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元売れっ子?ラノベ作家、異世界へ立つ
とりあえずサバイバル開始
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森は空が僅かにしか見えないくらい葉が生い茂っていて、昼過ぎだというのに夕方の森のように暗かった。
時折木々が途切れ、ポンと空が見える場所があるがそれは僅かにすぎない。
私はその鬱蒼とした森の中を7割警戒し、2割げんなりし、残りの1割をウキウキしながら歩いていた。
「あ、この蔦は使えそうだ」
2割のげんなりの原因である頭痛、眩暈と戦いながら鑑定を使い、1割のウキウキで有害でなく、使えそうなさまざまなものを拾う。
今まで拾ったものは大きな石、小さな石、少し尖った石、小枝、少し大きめな枝、杖になりそうな枝、蔦などだ。
俺のウキウキ、少し返せ。
その中の一つ、杖になりそうな枝を1つだけ掴み、藪を払いながら進んでいる。
当然拾ったものは即、腕輪の中だ。
足元は草の高さが約40~50cm程なのでかなり警戒している。
はっきりと地面が見えないからだ。
地を這う生き物が忍び寄ってきたら対処できる自信がない。
ただ、それほど地面はデコボコでは無いので歩きやすく、疲れも出にくいので楽ではある。
頭上は鬱蒼と茂った木の枝が空を覆っており、僅かしか光が入ってこない。
もっともその光のおかげでそこそこ明るくて助かっているのだが。
その光の大本である空には独特な特徴があった。
この星、光源が3つあるのだ。
先ほど起きた小さな広場で空を確認した時に見えた。
でかい光源と小さな光源が2つ。
うむ、異世界。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
そうこうしながら歩き続け、丁度昼になったので私は軽い休憩を取ることにした。
そして森に入り大きくなった違和感について考える。
「不味い……な。
生き物が一切いないとは……」
そう、最初に目を覚ましたところから違和感はあった。
風の音、草木が擦れる音。
そのようなごく自然な音は聞こえてくるのだが、何というか生き物の音が聞こえないのだ。
鳥の声、虫の音、鳴き声。
それが一切無い。
そして食べられるものが鑑定に一切引っかからなかった。
そう、木の実すらだ。
幾ら異世界といえどこれだけの森に木の実すら無いのは不自然だ。
異世界だからと言うとそれまでなのだが、ここはまるで死んだ土地や砂漠などのようだ。
大体そういう場所には危険な存在、物がいたりあったりするのが鉄板だ。
そう考えると焦りだすのが人間というもので、わずかな恐怖と共に今まで感じなかった疲れがじわじわと染み出してきた。
気が小さいんだよなぁ。
私は辺りを見渡して大きな木を探す。
ただでさえ初めての土地のうえに不気味な土地を歩いているのだ。
体力を減らさないうちに早めに休む。
その為なるべく安全を確保するために太い木の枝に上って過ごすつもりだからだ。
「おっ、あった。 あの木にしよう」
私が手をめいいっぱい伸ばし、3人ほどでやっと抱え込むことが出来るような木を見つけた。
デカいんだよなぁ、ここら辺の木ってさ。
すぐに木の周り、頭上を、安全かどうか確認する。
まず木の周りの草を杖替わりに使っていた木の棒である程度なぎ倒し、その後足で踏み固める。
これは足場を確保することと同時に、蛇などのような地を這ってくる生物を警戒するためだ。
次にもう一度目視で頭上を確認する。
因みに木は葉が少ないものを選んだ。
発見されやすいのではないかと思いはしたが、何がいるか分からない場所に上るよりも遥かに良いと思われたからだ。
木の確認、頭上の確認、足元の確保が済むと、次にここまで歩いてきた間で拾った30センチほどの木の棒と蔦を腕輪から取り出す。
蔦は少し硬いものと柔軟性があるものと2種類見つけることが出来たので、柔軟性のある方を結び、4メートルほどの長さの蔦のロープを2本作る。
次に先程取り出した30cm程の木を、編んだ蔦に適当な間隔で結んでゆく。
もう1本の蔦のロープと先程結んだ同じやり方で結んでやると、蔦と木で出来た簡易の縄梯子もどきの完成だ。
うん、蔦梯子と命名しよう。
若干心許ないが一度登り切り、固定してしまえば昇り降りが楽になるし、ついでにノウハウも出来る。
失敗すればやり方を変えれば良いだけだしね。
ちなみにここまでの作業、立ったまま行っている。
地面の草は払ったが地に腰を下ろすのは危険だと思われたからだ。
先程作った蔦梯子を今度は木に登り、枝に結び付ける。
この木は幹回りが太いだけに登りづらかった。
どうにかこうにか一番下にある枝(といっても高さで3m程、枝は太さ30cmはある)にたどり着き、蔦梯子を結び付ける。
これで昇り降りが格段にやり易くなった。
因みに木で梯子を作れば良かったと思いついたのは木の上に落ち着いてからである。
蔦梯子を木の枝に結び付け終わり、辺りを見渡す。
腕時計を見ると時間は18時を回っていた。
日が沈まないんだよなぁ。
どうやら3つあるうちの大きい光源が速度が遅いようで、小さい光源2つが少し早く動いているようだ。
その2つも速度が違う。
この調子で動くのならば最低あと2日ほどは日が沈まないだろう。
北欧の白夜よりはましかな?
「とりあえずは、ある程度の安全は確保できたと思うことにしよう。
明日は拠点になりそうな場所を探すかな」
私は蔦の縄で木の枝に身体を軽く固定すると、本日最初の食事を取ることにした。
ハッカ飴 1個
お茶 2口程度
節約は大切である。
何しろ限られた物資で水分調達、食料調達まで生き延びなければならないのだ。
とにかくまずは水分を探さなければならない。
私は少しだけ湿らせたマスクを付け目を瞑る。
おやすみなさい。
時折木々が途切れ、ポンと空が見える場所があるがそれは僅かにすぎない。
私はその鬱蒼とした森の中を7割警戒し、2割げんなりし、残りの1割をウキウキしながら歩いていた。
「あ、この蔦は使えそうだ」
2割のげんなりの原因である頭痛、眩暈と戦いながら鑑定を使い、1割のウキウキで有害でなく、使えそうなさまざまなものを拾う。
今まで拾ったものは大きな石、小さな石、少し尖った石、小枝、少し大きめな枝、杖になりそうな枝、蔦などだ。
俺のウキウキ、少し返せ。
その中の一つ、杖になりそうな枝を1つだけ掴み、藪を払いながら進んでいる。
当然拾ったものは即、腕輪の中だ。
足元は草の高さが約40~50cm程なのでかなり警戒している。
はっきりと地面が見えないからだ。
地を這う生き物が忍び寄ってきたら対処できる自信がない。
ただ、それほど地面はデコボコでは無いので歩きやすく、疲れも出にくいので楽ではある。
頭上は鬱蒼と茂った木の枝が空を覆っており、僅かしか光が入ってこない。
もっともその光のおかげでそこそこ明るくて助かっているのだが。
その光の大本である空には独特な特徴があった。
この星、光源が3つあるのだ。
先ほど起きた小さな広場で空を確認した時に見えた。
でかい光源と小さな光源が2つ。
うむ、異世界。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
そうこうしながら歩き続け、丁度昼になったので私は軽い休憩を取ることにした。
そして森に入り大きくなった違和感について考える。
「不味い……な。
生き物が一切いないとは……」
そう、最初に目を覚ましたところから違和感はあった。
風の音、草木が擦れる音。
そのようなごく自然な音は聞こえてくるのだが、何というか生き物の音が聞こえないのだ。
鳥の声、虫の音、鳴き声。
それが一切無い。
そして食べられるものが鑑定に一切引っかからなかった。
そう、木の実すらだ。
幾ら異世界といえどこれだけの森に木の実すら無いのは不自然だ。
異世界だからと言うとそれまでなのだが、ここはまるで死んだ土地や砂漠などのようだ。
大体そういう場所には危険な存在、物がいたりあったりするのが鉄板だ。
そう考えると焦りだすのが人間というもので、わずかな恐怖と共に今まで感じなかった疲れがじわじわと染み出してきた。
気が小さいんだよなぁ。
私は辺りを見渡して大きな木を探す。
ただでさえ初めての土地のうえに不気味な土地を歩いているのだ。
体力を減らさないうちに早めに休む。
その為なるべく安全を確保するために太い木の枝に上って過ごすつもりだからだ。
「おっ、あった。 あの木にしよう」
私が手をめいいっぱい伸ばし、3人ほどでやっと抱え込むことが出来るような木を見つけた。
デカいんだよなぁ、ここら辺の木ってさ。
すぐに木の周り、頭上を、安全かどうか確認する。
まず木の周りの草を杖替わりに使っていた木の棒である程度なぎ倒し、その後足で踏み固める。
これは足場を確保することと同時に、蛇などのような地を這ってくる生物を警戒するためだ。
次にもう一度目視で頭上を確認する。
因みに木は葉が少ないものを選んだ。
発見されやすいのではないかと思いはしたが、何がいるか分からない場所に上るよりも遥かに良いと思われたからだ。
木の確認、頭上の確認、足元の確保が済むと、次にここまで歩いてきた間で拾った30センチほどの木の棒と蔦を腕輪から取り出す。
蔦は少し硬いものと柔軟性があるものと2種類見つけることが出来たので、柔軟性のある方を結び、4メートルほどの長さの蔦のロープを2本作る。
次に先程取り出した30cm程の木を、編んだ蔦に適当な間隔で結んでゆく。
もう1本の蔦のロープと先程結んだ同じやり方で結んでやると、蔦と木で出来た簡易の縄梯子もどきの完成だ。
うん、蔦梯子と命名しよう。
若干心許ないが一度登り切り、固定してしまえば昇り降りが楽になるし、ついでにノウハウも出来る。
失敗すればやり方を変えれば良いだけだしね。
ちなみにここまでの作業、立ったまま行っている。
地面の草は払ったが地に腰を下ろすのは危険だと思われたからだ。
先程作った蔦梯子を今度は木に登り、枝に結び付ける。
この木は幹回りが太いだけに登りづらかった。
どうにかこうにか一番下にある枝(といっても高さで3m程、枝は太さ30cmはある)にたどり着き、蔦梯子を結び付ける。
これで昇り降りが格段にやり易くなった。
因みに木で梯子を作れば良かったと思いついたのは木の上に落ち着いてからである。
蔦梯子を木の枝に結び付け終わり、辺りを見渡す。
腕時計を見ると時間は18時を回っていた。
日が沈まないんだよなぁ。
どうやら3つあるうちの大きい光源が速度が遅いようで、小さい光源2つが少し早く動いているようだ。
その2つも速度が違う。
この調子で動くのならば最低あと2日ほどは日が沈まないだろう。
北欧の白夜よりはましかな?
「とりあえずは、ある程度の安全は確保できたと思うことにしよう。
明日は拠点になりそうな場所を探すかな」
私は蔦の縄で木の枝に身体を軽く固定すると、本日最初の食事を取ることにした。
ハッカ飴 1個
お茶 2口程度
節約は大切である。
何しろ限られた物資で水分調達、食料調達まで生き延びなければならないのだ。
とにかくまずは水分を探さなければならない。
私は少しだけ湿らせたマスクを付け目を瞑る。
おやすみなさい。
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