上 下
24 / 82
二章

私は常連客です

しおりを挟む
「はぁーあ」
のどかな一日であくびが思わず出てしまった。

相変わらず先輩は本を読み先生は尋問室に付きっきりだ。
兄上はいつもの買い出しに行っている。

どこか出かけようかな?
私はそんな事を考えていると出かけたくなったので先輩に「ちょっと出掛けてきますね」と一言言ってから校舎を離れた。

      *          *          *

「うん! 美味い!」
私は今パスタ専門店でミートスパゲティーを食べている。
ここのお店はパスタ一つ一つがきめ細かく食料をそそる味だ!

毎日の日課のようにここのお店に行っているので店長のおばさんからはここの一番の常連客だわねと言われているほどだった。

それと自慢かもしれないが私が最初にここのお店に行っていたときだと必ず席がほとんど満席になる。
多分 Sランクのカードが欲しいのだろう。

なのでお店の人には悪いんだけどこの今いる時間帯だけは店を私専用にしている。
カード払いだとお店側がやっていけないので私は毎月金貨を50枚店に手渡していく。

金貨1枚で相当の額らしいが私は Sランクの依頼を達成するだけで金貨500枚は安い方だ!

これはケニー先輩から聞いた話なんだけどSランクのカードを獲得する為には様々な条件があるらしい。

まず一つ目はAランクのクエストを100回以上達成する事。
クエストに関しては連続で達成しないと条件クリアにはならない。

二つ目はSランクのクエストを3回達成することこれもAランククエストと同等に失敗は許されない。

三つ目はSランクの実力者を殺す事だ一見戦力がなくなると勘違いするかもしれないが殺した言う事は殺した相手より戦力が高いと言うことになるのであまり損はしないらしい。

四つ目はSランクの魔物あるいは魔族を殺す事だ大体魔王などそこら辺の者が多いちなみに先輩は四つ目の方法でSランクの実力者になったらしい。

私は三つ目のやり方でSランクの実力者になったらしい先生の話によると勇者ルビーの弟を殺したのでSランクの条件が可能だったと言うわけだ。

よし! ミートスパゲティも食べ終わった事だし帰るか!
「あ! おばちゃんこれ金貨ね!」
私は金貨が50枚入った小袋をいつものおばちゃんに手渡した。

「それにしても家はミアちゃんのおかげで助かってるよありがとね」
おばちゃんの笑顔でこっちまで笑顔になってしまった。
しおりを挟む

処理中です...