つまずいたら異世界へ

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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第三章 一日目の昼前 タランの森でゴキホイ食うな

(3)魔法の軍靴(お前、可愛いな)

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「ブルータニアンはまだ生きておるのか」


きゃあぁ、何だかアニメチックな方っ、軍師長様ってぇ青白い細面のぉすらりとした身体つきのぉ針金みたいな足ぃニーハイブーツなのね、よく見ると。どんだけお肉ないのぉ。分けてあげぁたいぃ。百グラム一万円でぇ。五百円でもいいけどぉ。


「生きているけど、くしゃみしてたっけ」


ラーポ、よく覚えてるねぇ。うきゃあ、軍師長様ぁ、すっ、鋭い目付き。軍師長様っ、ドラゴンのくしゃみが何かっ。
そう言えば、くしゃみしてたっけ。


「あやつは鼻炎だ。ドラゴンダンジョンに戻ってブルータニアンのアレルゲンを突き止められるか」


ぎぇぇ……あたしは嫌ですぅ……って、此処もダンジョンでしょ。


「みかんさんがドラゴンからお宝をもらう約束があるので、ちょうど……」

「うぎゃっ。うぎゃにぎゃうぎゃあぁ……」


ラーポぉ……今言うかぁ。行きたくなあぃ。どおせつまんないお宝よぉ。


「何を喚いておる」

「みかんさんは酔ってたからドラゴンの相手ができたけど、此処でお酒がちょっぴり抜けただけですんごくビビりになっちゃって」

「ビビりとは腰抜けのことか。では、酒を浴びせろ。こやつを送り返すのだ」


うぎゃあぁぁこやつってぇ、あたしぃ……送り返せってぇ……えええっ、ドラゴンダンジョンにぃ……ぃ、嫌ぁぁ……ドラゴンってぇぇ元々は草食系じゃないんでしょぉぉいくら青い草を持って行ってもぉぉ。
おっ、思い出したっ。食った人間が保菌者だったとか宣っておりましたぁ。肉食ドラゴンでしょぉ。


「みかんさん、お宝っ。忘れないでお宝もらって来てっ」


ラーポぉ、あんたも行くんでしょぉ。お宝ほしいけどぉ、命からがらなんて嫌ぁ。


「そう言えばブルータニアンの奴、世界一の美少女を話し相手に寄越せと言っていたが、お前、その眼鏡を外してみろ」


えっ。いくらラーポが可愛いくても世界一とはぁ……。いいえ、確かに世界に通じる可愛さですっ。きゃあぁ軍師長様ぁラーポにキスするかと思ったぁラーポったら軍師長様に顎手されちゃってぇ……


「お前、可愛いな」


げっ、あのラーポの目が泳いでいる。
うふふっ……面白い。


「あ、私にはミレビィさんが……」


なにを言うのよフラれたくせに。


「ラーポと言ったか。お前なら私の軍靴も履けるだろう。ドラゴンの血のふり掛かった魔法の軍靴だ。誰もお前に手を出すことはできぬ。敵国リンジャンゲルハルトの間者であろうと、例えドラゴルーンであろうともな」


軍師長様ぁ。ラーポの言い分は見事に無視ですかぁ。あ、しかもしかも、ニーハイお脱ぎになるんですかぁ……ほっそぉぉいおみ足ぃ……
んで、リンジャンゲルハルトって敵国。間者ってスパイのことぉ……
げっ、ラーポぉ。あんた、その学生靴を軍師長様にぃええっあたしが履かせるのぉぉてっ、手渡されてもぉ……


「入ったぁ。ブーツの方からぴったりフィットしてくれた感じ。軽ぅい。身体に羽が生えた気分……おっと」


うぎゃっ。ぶつかって来ないでよぉ。痛いじゃないのさ。ぽっちゃりのあたしを倒すなんて、凄い重さぁ。あんた、ちっとも羽根生えた重さじゃないよぉ。トラクター並みじゃないのぉ。細いのにあり得ない重さよぉ……いたぁいぃ。


「これってチート能力だよね。憧れてたんだぁ。嬉しい。ダンジョンに来て良かったぁ」


うっそぉ。マジかぁ……あんた止めてぐるぐる回るのはちょっと何回転よオリンピック真っ青よぉ。目が回る。ラーポぉ……狂気の沙汰じゃんかぁ。恐るべし中二の感覚ぅ……


「お前の役目はドラゴンダンジョンでポールダンスを踊ることだ。どういう訳かわからんが、ダンスを踊るとダンジョンを崩せるらしい」


えっ……それってあたしの役目じゃないのぉ。軍師長様って作者の意思に反したセリフを言ってもいいのぉ。そこまでの権力を持っているんだぁ。って、ご自分で学生靴を拾って……あたしも助かったのね、ダンジョンでポールダンス天井落下なんさぁ、嫌だもの。


「軍師長様、ポールダンスならポールが必要だけど、有るかどうかもわからないんでしょ、ポール」


だよね、ラーポ。そこなんだよね、問題は。


「猶予は三日しかない。自力で探せ。予言ではダンジョンを支えるポールがあるはずだ。三日目夜にダンジョンを崩し、飛んで来い」


あぎゃぎゃぎゃぁぁ……あたしはどうなるのぉ。あたしぃ草持って行く係だっけ。はっ、軍師長様ぁ立ち上がった……
やっぱりラーポの学生靴は合わないのね。
ぇ……ぇ……そんな目で見ないでぇあたし、女は受け付けないからぁLGBTの『L』じゃないからぁサイズ『4L』だけどぉぽっちゃりサイズなのぉああん、迫らないでぇ色っぽぉいぃちゅうするぅ……本気じゃないけどぉ……お口の中で絡まなければ平気ぃ……
だってぇ……女は受け付けないのぉ……軍師長様ぁ……みかんは権力に従いまあす。


「お前、みかんとか言ったか。もうブルータニアンのアレルゲンなどどうでもよい。計画変更だ」


はっ、そう言えばアレルゲンだっけ……
忘れていたぁ……あはは……


「みかん、お前は必ずブルータニアンのお宝を手に入れろ。直ぐにだ。忘れるな。そしてダンジョンが崩れる前に戻って来い。其れだけでいい」

ぁ、軍師長様ぁ、みかんは女受け付けないけどぉ……


「待っているぞ」


ああん…このまま抱かれてもいい感じぃ……
なのにぃ……


「お前の持ち時間はおそらく1日足らずだ。急げ、みかん」


ひええええ……軍師長ぉ……鬼ぃ……


   


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