【怪談】先生の後ろ

らら

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先生の後ろ

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幽霊出るという噂の学校に通っていました。

私は霊感がないです。

霊感がある人たちは「通学路に落ち武者いるよね…?」「今、生首が廊下に通ったよね…?」

など話題にしていました。

私自身は霊感がありません。
なので、全て周りから聞いた話です。

今からお話をするのは、霊感の強い同級生の男の子のお話です。



🥡🕯🥡🕯🥡🕯



国語の授業を、彼は受けていました。

先生が生徒一人一人に声に出して読ませるため。
一人一人に指名するために。
一人一人の席の隣に止まります。

彼は机に置いた教科書を他の生徒が、声にだしているところを目で追っていました。

ふと顔上げ、歩いては止まる先生を見ました。


あれ?
教育実習生って、この時期来るんだっけ?


先生の後ろに、見慣れない若い女性がいたからです。

先生が歩き出して、止まる。
若い女性もその同様の動作を繰り返します。

でも、先生とは違う行動をひとつだけしています。

先生が次のひとへと歩き出した後、読み終わった生徒の席の隣に立ちます。
そして体をありえない体勢と角度で屈め、顔を覗き込んでいたのです。

彼は気づきました。
みんな見えてない。
幽霊だと。

カタカタと震えが止まらなくなりました。

目を合わせてはいけない。
と判断します。

そうこうしていても、先生は歩みを止めません。

カツカツっ。

「はい、○○さん。次読んで」


その繰り返し。
段々と彼に近づいてきます。

震えが止まりません。
一生懸命机に置いた教科書を見つめるしかないのです。


コンコンコンっ。

「はい、次読んで。」


とうとう、彼の番が来ました。

意識を集中させ、読み上げます。
声も心なしか上擦っていますが、恥ずかしさのためと思われていたのでしょう。
彼が読み終わるのが怖い、と思っていることは、この教室の中の人たちは、誰も気づいてはいませんが。

読み終わると、先生が後ろの席へと移動します。

そうすると、幽霊が自分の横へと移動しました。



ーピタッと止まります。



咄嗟に彼は教科書を両手に持ち、顔に近付けます。

幽霊はグイッと、ありえない角度に体を横にし、顔を覗き込んでこようとします。

目を合わせてはいけない。
一生懸命耐えます。
彼の体は震えています。

数分だったでしょうが。
長い時間に感じます。

幽霊は体を元の体勢に戻し、先生の後に続くため、歩きだしました。


ー良かった。
彼はホッとします。


何人か読み上げていきます。
彼はふと気になって、後ろを振り返ることにしました。

チラっと。
顔だけ振り返ります。

そうすると、幽霊も彼の方を振り返っていました。


目が合ってしまった。


その瞬間


「見えてるのでしょう?」


そう幽霊が口でつぶやくところが見えました。
言い終わると、その幽霊はするすると消えていったそうです。


きっと、存在を知って欲しかっただけなのです。


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こうやって読み進めてくださった皆様にも、ららという私の存在を知ってもらいだけなのです❤


今後もご贔屓に♡

他にも作品出してるの見えてるよね?
目を通してみてね。
あなたと画面越しに目が合えるように、作品投稿してるんだよ。



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みんなの感想(1件)

大林和正
2023.12.15 大林和正

物語が終わった後の言葉と中身のリンクが
一瞬、恐怖でした
面白かったです
ありがとうございます😊

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