ラスト・エデン

序章

落日の黄昏 と 若き導師の誕生

 



『こちらで、止めて頂けますでしょうか？』


と、凛とした声音の言があり、


麓の山門に亜梵爺ちゃんの愛車が止まった？


「神祇官殿、上までお送り致します」


亜梵爺ちゃんは、送ろうとしたのだが、


『山門を抜け、御堂に至らないと、儀式に支障をきたしますので、それに付き人も到着した様ですので、警護は必要ありません』


そう言ったか言わないかで、一陣の風と氷柱が立つ


風が止むと翠袴の巫女姿の女性と、氷柱が砕け散ると蒼袴の宮司姿の男性が現れた


『『お待たせ致しました、警護を開始致します』』


亜梵爺ちゃんは、少し吃驚していた


（まさか、このお二人が警護に当たるとは、あの噂はやはり……。）


『玲！狼牙！頼みます！』


先程現れた男女2人が、跪き控えた


『『はッ！』』







神祇官は、こちらの虚空を見つめ、『ふふッ！』と笑い


（亜樹兎くん！覗き見してるわね？いい趣味じゃないわよ？）



 





（え！！、爺ちゃん達にもバレた事もないのに、ますます、気が重いなぁ～～（泣）








ずっと見ていたのが、神祇官には筒抜けだった


（亜樹兎くん、なかなかの逸材かもね、嬉しい誤算だわ）



『ふふッ』


神祇官は女性らしいです


『まだ見てるのかなぁ～～！おイタしたらダメよ』


（ヒャ～～ッ！！）


う～～ん、あの神祇官の女性どこかで見た事があるんだよなぁ～～、ずっと昔……。


何処で見たんだろう？


物心つく前？


産まれた時の記憶？


………………………。


…………。


……。


。










（儀式が終わったら、聞いてみようッと）


さあ、気持ちを切り替えて、観音様に舞を捧げよう！













一方その頃、白兎爺ちゃんは護衛二人の気配を感じていた


（あの子達も来ているのか？、では好物を作っておこうか？


「玲は古典版のクレーム・ド・ブリュレ、狼牙は卵白を使った焼き杏仁豆腐だったかな？」


「そして、あの娘には、チーズケーキ・タルト・レアチーズケーキだね」


どっしりとしたクリーム感のクレーム・ド・ブリュレコレを作ると卵白が余る


そこで、普通は寒天やゼラチンで冷やし固める杏仁豆腐を、アーモンドプリンの様に蒸し焼きにする、焼き杏仁豆腐


杏仁霜に少量の水で溶いて、小鍋で火にかけわらび餅を作る要領で、火を入れつつ練る


モチモチしてきたら、ジャージー牛乳で伸ばしていく、人肌くらいに冷めたら


塩ひとつまみを入れほぐした卵白を入れて混ぜ、加糖練乳で甘さを整える


型に入れて、蒸し焼きにするだけで、杏仁豆腐のブリュレが出来る


牙狼は、コレを５人前をペロリと平らげる




あの娘用のは、


タルトの深さ？高さ？を２倍に作る、直径は20センチ以上


先にチーズケーキを焼き上げ、一晩冷ましてレアチーズケーキを仕込んで完成


最後に生クリームで溶いた、マスカルポーネチーズを薄く伸ばせば、出来上がり


 （ふふッ！たくさん出来ましたね）






 







『あら？いい匂いがするわ？』


（もしかして？緑樹様のスイーツかしら？）


『楽しみだわ～～！』