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第二十一章
(4)自分の国
しおりを挟む驚くべき報告が帰ってくるとも思わずに、ガーネットはスメタナ教国の宮殿に戻っていた。婢呼眼の元には虹色鱗のパワーで一瞬で行けるが、スメタナに戻るのは時間がかかる。
シノビによってもたらされる鳥の知らせは、シンミョリーゼがノアル付の女帝代理に就いたと言うものだ。
シノビ自身が、シンミョリーゼについてスメタナ教国のしかもガーネット将軍の幼馴染みと知ったのはついぞ一時間ほど前で、エステラの報告によってだった。
(まさかの元女囚がガーネット様の家の者とは……)
エステラはシンミョリーゼに哀れみを覚え、目覚めたシンミョリーゼに女帝に傅くように心を込めて仕えた。
(これが最後ですから……)
「ああ、私は寝ていたのか。エステラ、有り難う。だいぶ楽になった」
「シンミョリーゼ様、先ほど、お国にお会いしたい方がおられると仰ってましたけど、もし、お会いできるとすればどのようなお姿をお見せしたいですか」
「どのような……」
「例えばノアル様とご一緒とか」
「いや、それは……エステラ、さっき、私は何を話したのだ。自分の国は此処だ……」
「お好きな方がいらしたと。ですが、その方は他の方をお選びになって、しかも選ばれた方は死なれたと。それでお慰めもできずに国を出られたのでしょう」
一度だけ、ついうっかりガーネット様の名前を出したかもしれない……まさか、聞かれたか……
「それだけか」
「はい。この肌の色は南国の色。リンジャンゲルハルト帝国内には南国部族は多数おりますので、どちらのお国かはエステラには全くわかりません」
「あははは、エステラ。わからずとも良い」
「ですが、今夜からその方にお会いするつもりでお過ごしになられると宜しいかと……一番良い服でも、好きな香水でも。今を楽しまれることですわ」
「わかった。心しておく。有り難うエステラ。あなたは多分、私の数少ない友達よ」
「畏れ多いことで、ふふ」
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