中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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83 ボディランゲージ

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「僕は女々しいかなと思って」

「何か言われたの」

「うん。YouTube動画を撮影しようと言うから、親に言い難いと答えたけど、そしたらわかってやっているのかと訊かれて、何のことだか……僕はチョコちゃんを煽らないでねって牽制された。お母さんにも言われたっけ」

「ふうん。あちらのお母さんって普通の感覚持ってるのね」

「普通……なにそれ」

「普通の親の感覚よ。あんたは未だ子供なのに大人と同じように身体も自我も大人みたいに育つでしょう。一人前のひとりの人間だとはわかっていても、立場は子供。感覚は大人。危険な感じがするのは当たり前。大人ぶっていても未だ子供っていうのが正当な評価かな。波流、あちらのお母さんにもそう思われたんだと思う」

「僕が仕草とか雰囲気でチョコちゃんを煽っているって」

お母さんは顔を歪めた。

「わははは、あはははは。あんたが仕草でぇ、雰囲気ぃぃ、何処を見てるの。あはははは。女の子の親だから神経質になっているかもよ。波流、気にしないで、堂々といつものように」

お母さん、涙ぐむほど笑うことか……
僕は少し傷ついたけれど、安心もした。

「そうだよね。僕は下心って未だだよ。オオカミににりたくてもなれないから」

「あら、オオカミになりたいわけ」

「いつかはね。もっとちゃんと大人の男になって、自分の人生のコースを決めて、自信がついたらさ」

「ふふ、誰が教えたんだろうね、そういうことを。勝手に訳知りになって……感慨深いわ」

お母さんが腕組みして頷いている。

しかし、腕組みってボディランゲージでは警戒心の現れって言うよな。お母さん、感慨深いって言いながら何を警戒しているのだろう。

僕はやっぱりチョコちゃんママに言われたことが気になる。危険人物みたいに思われたくないんだけどな。そのつもりもないし。

溺愛ごっこが早すぎるのだろうか……

明日はレズビアンごっこをするんだけどな……
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