いじめ

トメ

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いじめの相談

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朝起きると少し風邪気味だった。
しかし、ミズキに相談したかったから学校に行った。
教室に行き自分の机の落書きを見る。
もうこれがいつもの日常になっていた。
いつミズキに相談しようか、そう思っていた。
そもそもミズキに相談して大丈夫なのだろうか、
いじめの標的がミズキになったりしないだろうか
そう考えているとミズキが来た。
いつ話そうか
そう考えていた。
一限目が始まった。
筆箱を開けると昨日のように文房具が全てない。
「ミズキ、ごめんシャーペンかして」
ミズキからシャーペンを借りることにした。
ミズキには迷惑ばかりかけている。
なくなったものはミズキに借りたりしている。
かなり迷惑だろう。
今日事情を話そう。
「ミズキ、放課後ちょっと時間いい?」
「うん、空いてる」
「奢るからカフェに行こう」
「マジ?やった」
これからミズキに迷惑がかからないといいけど。
そう思いながら4時間が過ぎた。
お昼の時間になり私は一人で食べたかったから
屋上に行くことにした。
弁当を開けるとピカピカに光るものが入っていた。
取り出してみると画鋲だった。
このとき初めて殺されると思った。
とりあえず昼ご飯は食欲がなくなったため手をつけなかった。
授業を受け終わり、ミズキとカフェにいった。
「今日は私が奢るから好きなもの食べなよ」
「何食べようかなぁ~」
「特製パフェにしようかなぁ」
「蘭は?」
「私も同じので」
「特製パフェ2つください」
「ねぇミズキ」
「なに?」
「くるみはどんないじめに耐えていたのかな」
「ねぇ最近蘭ちょっと変だよ」
「くるみのことでショックを受けてるのはわかるけど
几帳面な蘭が教科書忘れてくるし、ましてや筆箱はあるのにシャーペンは忘れてくるし、大丈夫?」
「なにかあるなら話してよ」
「それでちょっとでも変わるなら話を聞くよ?」
その言葉を聞いたとき急に涙が出た。
この言葉は小説で見たけどこんなに心に刺さる言葉なのか。
くるみにこの言葉をかけてあげれば少しは救うことができたのだろうか。
この言葉をかけてあげたかった。
「実は私ね」
「いじめられてるの」
「え?」
「初は机に落書きがあっただけなんだけど
次の日から教科書がぐちゃぐちゃにされてたり
筆箱の中身がゴミ箱に捨てられていたり」
「今日は弁当に画鋲が入れられてた」
「ありえない」
「誰がやったの?」
「分からない」
実はわたしは目星はついていたけど言うのやめた。
いじめの標的がミズキに変わるといけないから。
「いじめられて初めてくるみがどんなに辛いことに耐えていたのか
学校に行く恐怖を初めて知った」
「くるみは本当にすごいと思った」
「くるみのことがあったのにまだいじめが起きるのか
しかも今度は蘭が狙われているなんて」
「でも蘭は偉いよ
くるみもだけどきちんと学校に来て普通に授業を受けて」
「でも蘭は私に相談してくれた」
「この言い方はあれだけど1歩前進した」
「私も犯人を探してみる」
「見つけたら私から言ってやる」
「それはやめて」
「なんで?」
「それだと次の標的がミズキになっちゃう」
「それは嫌だけどでも友達がいじめられてるのを
見ているのより
全然いい」
なんていい人なのだろう
それに対して私はくるみに声をかけることもできなかった。
私は泣きながらパフェを食べ、ミズキと一緒に帰った。
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