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ハロルドの独白

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エイサンに追い詰められたアデルを守るために、とイーサンからある計画を持ちかけられた。

「ヒル公爵家の成人の祝いを利用します。殿下、セシリア様はでないでください。コンラッド様についてはどちらでもいいですが、たぶんあのボンクラが同行は許さないでしょうから。確実にいけると思います」

そしてあの日。

ジルコニアの手を使って、王宮の馭者に扮した男にアデルを馬車まで誘導させ、密かに隠れ家に入れた。

イーストウェル侯爵夫人には王宮で演技をしてもらい、もっともらしくしたところで、コンラッドとアデルを結ばせた。コンラッドはかなり我慢していたらしく…まぁ、同じ屋根の下どころか自分が言い出したとはいえ、安心させるために同じ布団に寝ているのだから至極当然だろうが…くっきりと情交の跡を残した。何度も中に精を放ったらしく、叔父上に「獣か」と呆れられていたが、当のアデルは嬉しそうだった。

そうして、「乱暴された」アデルは無事婚約を解消し、ヒル家にも、エイサンにも、屈辱を味わわせることができた。コンラッドからも叔父上からもかなり感謝され、…今後も家同士の繋がりは強くなるだろう。

ただひとつ、なんというか…俺はまだセシリアと情を交わせていない。紳士ぶってるうちに、よりによって、あの変態クリストファーにまで先を越された。まぁ、あいつも引き入れることができたし、ホワイト公爵家とも繋がりが出来たわけだが、甚だ悔しいことこのうえない。それとなく匂わせたらシアには完全に流された。

「殿下、同性婚の法律ができるまでは殿下もお預けですよ。俺と殿下は一心同体でしょう。俺がレイノルドを抱けるようになるまでは、ことごとく邪魔しますからね」

…一番の味方が、今後は一番の敵になりそうだ。











【了】
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