64 / 113
第四章 緑石の力に潜む意思
監視という名の深い愛
しおりを挟む
大地の姫が元の髪の色を取り戻したという発表はすぐに国民や国外、あちこちに伝わった。そしてまた、空側の第ニ王子も本来の力を取り戻したことも伝えられた。
喜びがティラード国に広がる中、王子達の姿をみかける者はなく、何かあって、2王家が慎重になっていることは皆容易に想像できた。
*
「やっほー、カイルス。」
東の屋敷にアーバスが訪れた。
「やっほー・・・って、いやいやいや、お前どうしたの?顔が泣きそうだけど?フォリーはどうなんだ?」
東王の書斎に連れてきたジョシュアが説明をする。
「西のお館様、先程到着されていたようなのですが、モーセの子が気がついて、服をクチバシで引っ張って、甘えていたようです。」
「甘えてたって・・・・・いくら幼鳥とはいえ、あの馬鹿力。俺が困る。」
西王が愚痴をこぼす。
「そもそもあの子保護したのが私の兄で、しかも側に姫様が居たわけですが。2人の匂いが貴方様から感じられたのではないでしょうか。」
「ジョシュア・・・お前、やはりジョーンズの弟だな。」
西王がため息をつく。
「今更何を。」
ジョシュアが乾いた笑いをする。
「で、遊びに来た訳だはなさそうだが?親友よ?」
東王が突っ込む。
*
「え?ステラが?」
東王が驚きの声をあげる。
「そうなんだ。今までにあんな様子はなかった。とにかくフォリーが屋敷か城の、どこに居るのかわからないとなると、不安がって姿を探す。妊娠中だから心が不安定なのはわかるが、それだけじゃなさそうだ。妊娠中でも教鞭に立つと言っていたが、あの様子では休みが終わっても学校に向かわせずしばらくは休ませて、代理の講師を頼もうと思う。」
「フォリーは?」
「母親の様子に少し驚いてる。もっともフォリーも泣きたしたりして落ち着かないからこいつも休ませる。その間は家庭教師を呼ぶ。アレックスは?」
「あいつは・・・いや、あいつも残念ながら休ませる予定。目を覚ましたら自宅に戻っていた事実に一瞬固まっていたが、フォリーの事が気になったようで、“西の屋敷に戻る”と言い出して、とりあえずディランが説教して抑え込んだ。自分のことを解決してからにしろ!って怒られてたよ。どのみち学校休ませるから、あいつのフォリーと一緒に登校計画は延期だな。何で今更一緒に登校なのか知らんが。こっちも家庭教師依頼だな。」
*
「フォリーの様子はどうなの?」
王妃の質問に侍女のジュリエッタが答える。
「ソファーで泣きながら目を覚まされ、側にいたジョーンズが自室に戻るよう声をかけ、付き添い、今ハーブティーを飲ませてるようです。」
「そう。自室にいるのね。」
ステラは娘の部屋に向かった。
ステラが部屋に入ると、フォリーが確かにジョーンズとお茶をしていた。
「お母様?どうかされましたか?」
フォリーが母親に質問すると、ステラは娘の側に寄り、そっと抱きしめる。
「お母様?」
ステラは娘の頬に手を添える。
「涙を思い出したお嬢さん、側にお母様がいるからね?勿論お父様もお兄様も。他の皆も。」
「はい。わかってます。大丈夫ですよ、お母様。見ての通り、私は人形みたいにはなってません。」
やたらと不安がる母親に娘は優しく微笑む。ステラは再度娘を抱きしめる。その手が僅かに震えている。
ステラが話す。
「あなたのお母様は心配症になってしまったようだわ。フォリーはここに居るのに、何を不安になっているのか、フォリーもお母様にびっくりよね。」
ステラが退室すると、ジョーンズがフォリーに声をかけ、ステラの後を追う。
「奥方様、どうなさったのです?まるで監視してるかのようにフォリー様の所在を何度も確認して。」
「ジョーンズ・・・あの子、いきなり居なくなったりしないわよね?ルーカスも、テオも、ディランもアレックスも。フォリーは大丈夫よね?」
ジョーンズは大丈夫と声をかけたものの、妊娠による不安定さだけではなさそうなその様子に、首を傾けるのであった。
一方のアレックスもまた、ある意味監視されていた。急に戻った多い魔力が時折暴発する。この瞳特有の幼い頃と違い、周囲から受ける刺激には普通に対応できるのだが、力の感覚が上手く掴めず、同等の魔力量かそれ以上の者が付き添い、抑え込む形になっていた。必然的に役目は父親と兄に。これが予測できたからこそ、気絶してる間に東へ連れ戻したのであった。
喜びがティラード国に広がる中、王子達の姿をみかける者はなく、何かあって、2王家が慎重になっていることは皆容易に想像できた。
*
「やっほー、カイルス。」
東の屋敷にアーバスが訪れた。
「やっほー・・・って、いやいやいや、お前どうしたの?顔が泣きそうだけど?フォリーはどうなんだ?」
東王の書斎に連れてきたジョシュアが説明をする。
「西のお館様、先程到着されていたようなのですが、モーセの子が気がついて、服をクチバシで引っ張って、甘えていたようです。」
「甘えてたって・・・・・いくら幼鳥とはいえ、あの馬鹿力。俺が困る。」
西王が愚痴をこぼす。
「そもそもあの子保護したのが私の兄で、しかも側に姫様が居たわけですが。2人の匂いが貴方様から感じられたのではないでしょうか。」
「ジョシュア・・・お前、やはりジョーンズの弟だな。」
西王がため息をつく。
「今更何を。」
ジョシュアが乾いた笑いをする。
「で、遊びに来た訳だはなさそうだが?親友よ?」
東王が突っ込む。
*
「え?ステラが?」
東王が驚きの声をあげる。
「そうなんだ。今までにあんな様子はなかった。とにかくフォリーが屋敷か城の、どこに居るのかわからないとなると、不安がって姿を探す。妊娠中だから心が不安定なのはわかるが、それだけじゃなさそうだ。妊娠中でも教鞭に立つと言っていたが、あの様子では休みが終わっても学校に向かわせずしばらくは休ませて、代理の講師を頼もうと思う。」
「フォリーは?」
「母親の様子に少し驚いてる。もっともフォリーも泣きたしたりして落ち着かないからこいつも休ませる。その間は家庭教師を呼ぶ。アレックスは?」
「あいつは・・・いや、あいつも残念ながら休ませる予定。目を覚ましたら自宅に戻っていた事実に一瞬固まっていたが、フォリーの事が気になったようで、“西の屋敷に戻る”と言い出して、とりあえずディランが説教して抑え込んだ。自分のことを解決してからにしろ!って怒られてたよ。どのみち学校休ませるから、あいつのフォリーと一緒に登校計画は延期だな。何で今更一緒に登校なのか知らんが。こっちも家庭教師依頼だな。」
*
「フォリーの様子はどうなの?」
王妃の質問に侍女のジュリエッタが答える。
「ソファーで泣きながら目を覚まされ、側にいたジョーンズが自室に戻るよう声をかけ、付き添い、今ハーブティーを飲ませてるようです。」
「そう。自室にいるのね。」
ステラは娘の部屋に向かった。
ステラが部屋に入ると、フォリーが確かにジョーンズとお茶をしていた。
「お母様?どうかされましたか?」
フォリーが母親に質問すると、ステラは娘の側に寄り、そっと抱きしめる。
「お母様?」
ステラは娘の頬に手を添える。
「涙を思い出したお嬢さん、側にお母様がいるからね?勿論お父様もお兄様も。他の皆も。」
「はい。わかってます。大丈夫ですよ、お母様。見ての通り、私は人形みたいにはなってません。」
やたらと不安がる母親に娘は優しく微笑む。ステラは再度娘を抱きしめる。その手が僅かに震えている。
ステラが話す。
「あなたのお母様は心配症になってしまったようだわ。フォリーはここに居るのに、何を不安になっているのか、フォリーもお母様にびっくりよね。」
ステラが退室すると、ジョーンズがフォリーに声をかけ、ステラの後を追う。
「奥方様、どうなさったのです?まるで監視してるかのようにフォリー様の所在を何度も確認して。」
「ジョーンズ・・・あの子、いきなり居なくなったりしないわよね?ルーカスも、テオも、ディランもアレックスも。フォリーは大丈夫よね?」
ジョーンズは大丈夫と声をかけたものの、妊娠による不安定さだけではなさそうなその様子に、首を傾けるのであった。
一方のアレックスもまた、ある意味監視されていた。急に戻った多い魔力が時折暴発する。この瞳特有の幼い頃と違い、周囲から受ける刺激には普通に対応できるのだが、力の感覚が上手く掴めず、同等の魔力量かそれ以上の者が付き添い、抑え込む形になっていた。必然的に役目は父親と兄に。これが予測できたからこそ、気絶してる間に東へ連れ戻したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる