サウナ美女

鈴木なお

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サウナと美女

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僕はサウナが大好きだ。

「ふう…。」

額から流れる汗がダラリと身体中を這いずり回り、空気はとてもとても暑い。

バスタオル1枚という無防備な姿でサウナの熱気に裸体をさらしているこの瞬間をたまに変態的と思うことがある。

だけれども、全身から流れ出るこの汗が自分にとっての最大の快感であり幸福に近しい存在なのだ。

正直、会社の連中にはサウナーがいないのでこのサウナ愛を披露することはできない。

きっとサウナの良さはサウナに入ったことがある人しかわからないと思うというのが持論だ。

しかし、周りにサウナーがいないことで抱えることになった少しばかりの寂しさはなんとも言えないものがある。

この寂しいという感情は、元カノと別れた時の寂しさと比べればそんな大したものではない。

ただ、今振り返ってみると僕の元カノというのはあまりサウナというものに興味を示さなかったのだ。

「ねえ、あなたの趣味ってなに?」

付き合っていた時、元カノは僕に何度かそういった質問をした。

僕はその度に「サウナだよ。」と答えていたが、元カノは僕の趣味に一向に興味を示さない。

「ふーん。」とだけ答えて後はずっと真顔になってしまい、彼女の身体中から「私はサウナに興味ありません。」という空気がプンプンしていた。

そんな感じだから僕は元カノに趣味の質問をされる度にだんだんと同じ答えを出しづらくなっていたのだ。

そういうわけで僕は元カノのその質問になにかもっと違う別の答えを出そうと頭を巡らせる期間があった。

しかしながら、どうにもこうにも僕の頭の中に出てくるのはサウナのことばかりだったのだ。

我ながらここまでくると自分のサウナ愛の深さに感心させられていた。

ただ、今思うと、当時の元カノはやけに僕に同じ質問をしていたなと気づかされる。

もしかしたらと思うと、その同じ質問をすることで彼女への興味を測っていたんじゃないかって考えることもあった。

だけれども今はもうそれはわからないことなのだ。

元カノは僕のもとを去り、僕に残ったのは趣味のサウナで流すジットリとした汗くらい。

身体中にべったりとくっついてくる汗は元カノと過ごした日々の思い出のようにずっとある。

元カノとの思い出も汗も美しくて、このように時たま思い出すのだ。

そうやって俺がボーッとサウナの中で過ごしていると、ある1人の女性が僕に近づいてきた。

チラリと視線を向けるとそこにはとても美しいハーフ系の美女がおり、僕はドキドキとさせられる。
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