な声で言った。
「何を言ってるんだ、春子さん! まだ負けた訳じゃあ……な……い……から。まだ俺、戦えるからさ……お願いだ。そんなことを言うなって」
俺は必死に春子さんを説得する。
「ほら、もう声だってそんな出てないじゃないですか。もうこれ以上、あなたは戦えないですよ」
「そんな…… じゃあ、俺は……俺はこれからどうやって生きていけばいいんだ……。君がいなきゃ俺は……ただの人間じゃないか……」
「甘えたこと言わないください! あなたはそれを承知の上で地獄に来たんですよね? なら、わたし…が…い、いなくたって、頑張って生きていかなきゃ。
それに私だってあなたがいなきゃ術を使えないただの幽霊ですから……。
でもジェルバさんには息子さんがいます。彼は生き残るべきです」
そんな……命の選抜をしなくちゃいけないなんて……。俺は……なんて弱いんだ……………。
春子さんだって死にたくないはずなのに。
すると鬼神様が話に割り込んできた。
「あのー、 お取り込み中にごめんね? そこの女の子やっぱ死ななくていいよ。狐さん、今死んだからさ!!」
「え? どうして?」
俺と春子さんは呆気にとられた。
「君たちが来る前に僕が致命傷を与えちゃったからなー。2人が熱くなってる間に死んだんだよ!」
「そんな……。 これじゃあ、、、、ムスカくんに合わせる顔がないじゃないかぁぁぁぁ!!!」
俺と春子さんは泣くことしかできなかった。
「ということで、僕は行きます。
それじゃ、また会いましょうね。春樹くん!」
そう言い残すと、鬼神様は消えてしまった……。
日が昇り始め、空が明るくなるのとは対照的に俺たちの心は沈まざるおえなかった。
俺たちはもう立って歩く力が残されていなかったので地を這うゾンビのように地面に這いつくばりながらジェルバさんの元へ進む。
ジェルバさんの顔はとても安堵した様子でとても死んでるようには見えない。でも少しずつ、体が灰となり崩壊してゆく姿に俺たちはただただ眺めることしかできなかった。
そして遂にジェルバさんの体はチリとなり、完全に消えてしまった……
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