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番外編『囚われのメイド姫』
番外編『囚われのメイド姫』3
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「動けるのは、ここまでか。さすがに、手に取れるようなところに証拠になりそうなものはないな。これは、戻ってくるのを待って、きっちり拷問してやればいいか」
スヴェンは、少し考えて脱出よりも情報の奪取を優先することにした。
ここにいれば、あの男は間違いなく戻ってくるだろう。
鼻の下をのばし、スヴェンを組み敷こうとやってくるのだ。
それならば、このまま無害な少年を演じておき、油断したところで取り押さえればいいだろう。
いつだって、ベッドの上ではどんな男も無防備になるのだから。
もちろん、すべてはこれから騎士団に突入される予定のオークションから、あの男が無事に逃げ出せたらの話なのだ。
その可能性は、万にひとつもないだろう、と先程までの男の様子からスヴェンはそのあとのことを考えながら行動を開始している。
スヴェンの同僚たちは、今年入った新人すら優秀な騎士なのだから。
「ぶはっ、その格好で拷問とか、ミスマッチにもほどがあるでしょ! オレを笑わせるのはやめてくれよ。うっかり笑い死にしちまいそうだ」
「遅いぞ、ハビエル」
どこからともなく聞こえてくる笑い声に、スヴェンは冷静な声で返す。
ハビエルが、部屋の中に侵入していることなど、スヴェンにはすでにわかっていた。
スヴェンとハビエルは、ハビエルが入団したときからずっとバディの間柄なのだ。
その慣れ親しんだハビエルの気配に、スヴェンが気がつかないわけがない。
「なーんだ、スヴェンさん。もう、オレがいるのに気がついてたのかよ」
「当たり前だろう。お前の気配がわからないわけがない。さっさとこいつを外せ」
「へいへい、スヴェンさんに首輪だなんて結構レアだし、みんな見たいと思うんだけどなぁ」
「なんだ。ハビエルは、こういうのが好みなのか? 今度、似たようなものを買ってくるか?」
首輪を外しにきたハビエルの首に腕をまわしながら囁けば、それだけでハビエルの顔が真っ赤に染まる。
本当に純粋で可愛らしい反応だ。
スヴェンは、にんまりと笑ってしまう。
ハビエルは仕事上のバディであるが、いまや私生活においてもスヴェンのバディとなった男だった。
この男が、スヴェンを強引に口説いて、しかもそのまま抱いたなんてことは、本人であるスヴェンですらいまだに信じられない珍事だ。
だが、いくら酔っていたとはいえ、スヴェンはハビエルに真剣に口説かれ、それを受け入れてしまった。
それまでスヴェンは、男と付き合うことなど考えたこともなかったのに。
いまでは、ちゃんと心から受け入れているが、あの日のことは本当に勢いだけのことだったのだ。
当たり前のように、スヴェンがハビエルを受け止める側にまわることになったのだが、ハビエルから熱心に求められるのは嫌ではなかった。
むしろ、よすぎて癖になってしまったくらいだ。
いまだって、少し思い出しただけなのに、スヴェンは体の奥が熱を持って疼きはじめているのを感じる。
ただ、その後も数回、飲んだあとのハビエルを持ち帰り抱かれているのだが、いまだに素面では手を出してこない。
そのことについては、少々不満に感じている。
酔わなければ抱けないほど、スヴェンは好かれていないのか、と。
「ばっ、ばっか! こんなところで、なにを言い出すんだよ!」
「近頃ご無沙汰だからな。その気になれるっていうなら、このくらいの小物は買ってやるぞ。それとも、このメイド服も一緒に揃えておいてやろうか?」
「わわわっ、めくるな! めくるな!」
「なあ、さっきあいつに、ここまで触られたんだが、いますぐ消毒しなくてもいいのか?」
ハビエルは酔うと、今日はどこどこを誰に触られていたとか、スヴェンから誰かに触っていたなどと理由をつけ、消毒が必要といっては必要以上にねちっこくスヴェンの体を責め立ててくる。
特に「オレのスヴェンさんに」と言われながらねちっこく責められると、スヴェンは自分でもおかしくなるくらい乱れてしまう。
ハビエルにもっと責められたくて、スヴェンが、ここも触られた、と時々虚偽の報告を織りまぜていることには気付いているだろうか。
どきどきしながら、ハビエルの前でスカートをゆっくりとめくりあげていく。
スヴェンは、すでに取り返しがつかないほどに癖になってしまっているのだが、ハビエルはどうだろうか?
期待に高鳴る胸が、全身を熱くさせた。
スヴェンは、少し考えて脱出よりも情報の奪取を優先することにした。
ここにいれば、あの男は間違いなく戻ってくるだろう。
鼻の下をのばし、スヴェンを組み敷こうとやってくるのだ。
それならば、このまま無害な少年を演じておき、油断したところで取り押さえればいいだろう。
いつだって、ベッドの上ではどんな男も無防備になるのだから。
もちろん、すべてはこれから騎士団に突入される予定のオークションから、あの男が無事に逃げ出せたらの話なのだ。
その可能性は、万にひとつもないだろう、と先程までの男の様子からスヴェンはそのあとのことを考えながら行動を開始している。
スヴェンの同僚たちは、今年入った新人すら優秀な騎士なのだから。
「ぶはっ、その格好で拷問とか、ミスマッチにもほどがあるでしょ! オレを笑わせるのはやめてくれよ。うっかり笑い死にしちまいそうだ」
「遅いぞ、ハビエル」
どこからともなく聞こえてくる笑い声に、スヴェンは冷静な声で返す。
ハビエルが、部屋の中に侵入していることなど、スヴェンにはすでにわかっていた。
スヴェンとハビエルは、ハビエルが入団したときからずっとバディの間柄なのだ。
その慣れ親しんだハビエルの気配に、スヴェンが気がつかないわけがない。
「なーんだ、スヴェンさん。もう、オレがいるのに気がついてたのかよ」
「当たり前だろう。お前の気配がわからないわけがない。さっさとこいつを外せ」
「へいへい、スヴェンさんに首輪だなんて結構レアだし、みんな見たいと思うんだけどなぁ」
「なんだ。ハビエルは、こういうのが好みなのか? 今度、似たようなものを買ってくるか?」
首輪を外しにきたハビエルの首に腕をまわしながら囁けば、それだけでハビエルの顔が真っ赤に染まる。
本当に純粋で可愛らしい反応だ。
スヴェンは、にんまりと笑ってしまう。
ハビエルは仕事上のバディであるが、いまや私生活においてもスヴェンのバディとなった男だった。
この男が、スヴェンを強引に口説いて、しかもそのまま抱いたなんてことは、本人であるスヴェンですらいまだに信じられない珍事だ。
だが、いくら酔っていたとはいえ、スヴェンはハビエルに真剣に口説かれ、それを受け入れてしまった。
それまでスヴェンは、男と付き合うことなど考えたこともなかったのに。
いまでは、ちゃんと心から受け入れているが、あの日のことは本当に勢いだけのことだったのだ。
当たり前のように、スヴェンがハビエルを受け止める側にまわることになったのだが、ハビエルから熱心に求められるのは嫌ではなかった。
むしろ、よすぎて癖になってしまったくらいだ。
いまだって、少し思い出しただけなのに、スヴェンは体の奥が熱を持って疼きはじめているのを感じる。
ただ、その後も数回、飲んだあとのハビエルを持ち帰り抱かれているのだが、いまだに素面では手を出してこない。
そのことについては、少々不満に感じている。
酔わなければ抱けないほど、スヴェンは好かれていないのか、と。
「ばっ、ばっか! こんなところで、なにを言い出すんだよ!」
「近頃ご無沙汰だからな。その気になれるっていうなら、このくらいの小物は買ってやるぞ。それとも、このメイド服も一緒に揃えておいてやろうか?」
「わわわっ、めくるな! めくるな!」
「なあ、さっきあいつに、ここまで触られたんだが、いますぐ消毒しなくてもいいのか?」
ハビエルは酔うと、今日はどこどこを誰に触られていたとか、スヴェンから誰かに触っていたなどと理由をつけ、消毒が必要といっては必要以上にねちっこくスヴェンの体を責め立ててくる。
特に「オレのスヴェンさんに」と言われながらねちっこく責められると、スヴェンは自分でもおかしくなるくらい乱れてしまう。
ハビエルにもっと責められたくて、スヴェンが、ここも触られた、と時々虚偽の報告を織りまぜていることには気付いているだろうか。
どきどきしながら、ハビエルの前でスカートをゆっくりとめくりあげていく。
スヴェンは、すでに取り返しがつかないほどに癖になってしまっているのだが、ハビエルはどうだろうか?
期待に高鳴る胸が、全身を熱くさせた。
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