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第三章 「学校」

ただいま

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圭太「ハァ…ハァ…。」

家に…着いた…。歩の「ただいま」を聞くため、学校から猛ダッシュで走ってきた。玄関扉を開ける…よし、歩はまだいない。

圭太「後は歩を待つだけ。」

遊園地に来たような、妙なワクワク感があった。



圭太「…。」

遅い。少し寄り道しているのか、いつも俺が帰ってくる時間より10分ほど遅れていた。

圭太「なんかあったのか…?」

すると、インターホンが鳴った。やっと待ちに待った瞬間だ。早歩きで玄関まで向かって、勢いよく扉を開けた。

圭太「歩!おかえ……り?」
歩「……。」

扉のすぐ前で、いつの間にか降ってきていた雨に、全身びしょ濡れで歩がポツンと佇んでいた。

歩「せん…ぱい……。」
圭太「歩…!お前、泣いてんのか…?」

今にも声を荒げて泣き出しそうな歩が、俺の胸に抱きついてきた。

圭太「うお!歩…なんかあったか?」
歩「…りたかった。」
圭太「え?」
歩「先輩と一緒に!!帰りたかったです!」

っ……!!ダメだ。今はきっと謝るべきなのに。歩が可愛すぎて鼻血が出そうだ。俺は天井を向いて、必死に鼻を手で抑えた。

歩「先輩…??」
圭太「…。」
歩「…。」

しばらく静かな空気が漂う。

歩「僕…勝手でしたか…?」グスッ
圭太「ハッ!いや、そんなこ…」
歩「取り乱して…すみません。」

そういうと、歩は俺を少し強めに押し退けて部屋に上がった。…傷つける、つもりはなかったのに。謝りたい…けど、どんよりとした空気が俺の言葉を抑える。…少しタイミングを見て謝ろう。

今日はとっても嫌な日だった
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