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第2部.アドニア〜リムウル 第1章
1.逃避行
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城を出てから二日間、食事のためにわずかな休息を取るだけで、エリアードはほとんど止まることなく夜も昼も馬を歩ませた。
追っ手を引き離すための強行軍だったが、むろん馬にはかなりの負担だった。
アイリーンが一人で馬に乗れないため、荷物を合わせると相当な重量を積んでいたのだ。
アイリーンの疲労困憊も著しかった。
かなりがんばってはいたが、馬に乗ったまま眠ってしまい、何度もずり落ちそうになった。
しまいにエリアードはマントで彼女を包んで後ろからしっかりと片腕で抱きかかえ、片手で手綱を引いて進んだ。
それでも一生懸命起きていようとしていたアイリーンが何度目かにハッと頭を上げたとき、エリアードの低い声が彼女のすぐ後ろの耳元で言った。
「よろしいですよ、お眠りになっていて下さい」
アイリーンは少しうろたえ、首を振った。
「ううん、大丈夫……」
しかしいくらもしないうちに、やはり耐えられず、エリアードの腕の中で彼女の体からは力が抜けていった。
丸二日が経った夜半、そろそろ限界と考えたエリアードは森の中で馬を止めた。
満月から4日分欠けた月が昇ってはいたが、生い茂った木々の下はかなり暗かった。
しかしエリアードは小川の流れる微かな水の音を聞き分け、そこから少し離れた草地で夜明けを待つことにした。
腕の中のアイリーンは疲れた様子でよく眠っている。
起こして自分で馬を降りさせるのをためらうように、しばらくエリアードは彼女を見下ろしていた。
やがて、彼女の体をそっと抱き上げると、腰をひねって馬の横の空間へと持って行き、手を放した。
すると、まるで重力など存在しないかのように、アイリーンの体はふわりと空に浮いた。
ゆっくりと漂うように降りていくその体を、馬から降りたエリアードが再び抱きとめる。
彼のマントがひとりでにほどけ、下草が柔らかに生えそろった場所に広がった。
エリアードはアイリーンをその上に降ろした。
「ん……」
アイリーンが微かに声を上げ、身じろぎする。
しかし寝返りを打っただけで目を覚まさず、すぐにまた穏やかな寝息を立てだした。
エリアードはそれを見届けてから立ち上がった。
夜目が利くのか、エリアードは明かりもないのに手際よく馬の世話をし、それが終わると荷の中から毛布を取り出した。
アイリーンのそばに再びひざまづき、彼女の上に毛布をかける。
そのまましばらく様子をうかがっていたが、やがて何を思ったかそっと手を伸ばし、彼女の額に近づけた。
何かが、魔力に目覚めた彼女の感覚に触れたのだろうか。
アイリーンがハッと目を開けた。
「……!!」
追っ手を引き離すための強行軍だったが、むろん馬にはかなりの負担だった。
アイリーンが一人で馬に乗れないため、荷物を合わせると相当な重量を積んでいたのだ。
アイリーンの疲労困憊も著しかった。
かなりがんばってはいたが、馬に乗ったまま眠ってしまい、何度もずり落ちそうになった。
しまいにエリアードはマントで彼女を包んで後ろからしっかりと片腕で抱きかかえ、片手で手綱を引いて進んだ。
それでも一生懸命起きていようとしていたアイリーンが何度目かにハッと頭を上げたとき、エリアードの低い声が彼女のすぐ後ろの耳元で言った。
「よろしいですよ、お眠りになっていて下さい」
アイリーンは少しうろたえ、首を振った。
「ううん、大丈夫……」
しかしいくらもしないうちに、やはり耐えられず、エリアードの腕の中で彼女の体からは力が抜けていった。
丸二日が経った夜半、そろそろ限界と考えたエリアードは森の中で馬を止めた。
満月から4日分欠けた月が昇ってはいたが、生い茂った木々の下はかなり暗かった。
しかしエリアードは小川の流れる微かな水の音を聞き分け、そこから少し離れた草地で夜明けを待つことにした。
腕の中のアイリーンは疲れた様子でよく眠っている。
起こして自分で馬を降りさせるのをためらうように、しばらくエリアードは彼女を見下ろしていた。
やがて、彼女の体をそっと抱き上げると、腰をひねって馬の横の空間へと持って行き、手を放した。
すると、まるで重力など存在しないかのように、アイリーンの体はふわりと空に浮いた。
ゆっくりと漂うように降りていくその体を、馬から降りたエリアードが再び抱きとめる。
彼のマントがひとりでにほどけ、下草が柔らかに生えそろった場所に広がった。
エリアードはアイリーンをその上に降ろした。
「ん……」
アイリーンが微かに声を上げ、身じろぎする。
しかし寝返りを打っただけで目を覚まさず、すぐにまた穏やかな寝息を立てだした。
エリアードはそれを見届けてから立ち上がった。
夜目が利くのか、エリアードは明かりもないのに手際よく馬の世話をし、それが終わると荷の中から毛布を取り出した。
アイリーンのそばに再びひざまづき、彼女の上に毛布をかける。
そのまましばらく様子をうかがっていたが、やがて何を思ったかそっと手を伸ばし、彼女の額に近づけた。
何かが、魔力に目覚めた彼女の感覚に触れたのだろうか。
アイリーンがハッと目を開けた。
「……!!」
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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