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細谷 淳平
第30話 細谷 淳平 ⑩
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「解らないわ、考えた事もないし。それがどうかしたの?」
高坂さんは、人型ルアーの話を知ってはいたが、周囲にそんな人物が居るか興味すら無いと言った感じだ。
「うん、あのさ、ちょっと飛躍した話なんだけど、貴美の病気って、今の科学力では無理でも、それを超えた科学力なら、治療が出来るんじゃないかって」
再び「?」と言う顔をする二人。それでも島崎さんが少し怖い顔で俺に聞いてくる。
「・・ねえ、それって、貴美ちゃんを宇宙人に釣ってもらうって事でいいんだよね」
「・・・・ああ」
俺の返事を聞いて、少しすると今度は高坂さんがとても怒った口調で俺を責め立てる。
「細谷くん! あなた、それじゃあ貴美ちゃんの気持ちはどうなるの? 細谷君、貴美ちゃんの旦那さんになったんじゃないの? 宇宙人に釣られるって、それって別れるって事? おかしいよ! どうしてそんな事言うの? 貴美ちゃんが他の男子とキスするって事なんだよ、貴美ちゃん、あんなに嬉しそうにして・・」
また高坂さんを泣かせてしまった。少し間を置いて、島崎さんが冷静に怒りをぶつけてきた。
「細谷君さ、さすがにそれは無いと思うんだ。都市伝説なんかのために、貴美ちゃん傷つけるのやめて。もう時間が無いのよ、それに貴美ちゃん、細谷君の事が好きなの、本当に大好きなの! 解ってあげて」
「それでも、俺は貴美が生きている未来を選びたい、俺だって辛い、俺以外の男に触れられるなんて我慢出来ない・・・・それでも俺は、貴美が生きていてくれる方が、可能性が僅かでもあるのなら、それに賭けたい」
すると、島崎さんが本気で怒って俺に向かって来た。
拳を振るわせながら、今にも殴りかかりそうな勢いで。
「いい加減にして! 貴美ちゃんを傷つけるなって言ってんの! 人型ルアーなんて存在しない! そんなふざけた事で貴美ちゃん傷つけたら、私、あなたの事を一生許さない、永遠に恨んでやるんだから!」
泣いていた高坂さんが、慌てて止めに入る。
こっちだって怒りたい。でも、今俺がそれを言ったら売り言葉に買い言葉になってしまう。だから我慢した。
結局、俺たちは結論が出ないまま解散した。
なんだって、島崎さんはあんなに怒ったんだろう。
携帯を見ると、メールが2件入っていた。
一つは貴美から、もう一つは・・高坂さんからだった。
・・高坂さん?
たった今まで一緒だったのに、なんでメール?
そこには、もう一度会いたいと書かれていた。
貴美のメールは少し後回しにして、俺は高坂さんと会う事を優先した。こんな孤立状態でも、やはり誰かに聞いてもらいたい。俺の心も無限に広い訳では無いのだから。
「高坂さん」
さっき3人で会った時、もう夕焼け時だったから、こうして高坂さんと再び会った時には、もうかなり薄暗い時間帯になっていた。
少し目を腫らした高坂さんは、少し話がしたいと俺を近くの公園へ誘った。
・・なんだか今日は公園と縁がある日だ。
「どうしたの? さっき会ったばかりなのに」
「うん、今日中に話しておかなければいけないと思って」
どうしたんだろう、それならさっき話せばいいのに。
「島崎さんが居たらダメな話なのかな?」
「うん・・そう、だね。ちょっと人には聞かれたくないかな」
そう言うと、高坂さんは公園のベンチに座る。丁度そのタイミングで街灯に灯が点いた。
「なに? 珍しいね、そんなにあらたまって」
「うん、実はね・・」
高坂さんは、重い口を開く。そして、俺は衝撃的な事実を聞く事になる。
高坂さんは、人型ルアーの話を知ってはいたが、周囲にそんな人物が居るか興味すら無いと言った感じだ。
「うん、あのさ、ちょっと飛躍した話なんだけど、貴美の病気って、今の科学力では無理でも、それを超えた科学力なら、治療が出来るんじゃないかって」
再び「?」と言う顔をする二人。それでも島崎さんが少し怖い顔で俺に聞いてくる。
「・・ねえ、それって、貴美ちゃんを宇宙人に釣ってもらうって事でいいんだよね」
「・・・・ああ」
俺の返事を聞いて、少しすると今度は高坂さんがとても怒った口調で俺を責め立てる。
「細谷くん! あなた、それじゃあ貴美ちゃんの気持ちはどうなるの? 細谷君、貴美ちゃんの旦那さんになったんじゃないの? 宇宙人に釣られるって、それって別れるって事? おかしいよ! どうしてそんな事言うの? 貴美ちゃんが他の男子とキスするって事なんだよ、貴美ちゃん、あんなに嬉しそうにして・・」
また高坂さんを泣かせてしまった。少し間を置いて、島崎さんが冷静に怒りをぶつけてきた。
「細谷君さ、さすがにそれは無いと思うんだ。都市伝説なんかのために、貴美ちゃん傷つけるのやめて。もう時間が無いのよ、それに貴美ちゃん、細谷君の事が好きなの、本当に大好きなの! 解ってあげて」
「それでも、俺は貴美が生きている未来を選びたい、俺だって辛い、俺以外の男に触れられるなんて我慢出来ない・・・・それでも俺は、貴美が生きていてくれる方が、可能性が僅かでもあるのなら、それに賭けたい」
すると、島崎さんが本気で怒って俺に向かって来た。
拳を振るわせながら、今にも殴りかかりそうな勢いで。
「いい加減にして! 貴美ちゃんを傷つけるなって言ってんの! 人型ルアーなんて存在しない! そんなふざけた事で貴美ちゃん傷つけたら、私、あなたの事を一生許さない、永遠に恨んでやるんだから!」
泣いていた高坂さんが、慌てて止めに入る。
こっちだって怒りたい。でも、今俺がそれを言ったら売り言葉に買い言葉になってしまう。だから我慢した。
結局、俺たちは結論が出ないまま解散した。
なんだって、島崎さんはあんなに怒ったんだろう。
携帯を見ると、メールが2件入っていた。
一つは貴美から、もう一つは・・高坂さんからだった。
・・高坂さん?
たった今まで一緒だったのに、なんでメール?
そこには、もう一度会いたいと書かれていた。
貴美のメールは少し後回しにして、俺は高坂さんと会う事を優先した。こんな孤立状態でも、やはり誰かに聞いてもらいたい。俺の心も無限に広い訳では無いのだから。
「高坂さん」
さっき3人で会った時、もう夕焼け時だったから、こうして高坂さんと再び会った時には、もうかなり薄暗い時間帯になっていた。
少し目を腫らした高坂さんは、少し話がしたいと俺を近くの公園へ誘った。
・・なんだか今日は公園と縁がある日だ。
「どうしたの? さっき会ったばかりなのに」
「うん、今日中に話しておかなければいけないと思って」
どうしたんだろう、それならさっき話せばいいのに。
「島崎さんが居たらダメな話なのかな?」
「うん・・そう、だね。ちょっと人には聞かれたくないかな」
そう言うと、高坂さんは公園のベンチに座る。丁度そのタイミングで街灯に灯が点いた。
「なに? 珍しいね、そんなにあらたまって」
「うん、実はね・・」
高坂さんは、重い口を開く。そして、俺は衝撃的な事実を聞く事になる。
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