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第三章 猫を飼う
(1)猫を飼いたい
しおりを挟むいきなりだけど、猫を飼いたい。
「猫、あんな気まぐれな生き物をどうする気だ」
魔王、今日は篠田さんを守ってくれて有り難う
でもね、職員室に駆け込めば済んだことなの
学校全体で奴らを縛り上げたら
「なに、全員の力を借りると言うのか」
違うよ
学校問題にするんだよ
もう誰も篠田さんを狙わないように
「お前はバカだな。脳ミソを使え。奴らはきちんと叩きのめしてやらないと学校の外でこっそり悪事を働こうとするに決まっている。それがわからんのか」
そうか……
あの……
土下座をさせた動画を篠田さんが送ってきたけど
削除しても良いかな
「止めておけ。それは篠田さんも削除したがっている」
鏡に向かって喋るのも何か疲れるけど
「文句を言うな。俺様には、お前の顔は見えん。だから鏡に向かえ」
はいはい、わかりましたよ
しかし、篠田さんとはなんちゅう違い
「確かに……お前は可愛くない」
魔王っ
顔のことではないよ
あんたの態度だよ
「うん、お前の目鼻立ちは篠田さんとは真逆だ。切れ長の目付きは赤くて邪悪そのものだし、第一、顔色が青白い」
それはあんたが憑依したからでしょう
私はもともと切れ長だったかもしれないけれど赤目じゃなかったよ
顔色だって、あんたが憑依したから……
「猫を飼ってどうするのだ」
あ、猫……
お世話するの
でも無理だ
親が嫌がる
「親に言うことを聞かせれば良いのか」
待ってええええええ
違ううううう
親には手を出さないでっ
「じゃあ学校で飼おうか」
魔王、そんなことができるの
「生き物係を作って猫の世話をすれば良い」
ダメだ
猫は自由を愛する寂しがり屋なんだから
学校で飼うのは可哀想
「お前の楽園には、猫はいらないんだな」
だっ……れもそんなことは……
「では、学校で猫を飼おう。決定だ。誰にも文句は言わせない。夜は代わり番こに連れ帰るのだ。親も文句は言えまい」
め、名案……
名案だけどね
顔の話じゃなくて態度が違うって
「猫は何処で手に入れるのだ」
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