6 / 19
最初の調査
さらなる真相
しおりを挟む
この時代での調査もだいぶ進んできた。先祖や神々を敬い、崇めるためのお祭りが毎月行われているようだ。
場所は集団墓地で、この時代で暮らす人々は各個にお墓を作るのではないようだ。
もちろん棺は個別だが、ひとつの大きな穴に全て埋葬する。棺は木製ではなく、赤土で作った甕のような形をしている。大きさは埋葬される人に合わせて様々だ。大人か子どもかに関わらず、この甕棺に遺体を納めて埋葬されたようだ。
この時代の人々も、先祖を大切にしていたようだ。とはいえ、暦の概念がまだなかったということもあり、命日や年忌法要といったものはなかったようだ。
現代では月命日があるが、それもない。ただし毎月お祭りがあるが、日にちが定まっている訳では無い。
それでも毎月故人を偲んでいることにはなるわけなので、その点では現代の人類の多くよりも素晴らしいと言えるかもしれない。
月日が流れ、秋を迎えた。実りの季節だ。そろそろ稲刈りをする頃だろう。その様子も観察して記録に残すことになっている。
石で作った包丁、「石包丁」を使ったとされているが、それは間違いないようだ。石同士を擦り合わせて研いでいるようだ。
包丁に使う石は凝灰岩と呼ばれる硬いものを使うようだ。砥石として使っているのは、砂岩の材質のもののようだ。
すごく器用に、住民たちが包丁を研いでいる。子どもたちも手伝っているようだ。現代では永久に研がなくていい材質が開発されたが、研ぐという行為にも何かしらの得るものがあったのではないだろうか。
石包丁を使い、現代では「穂首苅り」と呼ばれる手法で稲を刈り取っていく。根元からではなく、先端の実がついている部分だけを刈り取る方法だ。
根元は太くしっかりしているが、先の方は細くなっているので、石包丁でも刈り取ることができるのだろう。
刈り取った稲は天日干しにする。1週間くらいの期間だ。動物に食べられないように周囲には蔓《ツル》で編んだ網を張り巡らせている。そのおかげで全くの被害がなかった。
十分に稲穂が乾ききってから、脱穀の作業だ。この時代では、鉄製の歯が並んだ鍬の先のようなものが使われていた。その器具に稲穂を通して何往復かすると、実だけを取る事ができる。
そこから実を重さで選別する。既にこの時代に選別することが考えられていたというのは新発見だ。方法としては、上から身を落として、板で風を送るようだ。風の力を利用することを既に考えていたというのも特筆すべき事実だろう。
選別した後は来年用の実をあらかじめ確保しておく。専用の木箱があり、それをこの村では3箱保管するようだ。
残りは精米する訳だが、石臼のようなものに入れて擦る力でもみがらを外すらしい。もみがらと玄米を分けるためには、先ほど実を選別するために用いた方法をそのまま利用するようだ。
どちらも力加減が重要だ。強すぎると、いい実まで弾かれてしまうからだ。
この時代では玄米が当たり前で、白米は無いようだ。そこにさまざまな雑穀を混ぜて食している。栄養はそれなりに取れているようだ。事実、この時代で餓死は滅多にない。
ただし医療技術は皆無といっていいくらいで、子どもであっても病気にかかれば死を待つのみであったようだ。
幸いにもこの村では川や池が綺麗あったようで、飲料水が原因で病気になることはなかったようだ。しかし、他の村では汚染された水を飲み続けることで死に至った例が数多くあるようだ。
これからも調査を続行する。より良い報告書となるように善処したい。
場所は集団墓地で、この時代で暮らす人々は各個にお墓を作るのではないようだ。
もちろん棺は個別だが、ひとつの大きな穴に全て埋葬する。棺は木製ではなく、赤土で作った甕のような形をしている。大きさは埋葬される人に合わせて様々だ。大人か子どもかに関わらず、この甕棺に遺体を納めて埋葬されたようだ。
この時代の人々も、先祖を大切にしていたようだ。とはいえ、暦の概念がまだなかったということもあり、命日や年忌法要といったものはなかったようだ。
現代では月命日があるが、それもない。ただし毎月お祭りがあるが、日にちが定まっている訳では無い。
それでも毎月故人を偲んでいることにはなるわけなので、その点では現代の人類の多くよりも素晴らしいと言えるかもしれない。
月日が流れ、秋を迎えた。実りの季節だ。そろそろ稲刈りをする頃だろう。その様子も観察して記録に残すことになっている。
石で作った包丁、「石包丁」を使ったとされているが、それは間違いないようだ。石同士を擦り合わせて研いでいるようだ。
包丁に使う石は凝灰岩と呼ばれる硬いものを使うようだ。砥石として使っているのは、砂岩の材質のもののようだ。
すごく器用に、住民たちが包丁を研いでいる。子どもたちも手伝っているようだ。現代では永久に研がなくていい材質が開発されたが、研ぐという行為にも何かしらの得るものがあったのではないだろうか。
石包丁を使い、現代では「穂首苅り」と呼ばれる手法で稲を刈り取っていく。根元からではなく、先端の実がついている部分だけを刈り取る方法だ。
根元は太くしっかりしているが、先の方は細くなっているので、石包丁でも刈り取ることができるのだろう。
刈り取った稲は天日干しにする。1週間くらいの期間だ。動物に食べられないように周囲には蔓《ツル》で編んだ網を張り巡らせている。そのおかげで全くの被害がなかった。
十分に稲穂が乾ききってから、脱穀の作業だ。この時代では、鉄製の歯が並んだ鍬の先のようなものが使われていた。その器具に稲穂を通して何往復かすると、実だけを取る事ができる。
そこから実を重さで選別する。既にこの時代に選別することが考えられていたというのは新発見だ。方法としては、上から身を落として、板で風を送るようだ。風の力を利用することを既に考えていたというのも特筆すべき事実だろう。
選別した後は来年用の実をあらかじめ確保しておく。専用の木箱があり、それをこの村では3箱保管するようだ。
残りは精米する訳だが、石臼のようなものに入れて擦る力でもみがらを外すらしい。もみがらと玄米を分けるためには、先ほど実を選別するために用いた方法をそのまま利用するようだ。
どちらも力加減が重要だ。強すぎると、いい実まで弾かれてしまうからだ。
この時代では玄米が当たり前で、白米は無いようだ。そこにさまざまな雑穀を混ぜて食している。栄養はそれなりに取れているようだ。事実、この時代で餓死は滅多にない。
ただし医療技術は皆無といっていいくらいで、子どもであっても病気にかかれば死を待つのみであったようだ。
幸いにもこの村では川や池が綺麗あったようで、飲料水が原因で病気になることはなかったようだ。しかし、他の村では汚染された水を飲み続けることで死に至った例が数多くあるようだ。
これからも調査を続行する。より良い報告書となるように善処したい。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる