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Step8 縁切り魔族降臨!? 強制テレパシーで大混乱!
ド直球のツッコミ炸裂
しおりを挟むいつの間に恋仲まで進展したのか、と。
魔王討伐以来、一年半ぶりくらいに会う知人からそんなことを問われるなんて、誰が思うだろうか。
「………」
ジノンに真正面から問われたフィレオトールは、しばし思考停止。
その後―――
「~~~っ!?」
瞬く間に、顔を真っ赤にすることに。
「ええっ!? なんで!? どうして!?」
「どうしてって……あんた、あたしの特殊能力を忘れたわけ?」
「あっ……」
素朴な口調でジノンに言い返されたフィレオトールは、ぎくりと身を強張らせる。
そうでした。
ジノンは、淫魔特有の魅了能力の他に、読心術という特殊能力を持っているんだった。
「あの……えっと……」
どうしよう。
今さら隠し立てすることは無理なのだけど、こうなった経緯を明け透けなく言うこともできないし……
どうにかこの場をやり過ごす言い訳を考えるフィレオトール。
その様子を見ていたジノンが、にんまりと口の端を吊り上げた。
「何よ、あんた。あたしにもなかなか読ませないくらいに心の声を閉ざしてたのは、あいつへの恋心をひた隠しにしてたからだったわけー?」
「ふぇっ!? えええっ!?」
「それなら、貴族の一人息子のくせに庶民を重用していた理由も、婚約者を作らなかった理由も頷けるわー。もしかして、追放されたのもわざと? そのために、バカな皇太子を操作してきたわけ? やっるー♪」
「あうぅ…っ」
「バカ! 違えって!!」
テンパって泣きそうになっているフィレオトールをかばうため、キッチンから飛んで戻ってきたノクスがジノンと相対する。
「この無欲な天然天使が、そんなことを考えるわけねぇだろ!? 傍にいさせてくれってごねたのは、おれの方だ! ついでに言うと、こいつを落としたのもおれだ!! この鈍感な甘え下手に好きだって言わせるのに、告白してから三ヶ月以上もかかったんだからな!?」
「ノクスーっ!? そんなことまで言わなくていいからーっ!!」
自分の代わりに前に出てくれてるのは分かるけど、そのフォローのされ方は自分にもダメージがくる。
「ふーん、そう……」
ノクスに滑ったジノンの瞳が、それはそれは剣呑な光を宿す。
「で? 散々お預け食らわされた反動がそれってわけ? かなり前から煩悩まみれでうるさかったけど、恋仲になったら落ち着くどころか悪化してんじゃないのよ。あんた、どうせフィルのことをくったくたになるまで抱き潰してんでしょ。」
「うぐっ…」
歯に物を着せぬ指摘に、さしものノクスも赤面。
鋼の精神であるはずのノクスでそれだ。
当然、免疫ゼロのフィレオトールが耐えられるはずもなく……
「いやーっ!! それ以上は言わないでーっ!!」
わっと顔を覆ったフィレオトールは、その場にしゃがみ込んで撃沈。
そのまま半泣きでえぐえぐと情けない声をあげ始めた彼に、ジノンは少し意外そうに片眉を上げた。
「何よ、あんた。えげつない場面なんか腐るほど見てきたくせに、実は超がつくくらいのウブだったわけ?」
「だからそうなんだって! フィルほどの可愛い生き物、世界中どこ探したっていないからな!? こんなの、誰だって理性吹っ飛んでベッドに直行になるっての!! はっきり言うが、おれは悪くねぇ!!」
「あんた、恥ずかしげもなく何言ってんのよ。突っ込んだあたしもあたしだけどさ……」
「お願いだから、もう黙ってーっ!!」
甲高い声で叫ぶフィレオトール。
分かった!
分かりました!!
ノクスもノクスでテンパってることは、よーく分かったから!!
「ううぅ……もう、生きてけない……」
「待て待て待て。そりゃ大袈裟だ。」
どんどん縮こまっていくフィレオトールに、ノクスが慌ててフォローを入れる。
「何このでこぼこコンビ。よく上手くいってるわね。……いや。ある意味、これで釣り合いが取れてんのかしら…? まあ、今はいいわ。でさ! せっかくだから、二人が両思いになるまでの経緯を詳しく教えてくれない!?」
久々の恋人たちを目の前に、ジノンの瞳が興奮混じりの輝きに満ちる。
まさにその瞬間―――
「ジノン様ーっ!!」
やや遠くから、ジノンを呼ぶ声が轟いてきた。
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