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第五章 闇の胎動と2つの王家
生かされた者
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フォリーは再度深呼吸をした後、アレックスとルーカスから離れ、セステオの側へ向かう。
そしてセステオに緑石をみせた。
緑石が話した言葉を信じて、セステオの様子をみる。
「綺麗な石ですね。それにこの綠色、僕の片目に似た色ですね。」
面白そうな表情のセステオ。
今のところは変わった様子はないことが確認できて、フォリーは少しホッとした。
「貴方が閉じ込められていたクリスタルとこの石は繋がってるの。人で言うならばあのクリスタルの子供か孫みたいなものよ。この石は石として生まれる前から姉様達のところに居たの。だからセステオから見たら弟みたいなものかもしれない。この石は私達を家族と思ってくれてるから。」
『思っているではなくて家族だもん。』
緑石が呟いた。
「姉様、この間会いに行った時聞こえた声に似ています。」
『それは僕じゃない。』
緑石が答える。その否定にフォリーはやはりあの日にセステオが聞いた声は魔塔の緑石だと再認識する。
あの日のようにフォリーの表情が固まったことに、セステオが気付く。
「姉様?ごめんなさい。僕、変なこと言いました?姉様、僕を嫌いにならないで!」
フォリーは驚く。そして大事な弟を傷つけていた事に目を向けた。
「セステオ、心配させてごめんなさい。セステオのことは大好きよ。姉様が悪いの。」
優しく嘘のない笑顔を浮かべ、セステオを抱きしめる。
「悪い?」
アレックスが呟く。
「悪いって何のことだ、フォリー?」
ルーカスが突っ込む。
「え?そう言われてみれば何だろう?」
フォリーが困った顔になる。
「きっと、私の態度がセステオを不安にさせたからって思ったところから出てきた言葉・・かな?」
そこへ扉をコンコンと鳴らす音がし、コミヒが入ってきた。
「コミヒ様・・・。」
フォリーがコミヒの姿をみてセステオから離れ、不安気にルーカスに視線を向ける。
「フォリー、先程コミヒ様に確認した。黒いモヤは始祖の霊廟の辺りから出ている。そして黒いモヤはごく僅かに、お前の中に隠れている。」
ルーカスが説明を始める。
「え?だってファイアルで私が浄化させた・・・。」
「確かに。今お前の中にいるモヤはもっと以前に入り込み、ずっと眠っていたと思われる。何より、ここ数日突然気配を感じるようになったが、あのモヤと非常に似ている。いや、一部と考えたほうが自然だ。」
「でも、私の体に入っているのならば何故私は感知できてないの?」
「先ずはずっと気配消して眠り続けていたことと、ファイアルのモヤと違って非常に上手く隠れている。お前の心の『闇』の中に。」
「そうか。ルーカスの暁の力か。」
ディランが声に出す。
コミヒがフォリーの顔を覗き込む。
「コミヒ様?」
「フォリー、黒いモヤと対峙する前にやはり確認したほうがいいと私は思ってることがあるの。貴方の心の奥にしまい込まれているもの。それが貴方の心の闇を刺激してると思えるから。」
「心の奥に?」
フォリーは動悸を自覚する。
何故こんなに緊張しているのか。
「セステオの過去視をしてみたわ。そうしたら貴方の事で視えた場面があるの。」
「私の事?」
コミヒは両手でそっとフォリーの顔を包み込む。
「フォリー、一人で絶望しないで。絶望を抱えないで。」
「コ・・ミヒ・・様?何故そんな悲しいお顔を? 絶望?」
「私に視えたもの。そしてセステオが思い出していたもの。それは貴方の表情。幼い女の子の絶望した表情。そしてあなたはこう叫んでいたの。
そんなの、信じない、信じないもん
って。貴方が叫んでいたのよ。」
フォリーは聞かされた内容に呆気にとられた。
だが、同時に心の中の開かずの間が開き始めていた。
“悪いけどその子はどのみちあと数日で死ぬ。残念だったな。”
それは誰が言った言葉だった?
“嘘だ!”
そう言い返したのは誰?
“ごめんね、僕もそれは否定できない。でも諦めないで。”
これは誰の言葉?
そしてその子は誰のことだった?
死ぬと言ったのはあの悪い人
嘘だとすぐに言い返したのは・・・私
否定してくれなかったのはあの石。
そして・・・数日で死ぬという子と
は・・・・・
自分を心配そうに近くで見つめていたオッドアイのあの子に、両目がブルーだった小さなあの子の姿が重なった。
テオは・・・生かされた。
そしてセステオに緑石をみせた。
緑石が話した言葉を信じて、セステオの様子をみる。
「綺麗な石ですね。それにこの綠色、僕の片目に似た色ですね。」
面白そうな表情のセステオ。
今のところは変わった様子はないことが確認できて、フォリーは少しホッとした。
「貴方が閉じ込められていたクリスタルとこの石は繋がってるの。人で言うならばあのクリスタルの子供か孫みたいなものよ。この石は石として生まれる前から姉様達のところに居たの。だからセステオから見たら弟みたいなものかもしれない。この石は私達を家族と思ってくれてるから。」
『思っているではなくて家族だもん。』
緑石が呟いた。
「姉様、この間会いに行った時聞こえた声に似ています。」
『それは僕じゃない。』
緑石が答える。その否定にフォリーはやはりあの日にセステオが聞いた声は魔塔の緑石だと再認識する。
あの日のようにフォリーの表情が固まったことに、セステオが気付く。
「姉様?ごめんなさい。僕、変なこと言いました?姉様、僕を嫌いにならないで!」
フォリーは驚く。そして大事な弟を傷つけていた事に目を向けた。
「セステオ、心配させてごめんなさい。セステオのことは大好きよ。姉様が悪いの。」
優しく嘘のない笑顔を浮かべ、セステオを抱きしめる。
「悪い?」
アレックスが呟く。
「悪いって何のことだ、フォリー?」
ルーカスが突っ込む。
「え?そう言われてみれば何だろう?」
フォリーが困った顔になる。
「きっと、私の態度がセステオを不安にさせたからって思ったところから出てきた言葉・・かな?」
そこへ扉をコンコンと鳴らす音がし、コミヒが入ってきた。
「コミヒ様・・・。」
フォリーがコミヒの姿をみてセステオから離れ、不安気にルーカスに視線を向ける。
「フォリー、先程コミヒ様に確認した。黒いモヤは始祖の霊廟の辺りから出ている。そして黒いモヤはごく僅かに、お前の中に隠れている。」
ルーカスが説明を始める。
「え?だってファイアルで私が浄化させた・・・。」
「確かに。今お前の中にいるモヤはもっと以前に入り込み、ずっと眠っていたと思われる。何より、ここ数日突然気配を感じるようになったが、あのモヤと非常に似ている。いや、一部と考えたほうが自然だ。」
「でも、私の体に入っているのならば何故私は感知できてないの?」
「先ずはずっと気配消して眠り続けていたことと、ファイアルのモヤと違って非常に上手く隠れている。お前の心の『闇』の中に。」
「そうか。ルーカスの暁の力か。」
ディランが声に出す。
コミヒがフォリーの顔を覗き込む。
「コミヒ様?」
「フォリー、黒いモヤと対峙する前にやはり確認したほうがいいと私は思ってることがあるの。貴方の心の奥にしまい込まれているもの。それが貴方の心の闇を刺激してると思えるから。」
「心の奥に?」
フォリーは動悸を自覚する。
何故こんなに緊張しているのか。
「セステオの過去視をしてみたわ。そうしたら貴方の事で視えた場面があるの。」
「私の事?」
コミヒは両手でそっとフォリーの顔を包み込む。
「フォリー、一人で絶望しないで。絶望を抱えないで。」
「コ・・ミヒ・・様?何故そんな悲しいお顔を? 絶望?」
「私に視えたもの。そしてセステオが思い出していたもの。それは貴方の表情。幼い女の子の絶望した表情。そしてあなたはこう叫んでいたの。
そんなの、信じない、信じないもん
って。貴方が叫んでいたのよ。」
フォリーは聞かされた内容に呆気にとられた。
だが、同時に心の中の開かずの間が開き始めていた。
“悪いけどその子はどのみちあと数日で死ぬ。残念だったな。”
それは誰が言った言葉だった?
“嘘だ!”
そう言い返したのは誰?
“ごめんね、僕もそれは否定できない。でも諦めないで。”
これは誰の言葉?
そしてその子は誰のことだった?
死ぬと言ったのはあの悪い人
嘘だとすぐに言い返したのは・・・私
否定してくれなかったのはあの石。
そして・・・数日で死ぬという子と
は・・・・・
自分を心配そうに近くで見つめていたオッドアイのあの子に、両目がブルーだった小さなあの子の姿が重なった。
テオは・・・生かされた。
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