心を読みたい悪魔たち

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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拉致の現場

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 コンビニで修道女の姿を見ることは滅多に無いのかもしれない。物珍しげにヒソヒソと話す女子二人、不躾な視線を送る男子三人。

「コスプレみたい」

「やがてだよね、ハロウィーン」

「ハロウィーンか、ははは」

 シスター・アンドレアが近づく。商品を持った女子高生の手を掴んだ。

「万引きしてはいけませんよ」

 思いがけないことに驚いて「万引きぃ」「とんでもなぁい」と二人の女子が否定するのを、修道女が取り囲む。

 シスター・アンドレアは美しい顔を一人の女子に近づけてにっこり微笑んだ。

「お茶とお菓子もありますから、聖書の話を聞きにいらっしゃい」

 一人の女子が「興味なぁい」と答える。

「では、お店側に通報しますね。万引きグループだと」

 シスター・アンドレアの声は凛としている。近くにいた店員が「あの、何か……」と歩いてくる。

「万引きしてないってばっ」

 修道女たちに取り囲まれた二人が呟く。修道女はにっこり笑って「このお二人さんと万引きについて……」と店員に会釈した。

「万引き……」店員の顔色が変わる。修道女はにっこり微笑む。

  女子二人はその笑顔に太刀打ちならないものを認めて「行くよ、お茶とお菓子があるんなら」と応えた。

「勘違いって迷惑だよっ」

「何もしてないからね」



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