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最愛の夫だった義理の兄に再び溺愛される 11*

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高校の卒業式を終えて、父さんと母さんからお祝いされて。その後オレは羅漢の部屋に行った。せっかくだから高校の制服を着ながら。
「卒業おめでとう。」
「うん。ありがと。それで、今日最後だから。制服でしたいなって。」
そう言って、オレから誘ったんだ。羅漢も制服のオレを抱くのは興奮するって言ってくれた。
「ふ、ふ……。」
ジャケットを、カッターシャツを脱がしてく手。全部脱がさないで半分着たままなのも、すごく興奮した。
声を我慢して隣の人に聞こえないようにしてたからスゴい興奮したのを、今でも覚えてる。すごく欲しがってくれた羅漢の顔も、手も。
「んぅ……。」
やっぱり予想はしてたけど5日も我慢は出来なかった。
羅漢に抱いてもらえないまま5日も過ごすとかムリ。そろそろかなってスマホ見たらビデオ通話の着信が鳴った。
もちろん相手は羅漢だった。息を荒くしながらスマホを手にして
「ら、羅漢……。」
「してた?そろそろかなって思ってたから。」
「は、は……。うん……。」
見てくれる?って言ったら羅漢に見えるように下半身に、アナルの方にスマホを持っていく。
「うん、ヒクヒクしてるの。よく見える。」
「う、ん。羅漢に弄ってほしいけど。我慢してるの。」
「そっか。見てたら興奮してきた。」
見ててくれない?って聞こえて。ドロドロになった指をアナルに入れたらスマホの画面を見る。
「ぁ……。」
すごい大きい。これ、これを入れて欲しい。しゃぶりたい。しゃぶりたいって思ってたらスマホの画面に映る羅漢のチンポを舐めてた。
『あ、なんか。羅漢のチンポの味がしてくるみたい。』
興奮してきて指の出し入れも前立腺を押し潰す動きも激しくなってきた。
「ん、ぅむ……。」
早く会いたい。今日は水曜日。やっと1週間の折り返しになった。早く会って抱き締めてほしい。キスだってしてほしいし、したい。何より羅漢の熱を感じてたい。
ビデオ通話の終わる時には羅漢は何時だって。
「アイン、愛してる。」
「……。オレ、も。大好き……。」
早く会いたいって言わない。だって。5日ぶりに会えて羅漢はオレに早く会いたいって思ってたって言ってくれたから。

今日も実習を終わらせ、待ちに待った夕飯の時間になり食堂に集まる。基本的にどの専攻の生徒も一緒に食べて良いし喋っていい。しかしそのルールが許されるのは同期だけで先輩と食べていいわけではない。
「え、アインの彼氏ってこのイケメンなの!?」
「やば!カッコいい~!」
「でしょ?」
やっぱり羅漢って女子からしたらイケメンなんだよな。こんなイケメンと付き合ってるっていいなって言われる。
まあ、でも。ホントは義理の兄なのは隠してるけどね。
「ねえ、アイン。ちょっといい?」
「なに?」
話しかけてきたのは農産専攻の同期の女子でアインの友達だ。何か迷っていたが彼女はアインに
「うん。ちょっと言いにくい事があるんだけど。言っておこうって。なんかアインを睨んでる女がいたのよ。」
「え?女が?」
「うん、この子なんだけど。見覚えある?」
そう言って見せてくれたのは確かに誰かを睨んだ顔した女の写真だった。だけど思い返してみてもアインには見覚えなんて無いし、心当たりも無い。しかし他の女子たちだけでなく他の男子も
「あ、この女見覚えあるわ。」
「俺も。なんか何時もアインを睨んでるんだよな。」
「あたしも。もしかしてアインのストーカーじゃない?ほら、今のストーカーってさ。心当たりとか見覚えなくても付きまとわれる事あるじゃん!」
「や、そうなのかなあ。まだそうだって決め付けるのは早いよ。」
そう言ってみんなを宥めていたら二年生の1人が夕飯の乗ったトレーを持って近寄った。
「みんなどうしたの?なんかストーカーって聞こえたんだけど。」
「あ!愛桜先輩!この女!アインをストーカーしてるんですよ!」
坏麻愛桜はアインたち野菜専攻の二年生で、後輩であるアインたちや同期に優しく面倒見の良い性格している。しかし彼女の家は農家ではない。ある旧家の出身で、親の決められた人生を歩かせられることに、家の決まりを守るなんてまっぴらゴメンだった愛桜は。農業するためこの大学に入学しているのだ。
「アイン君を?画像ある?」
「はい!この女なんです!見たのは別の子でしたけど今日だって睨んでたんですよ。」
「そう。ちょっと恐いわね。見せてもらうね。嘘でしょ、なんで仁奈が。」
え?ってみんな思った。欠片も接点が無さそうな愛桜がアインを睨んでた女を知ってたのだ。
「聞きたいけど、この子が間違いなくアイン君を睨んでたの?」
「は、はい。ここにいる私たちとは言ってもアイン以外はみんな見てるんです。」
「ていうか、先輩。このストーカー女を知ってるんですか?」
「知ってるもなにも。この子、仁奈って言うの。私の双子の妹よ。」
これにはアインたちは驚きだ。顔そのものが似てないし、アインを睨む女が面倒見の良くて優しい愛桜と血縁者とは思えないのだ。
「え、けど顔似てない……。」
「あたしたちは二卵性の双子だから似てないのよ。後で、道楽室に来てくれないかしら。仁奈の事もあたしの事も話すから。」
それで夕食を食べたら愛桜の言った道楽室へ。どういう事なのか聞いたら。
「先ずはアイン君、本当にごめんなさい。妹が迷惑かけて。」
「いえ、そんな。あの、いきなりですみませんけどこの子は?」
「見えないでしょうけど。あたしもこの子も。旧家の娘なのよ。あたしは元旧家だけど。」
「「「「ええ!?」」」」
「まあ驚くわよね。坏麻家を知ってるかしら。」
「あ!色んな大企業を経営してるすごい家ですよね。ていうか、先輩の家そんなすごい家なんですか?」
「そうね。けど表向きいくつもの大企業を経営してるすごい名家って言われてはいるけど。仁奈は昔からお父さんとお母さんから。ううん、親だけでなくて親戚たちからも甘やかされたわ。だから性格がすごく悪くて。私から見てもすごいワガママで自己中で傲慢な子になったわ。親も親でお姉ちゃんだから仁奈に譲れだの、あたしは長女だからこの会社に勤めろって言うものだから。もうイヤになったのよ。だから私はこの大学に進学したわ。まあこの大学に進学したおかげで勘当してくれたから精々してるわ。アイン君、もしかして。仁奈があなたを睨んでたのは。仁奈が欲しがってる物、例えば彼氏をアイン君が持ってるからだと思うわ。仁奈は昔から男遊びも派手だったから。」
それで先輩からストーカー女こと仁奈の事を詳しく聞いた。
名家で旧家育ちの仁奈は悪い意味で箱入り娘らしく育ち。傲慢で高飛車で自己中でなんでも金で解決させる、金があれば何でも出来ると思ってる常識知らずらしい。そして親が偉いから旧家の娘の自分も偉いと思い込んでる。
そして思い込みが激しく、一度欲しいと思ったら物もそうだが男も手に入れないと気が済まないらしい。
「きっとあの子は探偵雇って恋人のなのを突き止めたのよ。ホント、お父さんもお母さんも一体何してるのよ。とにかく、仁奈は近いうちにアイン君。あなたに接触すると思うわ。その時は気を付けて。私も仁奈を見かけたらあの子に話をするし、何なら通報するって忠告だってするから。」
通報すると聞いたアインは慌てて。
「そんな、通報とかそんな大事にしなくても。オレに何か言ってきたとかしてないんですし。」
「アイン君、甘いわ。」
「え?」
「と言うと?」
「仁奈は。姉のあたしが言うのもなんだけど。金で何でも解決する、無かったことにさせるつもりなの。親だってそうよ。仁奈には甘いから仁奈が無かったことにしてと頼んだらそうする可能性は全く無いと言いきれないの。こんな家族がイヤだから私は家を出たのよ。とにかく用心して。それに考えてみて。本当に心当たりは無いのか。自分ではなくて他の人で。」
他の人という言葉でアインは小さくまさかと呟いた。それと同時に
「いや、まさか……。そんな、事。」
きっと否定してくれると思ったアインは。羅漢に電話した。
「ねえ、羅漢……。」
「ん?アイン、どうしたんだ?」
「うん。ねえ。」
《坏麻仁奈さんって女の人、羅漢は知ってる?》
電話の向こうで羅漢が息を飲んだ声が聞こえて。
「あいつ、アインに何かしたのか?」
そう答えた。ああ、やっぱり。羅漢だと思ったんだ。女に付きまとわれた過去。そして羅漢の恋人である自分を睨んでた事実に。心当たりは1つしか無かった。
「ううん、その人から睨まれただけ。ねえ、羅漢。その人とどんな関係だったの?その人ともしたの?」
そう聞いたら羅漢は仕事終わったら行くからと言った。
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