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【第二章】私の、悪夢
第69話 せんせいへ、ほんとうを打ち明ける
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どうにもこうにも意味が分からなかったり、ヨスタナ師がいまいち納得していないし、私も、あたしなレニーナとレニーナな私の事情を伝えなければならない。
「ふーむ…ここまでカオスになるとは思っていなかったので、まとめます」と私は言う。
「せんせい、本当にリィズは主神フェンリィズです。いちおう、こんなのでも」と、簡潔に説明し、「酷くない!?」というリィズの声は無視し、今度は私は、私の顔を手で指さして言った。
「わたしは、レニーナです。でも、レオンという異世界での人生の前世の記憶を持って、レニーナに産まれました」と、さすがに「異世界モノにハマった女神にトラックでひき殺されて転生させられました」とは言わずに簡潔に説明する。
「それで、これから話すのが、『レニーナ』、わたしもレニーナなのですが、彼女もレニーナで、あのスタンピードが起きたとき、わたしの中に生まれた、別の人格です。それじゃ、ばとんたっち」と、私はバトンタッチすると、「急にこっちに振らないでよ!?」と焦る声を出すが無視する。
「え、え!?もうあたし出てる!?あっ、フェブリカ先生、そのあたしはレニーナです、レオンのレニーナもあるのですけど、うぅ、こんな状態なの、なんて説明したらいいか、わからないよぉ…」
あたしが顔を真っ赤にして、あわあわしていると、(なら私が変わるかね?)とレオンが言い、あたしはぶんぶんと頭を横に振って必死に早口気味にフェブリカ先生に向かって言う。
「と、とにかく、村の事件から、ずっと本当にフェブリカ先生にはずっとずっと助けて頂いていました!本当にありがとうございます!ずっと感謝していました!すごく尊敬しています!」とあたしは頭を深く下げてお礼の気持ちが伝わって欲しいと伝えた。
(それじゃ、バトンを返してもらうぞ)(うん、もういいよ!)とバトンタッチをし、ヨスタナ師の方を見てみる。
ヨスタナ師はというと、ぽけーー、そういう、魂が抜けたような、現実逃避しているような、脳の現実を受け入れるキャパシティがオーバーして思考の処理できてないような、なんともちょっと間の抜けた表情をしている。ふむ、これは仕方ない。
「せんせい、ちょっとかがんで?」というと、ぽーっとしながら反射的にヨスタナ師がかがんだので、げんこつをする。がつん。
「あ痛ぁ?!ちょ、ちょっと、レニーナ君っ!きみっ、本当にレニーナ君なのかい!?」
と、信じられないというような目を向けてくる。まあ、それはそうか。猫を被ってないし。
「いろいろ、せんせいが知らなかった事がたくさんあって、今、せんせいは、頭がいっぱいいっぱいだと思います。でも、わたしは、先生にはすべてを知っておいて欲しい、と思いました。いままでないしょにしていてごめんなさい」と私は頭を深く下げる。騙していた事には違いないのだから。
「それは……嬉しいよ、内緒を打ち明けてくれて、僕を信じてくれて、全てを話してくれたんだね、ありがとう」と弱々しいが戸惑いながらも嬉しそうに微笑んだ。
「ただ……しかし、そんなことがあり得るのかい…?いや、もちろん、君が、君たちが嘘をつくような人間でないのは知ってる。単に、頭がついていかないんだ。リィズ君が…あ、いや、こう、今まで話していたリィズ君がフェンリィズ様で、レニーナ君の中に、ふたりの『レニーナ君』と『レニーナちゃん』がいる、と言われてすぐ理解できるほど、僕ぁ頭が良くなくてね…」と戸惑った顔をしている。無理もない。
「ふむ、リィズ、なにかよい手はないかね?神の力できせきをおこす、と言うのも手だが…」と私が言うと、なにやら現れてからあたふたしてたリィズはやっと落ち着いたらしい。
「そ、そうね…それじゃ、まず、空間を移動しない?そうすれば、貴女たち二人の姿を、2人の擬似的な身体に宿して、ややっこしいことはないでしょうし、空間移動できるのを見たら、私が神だとは思ってくれるんじゃないかしら」と、確かに手だと思う案を言う。
「それじゃそれでおねがいする。リィズ、たのむ」と私がいうと、リィズはヨスタナ師に、「ええっと…フェブリカ、さん?まあ、先生でいいわね!先生、手を繋いでくれる?」という。
「はぁ、手ですか、これでいいですかね?」とヨスタナ師は何だか反射敵に手を差し出すと、リィズがその手を繋ぎ、私もその輪に入る。鏡が再び目が眩むまばゆさを放ち全ての色を消し去ったかと思うと、白い空間へと出た。
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「ふーむ…ここまでカオスになるとは思っていなかったので、まとめます」と私は言う。
「せんせい、本当にリィズは主神フェンリィズです。いちおう、こんなのでも」と、簡潔に説明し、「酷くない!?」というリィズの声は無視し、今度は私は、私の顔を手で指さして言った。
「わたしは、レニーナです。でも、レオンという異世界での人生の前世の記憶を持って、レニーナに産まれました」と、さすがに「異世界モノにハマった女神にトラックでひき殺されて転生させられました」とは言わずに簡潔に説明する。
「それで、これから話すのが、『レニーナ』、わたしもレニーナなのですが、彼女もレニーナで、あのスタンピードが起きたとき、わたしの中に生まれた、別の人格です。それじゃ、ばとんたっち」と、私はバトンタッチすると、「急にこっちに振らないでよ!?」と焦る声を出すが無視する。
「え、え!?もうあたし出てる!?あっ、フェブリカ先生、そのあたしはレニーナです、レオンのレニーナもあるのですけど、うぅ、こんな状態なの、なんて説明したらいいか、わからないよぉ…」
あたしが顔を真っ赤にして、あわあわしていると、(なら私が変わるかね?)とレオンが言い、あたしはぶんぶんと頭を横に振って必死に早口気味にフェブリカ先生に向かって言う。
「と、とにかく、村の事件から、ずっと本当にフェブリカ先生にはずっとずっと助けて頂いていました!本当にありがとうございます!ずっと感謝していました!すごく尊敬しています!」とあたしは頭を深く下げてお礼の気持ちが伝わって欲しいと伝えた。
(それじゃ、バトンを返してもらうぞ)(うん、もういいよ!)とバトンタッチをし、ヨスタナ師の方を見てみる。
ヨスタナ師はというと、ぽけーー、そういう、魂が抜けたような、現実逃避しているような、脳の現実を受け入れるキャパシティがオーバーして思考の処理できてないような、なんともちょっと間の抜けた表情をしている。ふむ、これは仕方ない。
「せんせい、ちょっとかがんで?」というと、ぽーっとしながら反射的にヨスタナ師がかがんだので、げんこつをする。がつん。
「あ痛ぁ?!ちょ、ちょっと、レニーナ君っ!きみっ、本当にレニーナ君なのかい!?」
と、信じられないというような目を向けてくる。まあ、それはそうか。猫を被ってないし。
「いろいろ、せんせいが知らなかった事がたくさんあって、今、せんせいは、頭がいっぱいいっぱいだと思います。でも、わたしは、先生にはすべてを知っておいて欲しい、と思いました。いままでないしょにしていてごめんなさい」と私は頭を深く下げる。騙していた事には違いないのだから。
「それは……嬉しいよ、内緒を打ち明けてくれて、僕を信じてくれて、全てを話してくれたんだね、ありがとう」と弱々しいが戸惑いながらも嬉しそうに微笑んだ。
「ただ……しかし、そんなことがあり得るのかい…?いや、もちろん、君が、君たちが嘘をつくような人間でないのは知ってる。単に、頭がついていかないんだ。リィズ君が…あ、いや、こう、今まで話していたリィズ君がフェンリィズ様で、レニーナ君の中に、ふたりの『レニーナ君』と『レニーナちゃん』がいる、と言われてすぐ理解できるほど、僕ぁ頭が良くなくてね…」と戸惑った顔をしている。無理もない。
「ふむ、リィズ、なにかよい手はないかね?神の力できせきをおこす、と言うのも手だが…」と私が言うと、なにやら現れてからあたふたしてたリィズはやっと落ち着いたらしい。
「そ、そうね…それじゃ、まず、空間を移動しない?そうすれば、貴女たち二人の姿を、2人の擬似的な身体に宿して、ややっこしいことはないでしょうし、空間移動できるのを見たら、私が神だとは思ってくれるんじゃないかしら」と、確かに手だと思う案を言う。
「それじゃそれでおねがいする。リィズ、たのむ」と私がいうと、リィズはヨスタナ師に、「ええっと…フェブリカ、さん?まあ、先生でいいわね!先生、手を繋いでくれる?」という。
「はぁ、手ですか、これでいいですかね?」とヨスタナ師は何だか反射敵に手を差し出すと、リィズがその手を繋ぎ、私もその輪に入る。鏡が再び目が眩むまばゆさを放ち全ての色を消し去ったかと思うと、白い空間へと出た。
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