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第3部.リムウル 第1章
22.石の継承者
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アイリーンが持っている石が紛れもなくフレイヤの涙だと知ったとき……激しく彼女を妬み、憎んだ。
ヴァイオレットが自分ではなく彼女を、石の継承者として選んだのだと悟ったからだ。
道理でいくら探し回っても見つからなかったはずだ。
てっきり、万が一のとき敵の手に渡らぬようにと、手元に置かずどこかに隠していただけだと思っていたのに……
よもや、当然の権利者である自分を差し置いて、他国の王女に石を渡すなど……思いもしなかった。
ヴァイオレットは自分を、石を託すに値しない人間と判断したのだ。
そのことを思い知り、打ちのめされる思いだった。
しかしそれだけでアイリーンを殺そうと思ったわけではない。
石さえ手に入れば、彼女のことなどどうでもよかった。
だが、奪い取ったフレイヤの涙は……すでに彼女を主として選び、自分に力を与えようとしなかった。
目的を果たすためには、どうしても石の力が必要だ。
仕方なく、アイリーンの部屋に引き返した。
彼女に、自分に協力すると約束させるか、拒まれれば彼女を殺してでも、石の力を手に入れると心に決めていた。
“ヴァイオレットが死んでから……フレイヤの涙を探して、探して……各地を転々とした。
やっと見つけた石が自分に力をもたらさないと知って自暴自棄になり、力を手に入れるためなら何でもしてやろうという気になっていた。
……お前は何も知らずに巻き込まれただけなのにな……”
ギメリックは無言でアイリーンを抱き寄せた。
驚いた彼女は逃れようと身をよじったが、彼の強い腕は彼女を放そうとしない。
「あ、の、ちょっと……」
“しばらくでいい。ほんのしばらく、こうしていてくれないか……?”
その言葉は心話だったのか、それとも彼女に読まれていると知らぬまま、心の中で彼がもらしたつぶやきだったのか……アイリーンにはよくわからなかった。
しかし彼が心でたどった回想の一部始終を読んでいたアイリーンは、彼の悲しみを理解した。
この男が自分を殺そうと思っていたことがあるにせよ、今はもう、その気配は完全に消えている……。
アイリーンはおとなしくギメリックの腕に抱かれ、彼の心の声にさらに耳を傾けた。
“……自分でもわからない。
この少女を連れ出したのは、守りたかったからなのか、殺したかったからなのか……”
彼女の部屋に引き返したとき。ちょうど、彼女が幻獣を倒すところだった。
凄まじい魔力の気配が放出され、とっさにシールドしようとしたが間に合わなかった。
あの幻獣を使っていた男はおそらく、ずいぶん前から、エンドルーアの密偵としてアドニア城内に送り込まれていたに違いない。
目的はたぶん、アドニアの内部事情を探ることに加え、念のためにアイリーンに魔力の気配がないか、見張ることだっただろう。
16歳という年齢は、魔力を持つ者にとって特別な意味がある。
ヴァイオレットはアイリーンが魔力を持つことを敵に悟らせないため、彼女の魔力を封印していたようだ。
しかし16歳になると、あらゆる封印は破れてしまう……。
16歳の誕生日以降、彼女の魔力は徐々に目覚めてきていたはずだ。
自分が初めて会ったときはまだ微弱で、その気配はほとんどわからないほどだったが……
皮肉なことに自分が彼女を怖がらせたために、急激に彼女の魔力は目覚めてしまった。
そしてその魔力に反応し、主を失って眠っていた石もまた目覚めたのだ。
とにかくあのままでは、魔力の気配を隠すことを知らないアイリーンは、いずれルバートの手の者によって殺されていただろう。
彼女が幻獣を倒したときの魔力の気配は、少なくともベルガードまでは届いただろうから……。
ヴァイオレットが自分ではなく彼女を、石の継承者として選んだのだと悟ったからだ。
道理でいくら探し回っても見つからなかったはずだ。
てっきり、万が一のとき敵の手に渡らぬようにと、手元に置かずどこかに隠していただけだと思っていたのに……
よもや、当然の権利者である自分を差し置いて、他国の王女に石を渡すなど……思いもしなかった。
ヴァイオレットは自分を、石を託すに値しない人間と判断したのだ。
そのことを思い知り、打ちのめされる思いだった。
しかしそれだけでアイリーンを殺そうと思ったわけではない。
石さえ手に入れば、彼女のことなどどうでもよかった。
だが、奪い取ったフレイヤの涙は……すでに彼女を主として選び、自分に力を与えようとしなかった。
目的を果たすためには、どうしても石の力が必要だ。
仕方なく、アイリーンの部屋に引き返した。
彼女に、自分に協力すると約束させるか、拒まれれば彼女を殺してでも、石の力を手に入れると心に決めていた。
“ヴァイオレットが死んでから……フレイヤの涙を探して、探して……各地を転々とした。
やっと見つけた石が自分に力をもたらさないと知って自暴自棄になり、力を手に入れるためなら何でもしてやろうという気になっていた。
……お前は何も知らずに巻き込まれただけなのにな……”
ギメリックは無言でアイリーンを抱き寄せた。
驚いた彼女は逃れようと身をよじったが、彼の強い腕は彼女を放そうとしない。
「あ、の、ちょっと……」
“しばらくでいい。ほんのしばらく、こうしていてくれないか……?”
その言葉は心話だったのか、それとも彼女に読まれていると知らぬまま、心の中で彼がもらしたつぶやきだったのか……アイリーンにはよくわからなかった。
しかし彼が心でたどった回想の一部始終を読んでいたアイリーンは、彼の悲しみを理解した。
この男が自分を殺そうと思っていたことがあるにせよ、今はもう、その気配は完全に消えている……。
アイリーンはおとなしくギメリックの腕に抱かれ、彼の心の声にさらに耳を傾けた。
“……自分でもわからない。
この少女を連れ出したのは、守りたかったからなのか、殺したかったからなのか……”
彼女の部屋に引き返したとき。ちょうど、彼女が幻獣を倒すところだった。
凄まじい魔力の気配が放出され、とっさにシールドしようとしたが間に合わなかった。
あの幻獣を使っていた男はおそらく、ずいぶん前から、エンドルーアの密偵としてアドニア城内に送り込まれていたに違いない。
目的はたぶん、アドニアの内部事情を探ることに加え、念のためにアイリーンに魔力の気配がないか、見張ることだっただろう。
16歳という年齢は、魔力を持つ者にとって特別な意味がある。
ヴァイオレットはアイリーンが魔力を持つことを敵に悟らせないため、彼女の魔力を封印していたようだ。
しかし16歳になると、あらゆる封印は破れてしまう……。
16歳の誕生日以降、彼女の魔力は徐々に目覚めてきていたはずだ。
自分が初めて会ったときはまだ微弱で、その気配はほとんどわからないほどだったが……
皮肉なことに自分が彼女を怖がらせたために、急激に彼女の魔力は目覚めてしまった。
そしてその魔力に反応し、主を失って眠っていた石もまた目覚めたのだ。
とにかくあのままでは、魔力の気配を隠すことを知らないアイリーンは、いずれルバートの手の者によって殺されていただろう。
彼女が幻獣を倒したときの魔力の気配は、少なくともベルガードまでは届いただろうから……。
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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