44 / 161
拗らせすぎる知事予定の夫妻たち(三男除く)
4
「あの、自慰行為とかしないんですか?」
「じ、自慰行為、ですか」
「ええ、自分でしごいたり、」
「ソフィアさん、ちょっと、待ってください!撫子に刺激が強すぎる…」
と言われて撫子さんを見ると、真っ赤な顔で
「ご、ごめんなさい、蘇芳様、私は自慰行為してます…」
とか細い声で言った。
「え!?」
そんな驚くことかな。
「それが普通だと思いますよ。撫子さんは、男性の自慰行為は知ってますか?」
「はい、あの…兄がよく、裸の女性が載っている本をベッドの下に隠してて…たぶん、そういうことに使ってるんだろうと…私も漫画でセックスについて読んだこと、あります…」
…普通に存在してるんじゃん、漫画も雑誌も。蘇芳さんは呆然とした顔だ。
「…蘇芳様は、たぶん、ご興味がなかったのですよね。手軽に買いに行ける立場でもありませんし」
撫子さんの言葉になんとなく納得する。
「あの、蘇芳さん」
「は、はい」
「勃起しないのはいつからですか?」
「え、え、と、…いつだろう?もうずいぶん昔から…朝起きると、下着が汚れていることはありますが、たぶんずいぶん前、です」
「撫子さんを抱きたいと言ったけど、その前に…一年あったわけですけど、撫子さんと裸で過ごしたことあります?」
ふたり揃って真っ赤な顔でブンブンと否定する…これ、勃起以前の問題じゃない?
「あの、さっき撫子さんは自慰行為するって言いましたよね。蘇芳さんに触りたいっては思わないんですか?」
「いえ、あの、…蘇芳様は、そういう、…すみません、私が抱いてるようなイヤらしい気持ちはないのかと思って、それなら、変に触らせていただいても、なんか、自分が虚しくなるかな、って…」
「イヤらしい、って、撫子、」
撫子さんはじっと蘇芳さんを見ると、そっと手を繋いだ。
「私は、蘇芳様とセックスしたい、それはそうですけど、…挿入がすべてではないし、裸で触れあうだけでも良かったんです…その、蘇芳様に、触って欲しかった…、お風呂も、一緒に入ったこと、ないですし…」
「ご、ごめん、撫子、でも…僕ひとりで窮屈なくらいだから、一緒に入れない…。それに、お風呂は裸で入るし…あの、ソフィアさん」
「なんですか?」
「裸になったら、絶対に挿入しなくてはならないわけではないのですか」
「…は?」
「いや、ですから、裸に」
「聞こえました!聞こえましたから、繰り返さないでください!…え?」
裸になったら、絶対に挿入?
「なんで、そんなふうに思ったんですか」
蘇芳さんはまた真っ赤な顔になると、
「裸になる、つまり、相手を抱く、挿入する、ってことですよね…?」
「あの、蘇芳さん、まさかですけど、裸になったら、すぐに自分のモノを撫子さんに挿入しようとしてたんですか?」
今度は蘇芳さんがキョトンとした顔になった。
「え、…違うんですか?」
「違います!蘇芳さんの勃起以前に、撫子さんが濡れないと挿入できませんよ!」
「濡れる…?え、何が濡れるんですか」
「蘇芳さん。さっき言ってた機械のところに私を連れて行ってください」
「え…?」
「早く!」
追いたてるように蘇芳さんを連れてドアから出る。百聞は一見に如かず、漫画が存在するとは言うけど便利な機械があるんだからそこからいろいろ出してやる!
まったく、その腐れババアの歪んだ欲望のために若い世代が大変なことに…!まさか他の兄弟も似たり寄ったりだなんて言わないよね、性に対する知識が…!
先ほど陛下に挨拶した5階にその機械はあった。冷蔵庫のような形で、扉にモニターが付いている。
「ソフィアさん、これが、」
「名前はいいです。どうやって出すんですか」
私の剣幕に怯えたように蘇芳さんは「モニターに電源を入れますね…?」と小さい声で言った。
ブオン、と音がしてモニターが明るくなる。
「この前で、欲しいものを言ってください」
「この扉から、出せる大きさということですね」
コクリ、と頷く蘇芳さんを尻目に、モニターに向かう。
「ティーンズラブの漫画を5冊、なるべく内容が甘いやつ、そのうち1冊はS気味な彼氏の漫画をお願いします」
ゴトリ、と音がして扉が開く。おお、漫画が入ってる。
「…何回くらい続けてできますか?」
「たぶん、制限はないと思いますが…」
「ちなみに蘇芳さん、ビデオデッキってありますか?」
またキョトンとした顔をされたので意志疎通は諦めることにする。
「アダルトビデオとそれを観ることができるモノを一式お願いします。アダルトビデオは、激しすぎない…ドラマ仕立ての、ストーリーがある程度あるものでラブラブでエッチする内容のものにしてください」
またゴトリと音がして扉が開いた。これ…DVDプレーヤーだ、ポータブルの。
「さ、蘇芳さん、戻りましょう」
「は、はい…?」
出してもらったモノを大事に持ってまた部屋に戻る。ドアを開けると、撫子さんがホッとした顔で立ち上がった。
「じ、自慰行為、ですか」
「ええ、自分でしごいたり、」
「ソフィアさん、ちょっと、待ってください!撫子に刺激が強すぎる…」
と言われて撫子さんを見ると、真っ赤な顔で
「ご、ごめんなさい、蘇芳様、私は自慰行為してます…」
とか細い声で言った。
「え!?」
そんな驚くことかな。
「それが普通だと思いますよ。撫子さんは、男性の自慰行為は知ってますか?」
「はい、あの…兄がよく、裸の女性が載っている本をベッドの下に隠してて…たぶん、そういうことに使ってるんだろうと…私も漫画でセックスについて読んだこと、あります…」
…普通に存在してるんじゃん、漫画も雑誌も。蘇芳さんは呆然とした顔だ。
「…蘇芳様は、たぶん、ご興味がなかったのですよね。手軽に買いに行ける立場でもありませんし」
撫子さんの言葉になんとなく納得する。
「あの、蘇芳さん」
「は、はい」
「勃起しないのはいつからですか?」
「え、え、と、…いつだろう?もうずいぶん昔から…朝起きると、下着が汚れていることはありますが、たぶんずいぶん前、です」
「撫子さんを抱きたいと言ったけど、その前に…一年あったわけですけど、撫子さんと裸で過ごしたことあります?」
ふたり揃って真っ赤な顔でブンブンと否定する…これ、勃起以前の問題じゃない?
「あの、さっき撫子さんは自慰行為するって言いましたよね。蘇芳さんに触りたいっては思わないんですか?」
「いえ、あの、…蘇芳様は、そういう、…すみません、私が抱いてるようなイヤらしい気持ちはないのかと思って、それなら、変に触らせていただいても、なんか、自分が虚しくなるかな、って…」
「イヤらしい、って、撫子、」
撫子さんはじっと蘇芳さんを見ると、そっと手を繋いだ。
「私は、蘇芳様とセックスしたい、それはそうですけど、…挿入がすべてではないし、裸で触れあうだけでも良かったんです…その、蘇芳様に、触って欲しかった…、お風呂も、一緒に入ったこと、ないですし…」
「ご、ごめん、撫子、でも…僕ひとりで窮屈なくらいだから、一緒に入れない…。それに、お風呂は裸で入るし…あの、ソフィアさん」
「なんですか?」
「裸になったら、絶対に挿入しなくてはならないわけではないのですか」
「…は?」
「いや、ですから、裸に」
「聞こえました!聞こえましたから、繰り返さないでください!…え?」
裸になったら、絶対に挿入?
「なんで、そんなふうに思ったんですか」
蘇芳さんはまた真っ赤な顔になると、
「裸になる、つまり、相手を抱く、挿入する、ってことですよね…?」
「あの、蘇芳さん、まさかですけど、裸になったら、すぐに自分のモノを撫子さんに挿入しようとしてたんですか?」
今度は蘇芳さんがキョトンとした顔になった。
「え、…違うんですか?」
「違います!蘇芳さんの勃起以前に、撫子さんが濡れないと挿入できませんよ!」
「濡れる…?え、何が濡れるんですか」
「蘇芳さん。さっき言ってた機械のところに私を連れて行ってください」
「え…?」
「早く!」
追いたてるように蘇芳さんを連れてドアから出る。百聞は一見に如かず、漫画が存在するとは言うけど便利な機械があるんだからそこからいろいろ出してやる!
まったく、その腐れババアの歪んだ欲望のために若い世代が大変なことに…!まさか他の兄弟も似たり寄ったりだなんて言わないよね、性に対する知識が…!
先ほど陛下に挨拶した5階にその機械はあった。冷蔵庫のような形で、扉にモニターが付いている。
「ソフィアさん、これが、」
「名前はいいです。どうやって出すんですか」
私の剣幕に怯えたように蘇芳さんは「モニターに電源を入れますね…?」と小さい声で言った。
ブオン、と音がしてモニターが明るくなる。
「この前で、欲しいものを言ってください」
「この扉から、出せる大きさということですね」
コクリ、と頷く蘇芳さんを尻目に、モニターに向かう。
「ティーンズラブの漫画を5冊、なるべく内容が甘いやつ、そのうち1冊はS気味な彼氏の漫画をお願いします」
ゴトリ、と音がして扉が開く。おお、漫画が入ってる。
「…何回くらい続けてできますか?」
「たぶん、制限はないと思いますが…」
「ちなみに蘇芳さん、ビデオデッキってありますか?」
またキョトンとした顔をされたので意志疎通は諦めることにする。
「アダルトビデオとそれを観ることができるモノを一式お願いします。アダルトビデオは、激しすぎない…ドラマ仕立ての、ストーリーがある程度あるものでラブラブでエッチする内容のものにしてください」
またゴトリと音がして扉が開いた。これ…DVDプレーヤーだ、ポータブルの。
「さ、蘇芳さん、戻りましょう」
「は、はい…?」
出してもらったモノを大事に持ってまた部屋に戻る。ドアを開けると、撫子さんがホッとした顔で立ち上がった。
あなたにおすすめの小説
【完結】遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【残り数話を持ちまして3月29日完結!!】
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結】無関心夫の手を離した公爵夫人は、異国の地で運命の香りと出会う
佐原香奈
恋愛
建国祭の夜、冷徹な公爵セドリック・グランチェスターは、妻セレスティーヌを舞踏会に残し、早々に会場を後にした。
それが、必死に縋り付いていた妻が、手を離す決意をさせたとも知らず、夜中まで仕事のことしか考えていなかった。
セドリックが帰宅すると、屋敷に残されていたのは、一通の離縁届と脱ぎ捨てられた絹の靴。そして、彼女が置いていった嗅いだことのない白檀の香りだけだった。
すべてを捨てて貿易都市カリアへ渡った彼女は、名もなき調香師「セレス」として覚醒する。
一方、消えた妻を追うセドリックの手元に届いたのは、かつての冷たい香りとは似て非なる、温かな光を宿した白檀の香水。
「これは、彼女の復讐か、それとも再生か——」
執念に駆られ、見知らぬ地へ降り立った公爵が目にしたのは、異国の貿易王の隣で、誰よりも自由に、見たこともない笑顔で微笑む「他人」となった妻の姿だった。
誤字、修正漏れ教えてくださってありがとうございます!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……