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第2部.アドニア〜リムウル 第2章
15.焦燥
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“アイリーン!!”
もう何度、心の声の限りに叫んだだろう?
刻々と過ぎていく時間とともに、ギメリックの焦燥もつのっていた。
心話の届く範囲はお互いの魔力の強さによって決まる。
ギメリックとアイリーンの魔力をもってすれば、その距離はかなりのものになるはずだ。とても一晩で移動できる距離ではない。
だから彼女が心話の呼びかけに答えないのは、彼女が意識を失っているか……何者かの、結界の中にいるかのどちらかだ。いずれにせよ、彼女が敵の手に落ちたと考えるほかなかった。
アイリーンの足跡をたどる靴は、ある場所で止まってしまった。
どうやら自分の後を追ったのだとギメリックは気づいたが、始めはそれがなぜなのかわからなかった。
靴が止まった場所に彼女がいないとすれば……そこから先は、何者かによって運ばれて行ったことになる。
周りを調べると、かすかに、彼女の魔力の気配が残留している。
それをたどっていくと、彼女に与えた紫のペンダントが落ちていた。
ギメリックはそれを拾って手に握り込み、その手を額に押し当ててつぶやいた。
「お前の見たものを我に見せよ……」
アイリーンの首に掛かっていたペンダントは、ほぼ正確に彼女の視点での映像をギメリックに伝えてきた。
そこで初めて、彼は彼女が部屋を出た理由を悟る。
“バカが……! 俺のことより、なぜ自分の方が危険だと気づかない?! この男は……誰だ?”
映像は見えても、男の魔力の気配までは伝わらないので、男が森で襲ってきた相手だとすぐにはわからなかった。
しかし前後の状況を考えると、そうに違いないとギメリックも思い当たる。
それでも、男がどこからやってきたのかはわからず、従ってアイリーンがどこへ連れて行かれたのかもわからない。
ギメリックは、夜が明けて次第に人影が見え出した街の通りをさらに調べ回った。
しかし、男が自分の魔力の気配をシールドしていたために、その気配は全く残っていない。
途中から、男はアイリーンの魔力の気配もシールドしてしまったのだろう。手がかりはそこで途切れてしまった。
ギメリックが次の手を思案して立ち止まっていると、すぐそばで、二人の男が市の準備を始めた。
彼らの商品は、今朝収穫してきたばかりの野菜のようだ。
「領主様のお屋敷に収める分は、もう運んだのか?」
「まだだ」
「バカ、さっさと持って行け! ルバート様は厳しいお方だ、遅れたと知れると鞭で打たれるぞ!」
ギメリックは男達を振り返り、その一人につかみかからんばかりに詰め寄った。
「おい、この街の領主はルバートと言うのか?」
男はギメリックの剣幕に目を白黒させながら答えた。
「そ、そうだけど……」
「ルバート・オー・ハヴォル・フォアリード……か?」
「あ、ああ……」
「前の領主はどうした」
「病気で亡くなられた、一月ほど前に」
「……礼を言う」
ギメリックはサッと身を翻すとあっけにとられている男達を残して走り出した。
“くそ……うかつだった……。あいつがこの街にいると知っていたら……無理をしてでも、もう一つ先の街まで森を進んだのに……”
もう何度、心の声の限りに叫んだだろう?
刻々と過ぎていく時間とともに、ギメリックの焦燥もつのっていた。
心話の届く範囲はお互いの魔力の強さによって決まる。
ギメリックとアイリーンの魔力をもってすれば、その距離はかなりのものになるはずだ。とても一晩で移動できる距離ではない。
だから彼女が心話の呼びかけに答えないのは、彼女が意識を失っているか……何者かの、結界の中にいるかのどちらかだ。いずれにせよ、彼女が敵の手に落ちたと考えるほかなかった。
アイリーンの足跡をたどる靴は、ある場所で止まってしまった。
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靴が止まった場所に彼女がいないとすれば……そこから先は、何者かによって運ばれて行ったことになる。
周りを調べると、かすかに、彼女の魔力の気配が残留している。
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ギメリックはそれを拾って手に握り込み、その手を額に押し当ててつぶやいた。
「お前の見たものを我に見せよ……」
アイリーンの首に掛かっていたペンダントは、ほぼ正確に彼女の視点での映像をギメリックに伝えてきた。
そこで初めて、彼は彼女が部屋を出た理由を悟る。
“バカが……! 俺のことより、なぜ自分の方が危険だと気づかない?! この男は……誰だ?”
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しかし前後の状況を考えると、そうに違いないとギメリックも思い当たる。
それでも、男がどこからやってきたのかはわからず、従ってアイリーンがどこへ連れて行かれたのかもわからない。
ギメリックは、夜が明けて次第に人影が見え出した街の通りをさらに調べ回った。
しかし、男が自分の魔力の気配をシールドしていたために、その気配は全く残っていない。
途中から、男はアイリーンの魔力の気配もシールドしてしまったのだろう。手がかりはそこで途切れてしまった。
ギメリックが次の手を思案して立ち止まっていると、すぐそばで、二人の男が市の準備を始めた。
彼らの商品は、今朝収穫してきたばかりの野菜のようだ。
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「バカ、さっさと持って行け! ルバート様は厳しいお方だ、遅れたと知れると鞭で打たれるぞ!」
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「おい、この街の領主はルバートと言うのか?」
男はギメリックの剣幕に目を白黒させながら答えた。
「そ、そうだけど……」
「ルバート・オー・ハヴォル・フォアリード……か?」
「あ、ああ……」
「前の領主はどうした」
「病気で亡くなられた、一月ほど前に」
「……礼を言う」
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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