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プロローグ

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 ――プロローグ――
 僕はごく普通のどこにでもいる男子高校生。他の人と違うところといえば、男のくせに乙女ゲームをしているということだ。特にこの「魔法世界で私はお姫様!」この乙女ゲームは最高だ。主人公はお決まりでモテモテな女の子。
 だが!僕は主人公より悪役令嬢サヤカがイチオシだ!少しツンとした性格だが本当は優しく可愛い!このゲームもサヤカ目当てで買ったと言っても過言ではない。
 そんな僕が、何故今ここにいるのか。記憶が曖昧であまり思い出せない。そうだ!
 僕は「早く家に帰ってゲームするぞ~」
 そう言ってホームルームが終わるとカバンを手にしてすぐさま家に向かった。そこで信号無視の車が飛び出してきて…僕は死んだのか。
「はいはい。君が信条葵くんかい?」
(なんだこのチャラチャラした感じのコスプレ野郎は)
「誰がコスプレ野郎だよ!僕は神さ!」
(うわぁ。ヤバいやつだ。あれ?でもなんで聞こえてるんだ。)
「ヤバいやつじゃない!神だから聞こえるんだよ!」
「あのーじゃあ、なんで神様が僕に何の用でしょう?」
 いきなり神だと言ってきたこの男に僕は聞いた。
「あのね。君が死んだの僕の手違いだったみたいさ!てへ☆」
 てへっ☆じゃねーよ!
「じゃあ、貴方のせいで僕は死んだんですか?」
「まぁそういう事だね!ということで!君にお決まりのように転生できる権利をあげようじゃないか」
(あー。これ見たことあるやつだ。パクリじゃねーか)
「まぁそう言わずにどこか行きたい場所は無いのかい?」
 行きたい場所…。そうだ!
「乙女ゲームの「魔法世界で私はお姫様!」に転生することは出来るんですか!?」
 僕の大好きなゲームに入れるんだったら最高じゃないか。
「全然!お易い御用さ!でも、君は男だから男キャラとして転生させてもらうよ。じゃあ、いってらっしゃーい!」
 おいおい。説明はーーー?俺は誰に変わるんだよー

 眩しい。太陽の光か?広い天井に周りは誰だ?
「皇后様~。殿下がお目覚めになりました!」
 王子?皇后?そうか。乙女ゲームの世界に来たんだったな。
 という事は…僕はルクス王子になったのか!よっしゃー!
「ルクス!目が覚めたの!?良かった。あなたに何かあればわたくしは…」
 皇后は僕を抱きしめた。周りは…侍女達か。おお。胸がとてもデカい…!
 たしか、ルクスは皇后の事は母上って言ってた気がするな。
「大丈夫だよ。母上。僕はなんともないよ。」
「……そう!良かったわ。」
 ヒヤヒヤした。バレずに何とかいけたみたいだ。
 だが、これからだ。上手くバレずにやっていけるか…。
「ルクス様!大丈夫ですか!?」
 扉からチラリと顔を見せたのは…
 キターーーーー!ルクスの許嫁でもあって悪役令嬢サヤカ!実際見ると、一段と可愛い!なんで、男たちはみんな主人公の方にいくんだ。まぁそうじゃなかったら話が進まないからな。
「大丈夫だよ。心配かけたね。」
「良かったです。大丈夫そうで。」
 うわぁ。顔が近い近い!
 なんで、ゲーム中のルクスはこんな可愛いサヤカを差し置いて主人公のところに行くんだよ!よし!決めた!
 僕は悪役令嬢サヤカを愛します!
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