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第八章
第三十一話 共闘
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魔の泉に付近にたどり着いたケンギたち。どうやら自然の泉ではなく人工の泉らしい。入り口にアーチのようなものが整備されていた跡が残っている。
「なんだか、魔の泉って言う割には魔物以外の奴が作ったような感じになってるな。」
「ここは、世界を洗い流す大洪水に唯一耐えきったとされる建物だ。それでもそこら中ボロボロだけどな。」
「世界を洗い流す大洪水? それは何なの?」
「魔王軍に伝わる伝説で『我々は敵対する神の起こす大洪水に抗い、見事現世にまで残り続けた』ってのがあるんだ。だから今は水にたけてるスイテイが住んでる。」
「ヒイデがこっちにいてくれると、色んな未開の地のことがわかりそうだ。ありがとな。」
「フン、お前の感謝などほんの少しも嬉しくない。」
そうして歩いていると、いよいよ泉の湧く場所にたどり着いた。周りには、苔のむした柱が立っている。
「さぁ、この泉の中にスイテイがいる。呼べば出てくると思うがどうする? 今ならまだ引き返せるぞ。」
「引くわけないだろう。魔王軍四天王がいる中でここを地図に描けるほどの余裕はない。」
「私だって強いってところ、見せなくちゃ!」
「フン、そうか。じゃあ……。」
小さい魔物たちがワラワラと現れた。
「まずはこいつらで小手調べだな。」
「な! こいつら、いつの間に!」
三人は背中をつけ、それぞれ敵に向かいあっている。
「俺はこっちの奴らを倒すから、ロウコとヒイデもそっち側の奴らを倒してくれ。」
「ハッ、言われなくたってやりますとも。」
「こんなところでてこずってたら、スイテイなんか倒せないものね。頑張るわ!」
三人は背中を離すと、一気に敵の近くに着いた。
「ザッシュ! まとめて両断だ!」
「えぇい! この速さにはついてこられないはずよ!」
「はぁ! 手裏剣!」
各々がそれぞれの技で魔物を倒していく。意外にも早く決着が着いた。
「はぁ、はぁ……今の奴ら、一体なんだったんだ?」
「今のは多分、スイテイの子供たちだな。スイテイは水源がある限り無限に子供を作りだせるんだ。」
「スイテイは子供を戦わせているのか? 自分は一切出ないくせに?」
「……だとさ、スイテイ。いい加減その中から出てきたらどうだ?」
スイテイを煽るヒイデ。しかしいつまで経っても出てこない。
「誰も出てこないぞ? 本当にスイテイがここにいるのか?」
「……しょうがない。俺が引っ張り出してやる。」
そう言うとヒイデは泉の中へ手をつっこみ、何かを探り始めた。
「きっとこの中にスイテイの核があるはずだ。水源から出してやれば、嫌でも水に化けていられなくなる。」
少し経つと、ヒイデは核のようなものを手にした。
「あった、これだ!」
核を引っ張り出そうとするヒイデ。しかし水がそれを手放さない。
「オホホホ、その程度で私を倒そうって言うの?」
水の方から声が聞こえる。ヒイデは驚いて核を手放してしまった。
「あ、しまった! もう少しだったのに……。」
水が渦を巻き、少しずつ形になっていく。完全に形を作った水ははじけ、中から全身水色の魔物が現れた。
「さぁ、お待たせしました。私がスイテイです。」
「なんだか、魔の泉って言う割には魔物以外の奴が作ったような感じになってるな。」
「ここは、世界を洗い流す大洪水に唯一耐えきったとされる建物だ。それでもそこら中ボロボロだけどな。」
「世界を洗い流す大洪水? それは何なの?」
「魔王軍に伝わる伝説で『我々は敵対する神の起こす大洪水に抗い、見事現世にまで残り続けた』ってのがあるんだ。だから今は水にたけてるスイテイが住んでる。」
「ヒイデがこっちにいてくれると、色んな未開の地のことがわかりそうだ。ありがとな。」
「フン、お前の感謝などほんの少しも嬉しくない。」
そうして歩いていると、いよいよ泉の湧く場所にたどり着いた。周りには、苔のむした柱が立っている。
「さぁ、この泉の中にスイテイがいる。呼べば出てくると思うがどうする? 今ならまだ引き返せるぞ。」
「引くわけないだろう。魔王軍四天王がいる中でここを地図に描けるほどの余裕はない。」
「私だって強いってところ、見せなくちゃ!」
「フン、そうか。じゃあ……。」
小さい魔物たちがワラワラと現れた。
「まずはこいつらで小手調べだな。」
「な! こいつら、いつの間に!」
三人は背中をつけ、それぞれ敵に向かいあっている。
「俺はこっちの奴らを倒すから、ロウコとヒイデもそっち側の奴らを倒してくれ。」
「ハッ、言われなくたってやりますとも。」
「こんなところでてこずってたら、スイテイなんか倒せないものね。頑張るわ!」
三人は背中を離すと、一気に敵の近くに着いた。
「ザッシュ! まとめて両断だ!」
「えぇい! この速さにはついてこられないはずよ!」
「はぁ! 手裏剣!」
各々がそれぞれの技で魔物を倒していく。意外にも早く決着が着いた。
「はぁ、はぁ……今の奴ら、一体なんだったんだ?」
「今のは多分、スイテイの子供たちだな。スイテイは水源がある限り無限に子供を作りだせるんだ。」
「スイテイは子供を戦わせているのか? 自分は一切出ないくせに?」
「……だとさ、スイテイ。いい加減その中から出てきたらどうだ?」
スイテイを煽るヒイデ。しかしいつまで経っても出てこない。
「誰も出てこないぞ? 本当にスイテイがここにいるのか?」
「……しょうがない。俺が引っ張り出してやる。」
そう言うとヒイデは泉の中へ手をつっこみ、何かを探り始めた。
「きっとこの中にスイテイの核があるはずだ。水源から出してやれば、嫌でも水に化けていられなくなる。」
少し経つと、ヒイデは核のようなものを手にした。
「あった、これだ!」
核を引っ張り出そうとするヒイデ。しかし水がそれを手放さない。
「オホホホ、その程度で私を倒そうって言うの?」
水の方から声が聞こえる。ヒイデは驚いて核を手放してしまった。
「あ、しまった! もう少しだったのに……。」
水が渦を巻き、少しずつ形になっていく。完全に形を作った水ははじけ、中から全身水色の魔物が現れた。
「さぁ、お待たせしました。私がスイテイです。」
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