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第3部.リムウル 第1章
2.反面教師
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ゲイルの後ろ姿が見えなくなると、カーラは泉の方に向き直った。
岸辺を回って泉の向こう側へ行こうとした足を止め、再び村の方を振り返る。
「ポル?」
呼びかけに応えて木の陰から姿を現したのは、10歳くらいの男の子だった。
誰が見ても姉弟か、少なくとも親戚だろうと思うほど、二人はよく似ている。
つやつやと輝くような、健康的な肌と、ふっくらとした唇。
ポルはくるくるっとした表情豊かな、大きな黒い瞳をしている。
カーラは少しだけ切れ長の茶色の瞳で、黒いまつげが美しい。
二人とも黒髪だったが、カーラは長く伸ばしたストレートをポニーテールにし、ポルは短めの巻き毛だった。
「おっかないお目付役とは何だよ。おれ、ゲイルの兄きなら邪魔したりしないぞ」
少しだけふくれっ面をして見せながら、ポルは言った。
「何よあんた、見てたの?」
「ゲイルが社会勉強だ、見てろって言うからさ」
「何ですって?」
「お前もいつか、好きな子に告白する時のために、だってさ。
ただしオレは反面教師みたいなもんだから、あんまり参考にならないだろうけど、とか言ってた。
……ねぇちゃん、ハンメンキョウシって何だ?」
「……悪い例だから真似するな、ってことよ」
「ふうん? けど、おれは、いいと思うぞ」
「いいって、何が?」
「ゲイルの兄きだよ。ダンナにするなら、ゲイルしかいない!」
カーラは苦笑した。小さいときから、弟は彼によくなついていた。
まるで自分がゲイルと結婚しそうな勢いだ。
……そうね、確かに、真っ直ぐで、正直で……
強くて優しいけど、押しつけがましくなくて……いい人だわ。でも……
「彼には悪いけど、そんな気ないわ」
重い気持ちを振り払うように、カーラは芝居がかった仕草で言った。
「美しすぎるワタシがいけないのね」
「……ねぇちゃん、言ってて歯が浮かないか?」
「……うん。ちょっと」
二人は顔を見合わせて笑い出した。
「さ、礼拝に行くわよ。あんたも来る?」
「ま、ついでだからな。つきあってやるか」
「何よその生意気な口は」
じゃれあうような言い合いをしながら、二人は泉の反対側へと足を運んだ。
岸辺を回って泉の向こう側へ行こうとした足を止め、再び村の方を振り返る。
「ポル?」
呼びかけに応えて木の陰から姿を現したのは、10歳くらいの男の子だった。
誰が見ても姉弟か、少なくとも親戚だろうと思うほど、二人はよく似ている。
つやつやと輝くような、健康的な肌と、ふっくらとした唇。
ポルはくるくるっとした表情豊かな、大きな黒い瞳をしている。
カーラは少しだけ切れ長の茶色の瞳で、黒いまつげが美しい。
二人とも黒髪だったが、カーラは長く伸ばしたストレートをポニーテールにし、ポルは短めの巻き毛だった。
「おっかないお目付役とは何だよ。おれ、ゲイルの兄きなら邪魔したりしないぞ」
少しだけふくれっ面をして見せながら、ポルは言った。
「何よあんた、見てたの?」
「ゲイルが社会勉強だ、見てろって言うからさ」
「何ですって?」
「お前もいつか、好きな子に告白する時のために、だってさ。
ただしオレは反面教師みたいなもんだから、あんまり参考にならないだろうけど、とか言ってた。
……ねぇちゃん、ハンメンキョウシって何だ?」
「……悪い例だから真似するな、ってことよ」
「ふうん? けど、おれは、いいと思うぞ」
「いいって、何が?」
「ゲイルの兄きだよ。ダンナにするなら、ゲイルしかいない!」
カーラは苦笑した。小さいときから、弟は彼によくなついていた。
まるで自分がゲイルと結婚しそうな勢いだ。
……そうね、確かに、真っ直ぐで、正直で……
強くて優しいけど、押しつけがましくなくて……いい人だわ。でも……
「彼には悪いけど、そんな気ないわ」
重い気持ちを振り払うように、カーラは芝居がかった仕草で言った。
「美しすぎるワタシがいけないのね」
「……ねぇちゃん、言ってて歯が浮かないか?」
「……うん。ちょっと」
二人は顔を見合わせて笑い出した。
「さ、礼拝に行くわよ。あんたも来る?」
「ま、ついでだからな。つきあってやるか」
「何よその生意気な口は」
じゃれあうような言い合いをしながら、二人は泉の反対側へと足を運んだ。
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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