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安全な棺
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真子はお寺さんの娘だが、先日、困った人がいたそうだ。
葬儀のお客さんだったが、念仏を唱えるときも何かに憑りつかれたように騒ぎ、遺体が火葬されるまで騒ぎ続けていたのだと言う。
私は何故真子が葬儀に同行したのか疑問に持ったが、真子は「お父さんがついて来いって言ったから」と言った。まれにそういうことがあるらしい。
真子は「親しい人が亡くなったのがショックなのはわかるけど、やめて欲しいよねー」とため息をついた。
「まだ生きてるとか言って、死を認められなかったみたいなんだよ」
と。
「火葬のあとは、魂が抜けたように呆然としてたけどね」と真子が笑うのを見て、単なる比喩表現であって欲しいと心から願った。
葬儀のお客さんだったが、念仏を唱えるときも何かに憑りつかれたように騒ぎ、遺体が火葬されるまで騒ぎ続けていたのだと言う。
私は何故真子が葬儀に同行したのか疑問に持ったが、真子は「お父さんがついて来いって言ったから」と言った。まれにそういうことがあるらしい。
真子は「親しい人が亡くなったのがショックなのはわかるけど、やめて欲しいよねー」とため息をついた。
「まだ生きてるとか言って、死を認められなかったみたいなんだよ」
と。
「火葬のあとは、魂が抜けたように呆然としてたけどね」と真子が笑うのを見て、単なる比喩表現であって欲しいと心から願った。
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