仲間がいるから、冒険が楽しい。

堕天使ピエロ

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始まりの街と仲間集め

裸の少年とデンス

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ーーこれはマズイ。本当にマズイ。
確かに、“何かひとつだけ持って行ける”という話だったが本当にそれ以外の物が何も無いとは。

俺は加護以外の全てを前の世界に置いてきてしまった。つまり、今は裸の状態である。

「いやいや、ふざけんじゃねぇよ。俺の知ってる異世界ファンタジーは、召喚された時点でみんな服着てたぞ」

お花畑の中心で、産まれた時の姿の少年がひとり立っている。なんとも絵にならない状況だ。

洋服を作りたいが、裁縫は家庭科の授業で少し習ったほど。到底洋服など作れる筈がない。仕方がないので少し歩いた所にある森に入り、大きめの葉をツルで縫い合わせ簡易的な服を作ってみる。

「まあ、仕方がない。取り敢えず街に出て要らない古着と靴を譲って貰おう...」

そんなことを考えながら歩いているうちに小さいながら活気のある街に出た。街並みは、日本よりも海外に近いだろうか。果物屋などの露店や、書店、レストランなどが並んでいる。
街では人間だけでなく、ネコやウサギの耳やオオカミ等の顔をした亜人が仲良く暮らしているようだ。

「服を譲っていただけませんか?」

早速街ゆく人に声を掛けたが、皆苦笑いをしながら去っていった。

やがて日も落ち、薄暗くなってしまい俺は街路樹の下に腰を下ろした。一日中歩き回って疲れていたのか、すぐに眠りについた。

どのくらい時間が経っただろう。俺は一人の老人に声を掛けられた。年齢は70歳は超えているだろうか。白髪で髭を生やした、品の良い男性だ。

「少年、少年。大丈夫かい?」

「ーーはい?」
折角寝ていたのに何なんだよ。俺はそう思いつつ返事をする。

「目が覚めたか。して、君はなぜそんな格好をしている?」

「ああ、自分は遠い異国の者なのですが、街の外で盗賊に身ぐるみを剥がされまして。仕方なく、葉とツルで服を作ったのです。」

「そうか。それは災難じゃったのぉ。私の名はデンス・アルデオ。医者をやっているのだが、君の身に付けている葉は薬草じゃ。高くは売れぬが多少の金にはなる。わしにその葉を譲ってくれぬか。そうしたら、そのお金で服と靴を揃えてあげよう」

「ありがとうございます。俺はサトウ・タケルです。デンスさん、よろしくお願いします!」

こうして俺は上下セットの黒ベースに白の線が入ったジャージと白色のスニーカーを手に入れた。

その後、デンスの家にて晩御飯をご馳走になった。

奥さんが元料理人との事で、出されたミートスパゲティはこの上なく美味。ソースも自家製との事で、トマトの香りがアルデンテに茹でられた麺によく合う。

「ところで、この街で冒険者をやりたいのですが、どこに行けば登録できますか?」

ミートスパゲティを頬張りながら質問する。

「冒険者ギルドなら街の中心にある筈じゃ。じゃが、今日は遅いし家に泊まると良い。」

ご厚意に感謝しつつ、俺は与えられた部屋に入る。

部屋には小さな机と椅子、ふかふかなベットが置いてある。医者が高給取りなのは、こちらの世界でも同じなのかなと思いつつ俺は朝まで眠った。
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