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第185話 女子高生梨々花⁉花の部活動!
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「よし、みんな集まって! 次の振り付けの確認するよ!」
体育館の隅で声を張り上げたのは梨々香だった。
高校のダンス部の部長でもない彼女が仕切ることに、誰も違和感を感じなかった。
それほど彼女は部活の中心的存在だった。
「梨々香先輩、次ってあのスピンのところですか?」
後輩の一人が尋ねると、梨々香は軽くうなずいた。
「そう、でも焦らなくていいよ。まずは足の動きだけをゆっくり確認していこうか」
彼女が手本を見せると、周囲の部員たちの目が自然と彼女の動きに吸い寄せられる。
軽やかで美しいステップに加え、リズム感抜群の動きは、見る人を引き込む力を持っていた。
「すごい……やっぱり梨々香先輩のダンスは別格だよ」
「あんなふうに踊れるようになりたいなぁ」
後輩たちが小声で話しているのを聞いて、梨々香は恥ずかしそうに笑った。
「何コソコソ言ってるの!私も最初は全然できなかったんだから、みんなも練習すれば絶対できるよ!」
彼女のその言葉は嘘ではなかった。
小学生の頃、家の鏡の前でアイドルの真似をして踊り始めたのが最初だったのだ。
練習が一段落つき、部員たちが水分補給に走る中、親友の沙織が話しかけてきた。
「梨々、今日も絶好調だね」
沙織がペットボトルのふたを開けながら言うと、梨々香はタオルで汗を拭いながら笑った。
「絶好調ってほどでもないよ。ただ、みんながついてきてくれるから私も頑張れるだけ」
沙織はニヤリと笑いながら肩をすくめた。
「その謙虚な感じ、ますますアイドルっぽいよね。ほら、リーダーシップもあるし、見た目も可愛いし、絶対ステージ映えすると思う!」
「もう、またそれ?やめてよ恥ずかしいって!」
梨々香は顔を赤くしながらペットボトルの水を口に運んだ。
「でもさ、本当に思うんだよね。梨々って、ステージでスポットライト浴びてるのが似合いそうだなって」
沙織の言葉は冗談めいて聞こえたが、どこか真剣でもあった。
「私はただ踊るのが好きなだけだよ。人前でパフォーマンスするのはまだまだ緊張しちゃうし」
梨々香はそう言いながらも、小さな夢を心の奥に秘めていることを沙織に気づかれないようにしていた。
「まぁ、確かにね。梨々がステージで緊張してガチガチになってるところ、ちょっと見てみたいかも」
「もう!それ絶対に笑うつもりでしょ!ひどいなぁ!」
沙織の冗談に、梨々香はペットボトルを振りながら笑った。
練習が終わり、部員たちがそれぞれ帰り支度をしている中、沙織は梨々香を呼び止めた。
「ねぇ、梨々、ちょっと聞いていい?」
「何?」
梨々香は振り返りながらリュックの肩紐を直した。
「もしさ、本当にダンスでプロを目指すとか、そういう道があったらどうする?」
梨々香は少し驚いたように目を瞬かせた。
「プロかぁ…。考えたことなかったな。でも、私なんかじゃ無理だよ」
沙織は真剣な表情で首を横に振った。
「そんなことないよ。梨々は本当にすごいと思うし、誰よりも努力してるの知ってるもん」
梨々香は少し困ったように笑った。
「ありがとう、沙織。でも、今は目の前のことを頑張るだけで精一杯かな。大会もあるし、部活のみんなと一緒に成長したいし」
「そっか」
沙織は少し残念そうにしながらも、梨々香の考えを尊重するようにうなずいた。
帰り道、二人は並んで歩きながら話を続けた。
「梨々、本当にさ、今のままでいいの?」
「どういう意味?」
「なんか、梨々ってすごい才能あるのに、それを全力で使ってない気がするんだよね」
梨々香は一瞬考え込んだが、すぐに明るい声で答えた。
「才能とかじゃなくて、ただダンスが好きなだけだよ。だから、こうやってみんなと踊れる今が一番楽しいの」
沙織は梨々香の横顔を見て、小さく笑った。
「本当に梨々らしい答えだね。でもさ、いつかその気持ちが変わることがあるかもしれないよ。もっと大きなステージで踊りたいって思う日が来るかも」
「その時はその時だよ」
梨々香はにっこりと笑い、沙織の肩を軽く叩いた。
「そういえば、例の猫ちゃん、どうなったの?」
沙織が気になったように尋ねると、梨々香は微笑みながら答えた。
「ああ、あの三毛猫ちゃんね。だいぶ衰弱してたけど、今は元気になってきたよ」
沙織はホッとしたようにうなずく。
「よかった。あの時、本当に心配だったもんね。それで、今はどうしてるの?」
「叔父さんのところで世話してもらってるの。大須で『猫カフェ』をオープンするって準備しててね、そのお店で看板猫になる予定なんだって」
梨々香は嬉しそうに話しながら、子猫の元気な姿を思い浮かべた。
「この前、お店に行ってきたんだけど、オープンの準備でみんな忙しそうだったよ。内装を仕上げたり、メニューを考えたり。叔父さんも大変みたいだったけど、すごく可愛がられてた」
「そっか、新しい場所で幸せに暮らしてるんだね。梨々、本当にいいことしたと思うよ」
沙織の言葉に、梨々香は少し照れながら笑った。
梨々香はダンス部の中心として仲間を引っ張り、その明るさと努力で信頼を集める部の中心的存在。梨々香はプロを目指す夢を抱きながらも、今は部活動で仲間と共に成長することに全力を注いでいた。ダンスへの情熱と、仲間への思いが交差する梨々香。一方、梨々香が助けた三毛猫は叔父の元で無事に保護され、新しい生活を始めていたのであった――。
体育館の隅で声を張り上げたのは梨々香だった。
高校のダンス部の部長でもない彼女が仕切ることに、誰も違和感を感じなかった。
それほど彼女は部活の中心的存在だった。
「梨々香先輩、次ってあのスピンのところですか?」
後輩の一人が尋ねると、梨々香は軽くうなずいた。
「そう、でも焦らなくていいよ。まずは足の動きだけをゆっくり確認していこうか」
彼女が手本を見せると、周囲の部員たちの目が自然と彼女の動きに吸い寄せられる。
軽やかで美しいステップに加え、リズム感抜群の動きは、見る人を引き込む力を持っていた。
「すごい……やっぱり梨々香先輩のダンスは別格だよ」
「あんなふうに踊れるようになりたいなぁ」
後輩たちが小声で話しているのを聞いて、梨々香は恥ずかしそうに笑った。
「何コソコソ言ってるの!私も最初は全然できなかったんだから、みんなも練習すれば絶対できるよ!」
彼女のその言葉は嘘ではなかった。
小学生の頃、家の鏡の前でアイドルの真似をして踊り始めたのが最初だったのだ。
練習が一段落つき、部員たちが水分補給に走る中、親友の沙織が話しかけてきた。
「梨々、今日も絶好調だね」
沙織がペットボトルのふたを開けながら言うと、梨々香はタオルで汗を拭いながら笑った。
「絶好調ってほどでもないよ。ただ、みんながついてきてくれるから私も頑張れるだけ」
沙織はニヤリと笑いながら肩をすくめた。
「その謙虚な感じ、ますますアイドルっぽいよね。ほら、リーダーシップもあるし、見た目も可愛いし、絶対ステージ映えすると思う!」
「もう、またそれ?やめてよ恥ずかしいって!」
梨々香は顔を赤くしながらペットボトルの水を口に運んだ。
「でもさ、本当に思うんだよね。梨々って、ステージでスポットライト浴びてるのが似合いそうだなって」
沙織の言葉は冗談めいて聞こえたが、どこか真剣でもあった。
「私はただ踊るのが好きなだけだよ。人前でパフォーマンスするのはまだまだ緊張しちゃうし」
梨々香はそう言いながらも、小さな夢を心の奥に秘めていることを沙織に気づかれないようにしていた。
「まぁ、確かにね。梨々がステージで緊張してガチガチになってるところ、ちょっと見てみたいかも」
「もう!それ絶対に笑うつもりでしょ!ひどいなぁ!」
沙織の冗談に、梨々香はペットボトルを振りながら笑った。
練習が終わり、部員たちがそれぞれ帰り支度をしている中、沙織は梨々香を呼び止めた。
「ねぇ、梨々、ちょっと聞いていい?」
「何?」
梨々香は振り返りながらリュックの肩紐を直した。
「もしさ、本当にダンスでプロを目指すとか、そういう道があったらどうする?」
梨々香は少し驚いたように目を瞬かせた。
「プロかぁ…。考えたことなかったな。でも、私なんかじゃ無理だよ」
沙織は真剣な表情で首を横に振った。
「そんなことないよ。梨々は本当にすごいと思うし、誰よりも努力してるの知ってるもん」
梨々香は少し困ったように笑った。
「ありがとう、沙織。でも、今は目の前のことを頑張るだけで精一杯かな。大会もあるし、部活のみんなと一緒に成長したいし」
「そっか」
沙織は少し残念そうにしながらも、梨々香の考えを尊重するようにうなずいた。
帰り道、二人は並んで歩きながら話を続けた。
「梨々、本当にさ、今のままでいいの?」
「どういう意味?」
「なんか、梨々ってすごい才能あるのに、それを全力で使ってない気がするんだよね」
梨々香は一瞬考え込んだが、すぐに明るい声で答えた。
「才能とかじゃなくて、ただダンスが好きなだけだよ。だから、こうやってみんなと踊れる今が一番楽しいの」
沙織は梨々香の横顔を見て、小さく笑った。
「本当に梨々らしい答えだね。でもさ、いつかその気持ちが変わることがあるかもしれないよ。もっと大きなステージで踊りたいって思う日が来るかも」
「その時はその時だよ」
梨々香はにっこりと笑い、沙織の肩を軽く叩いた。
「そういえば、例の猫ちゃん、どうなったの?」
沙織が気になったように尋ねると、梨々香は微笑みながら答えた。
「ああ、あの三毛猫ちゃんね。だいぶ衰弱してたけど、今は元気になってきたよ」
沙織はホッとしたようにうなずく。
「よかった。あの時、本当に心配だったもんね。それで、今はどうしてるの?」
「叔父さんのところで世話してもらってるの。大須で『猫カフェ』をオープンするって準備しててね、そのお店で看板猫になる予定なんだって」
梨々香は嬉しそうに話しながら、子猫の元気な姿を思い浮かべた。
「この前、お店に行ってきたんだけど、オープンの準備でみんな忙しそうだったよ。内装を仕上げたり、メニューを考えたり。叔父さんも大変みたいだったけど、すごく可愛がられてた」
「そっか、新しい場所で幸せに暮らしてるんだね。梨々、本当にいいことしたと思うよ」
沙織の言葉に、梨々香は少し照れながら笑った。
梨々香はダンス部の中心として仲間を引っ張り、その明るさと努力で信頼を集める部の中心的存在。梨々香はプロを目指す夢を抱きながらも、今は部活動で仲間と共に成長することに全力を注いでいた。ダンスへの情熱と、仲間への思いが交差する梨々香。一方、梨々香が助けた三毛猫は叔父の元で無事に保護され、新しい生活を始めていたのであった――。
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