心を読みたい悪魔たち

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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ヘボ役者には任せられない

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「シェリー」

「「「先輩」」」

 部員たちが長与シェリーに駆け寄る。

(折角のチャンスに尻込みするようなヘボ役者はいらないのだ、シェリー)

 悪霊はシェリーが転倒した横で仁王立ちになって見下ろした。

(いくら見目麗しい造りでスタイルが良くても、震えたりどもったりしても良いようなセリフしか言えないのであれば猿回しの猿の方がまだ芸達者だ)

「なんだかいきなり足が痛んで、ああっ」

 長与は太股を押さえた。激しい痛みがある。ヤコブが天使と格闘したときも、天使はヤコブの太股に触れて、ヤコブは足を引きずって歩いたという。

「ちょっと見せて」

 部長がシェリーの制服のスカートを捲った。シェリーの太股が露になって、そこに青黒い打撲痕がある。

「どうしたの、これ」

「わ、わからない。急に……」

(タヅナは今回の脚本で、リルリーナに特別なセリフを用意する。神に関するセリフだ。ヘボ役者のお前には任せられない重要なセリフだ、シェリー)

 悪霊の胸にリルリーナのセリフが浮かぶ。



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