【完結】顔面が好きすぎて何も話が入ってこない件について

海月くらげ

文字の大きさ
13 / 27
第一話

顔が好きなだけだったのに13





ちゅ、くちゅ、とはしたない音を立てて舌を吸われる。
その合間に秘丘をくすぐるように指先で引っかかれる。
甘痒い感触に腰を引くと、やはり強く抱き寄せられる。
傍に感じる自分より大きい、自分をしまってしまえるほどの存在の所在にさえ、じわりと胃の奥が熱くなって、どろりと内側から熱が零れるのがわかる。自分がこんなに女であるということに思考の端で恥ずかしくなった。男の指が膨れた秘豆を圧し潰すみたいにして押し潰す。びりっと電流が走る。それが快感だということはすぐわかった。



「んんっ、あっ……ひぅ……」



どろどろと欲が溢れてくるのが自分でもわかる。

はっと荒い呼吸でキスが止まる。
甘い刺激がなくなったことに思わず目を開いてしまう。

落合恭哉はやはり、こちらを見ていた。

熱を孕んだ視線が私に真っ直ぐ伸びている。ばくんと今までより大きく心臓が高鳴った。



――…この美しい男に抱かれるのか。



急に現実みを帯びてくる光景に、ばくんばくんとものすごいスピードで早鐘を打つ。
コントロールできない。
視線が釘付けになる。



「ひな……」



甘く舌足らずな声で、名前を呼ばれる。呼ばれたことのないあだ名を、落合恭哉だけが使う。そんな背徳感さえ覚える。熱を上げるのには充分すぎた。



「やっ、ぁ……っやだ……っ」

「何が?」

「なまえ……はずかしい……っ」

「そこ?」



視線を真正面から受けながら、俯いてそう伝えると、彼はくすくすと楽しげに笑った。
ちゅっと音を立てて唇が触れる。
恋人のような応酬に胸がときめかないわけがない。



「もっと呼んでいい?」

「……だめ」

「うーん」



到底人には見せられない状態で、到底人には聞かせられない会話をする。

これは勘違いする。まるで愛されているかのような錯覚に陥る。そんなはずあるわけないのに。

恐ろしいからここでやめてほしい。
これ以上進んだら本格的に勘違いする痛い女の出来上がりだ。



「ひな」

「あ……ッ」




顔が離れて、耳朶を軽く食まれる。直接鼓膜に飛び込んでくる甘い声に、腰が砕けそうになる。あの顔が今、自分だけに囁いているのだ。こんな甘美な時間があっていいのだろうか。


私の熱が上がったことを理解しているのか、緩く触れるだけだった秘部への愛撫がぐっと力を増す。
しとどに濡れたそこを、掻き分けるようにして指が中心に近付いていく。
短い嬌声を上げながら、割れ目に指が押し入る。つぷ、と彼の指を素直に呑み込む己は今の私そのものだった。
愛液をすくいながら、指が奥へと進む。ぎちりと軋みを生みながらも、私の身体は男の武骨な指を吞み込んでいく。



「あぁ……はっ……あんっ……」

「きっつ」

苦しそうな声に、あの涼しげにしている落合恭哉が苦しんでる、とまた嫌な興奮に襲われる。それだけで身体が弛緩するのがわかった。



「あ、ふっ……うっん……あぁ……っ」



自分の息もおのずと上がっていく。
少しずつ緩んでいくなかに、指が増やされる。
ばらばらと内側で蠢く指に翻弄される。蕩けてしまいそうになる。
落合恭哉が首筋に顔を埋めて、どくどくと脈打つ箇所に舌が這う。
はぁと熱い吐息が漏れる。甘ったるい時間。

なんだかこのままおかしくなってしまいそう……。

はじめてだというのに、身体全体がこの男を求めているような錯覚。
目に入るだけで充分満足だと思っていた日々が終わってしまう。
それはそれでいいかもしれない。蕩ける感覚と思考の渦さえ気持ちがいい。
目を閉じている間は幸せだった。



感想 0

あなたにおすすめの小説

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

好きな人の好きな人

ぽぽ
恋愛
"私には何年も思い続ける初恋相手がいる。" 初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。 恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。 そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

つかまえた 〜ヤンデレからは逃げられない〜

りん
恋愛
狩谷和兎には、三年前に別れた恋人がいる。