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合同捜査本部
第56話 ウランバートル
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真夏だと言うのに、やはりモンゴルの気候は日本と比べるとかなり涼しく感じる。
と言うより、なんだか少し寒いくらいだ。
チンギスハーン国際空港に到着するも、首都ウランバートルまでは50キロも離れていて、今日泊まるホテルまで、結構時間もかかりそうだ。
女二人旅では、きっと心細かったと思うけど、こんな時、邦弘の存在感がとても大きく感じられた。
荷物も、私たちの分の一部を、巨大なバックパックに入れて背負ってくれているし、何より安全面でも頼もしい。
私たちは日本で言う白タクに乗って、ウランバートルのホテルを目指した。結構の距離なので金額が怖かったが、そこは物価の差なのか、思ったほどの料金はかからなかった。
私と沙奈枝を驚かせたのは、邦弘がモンゴル語を使えたことだ。1年しか勉強していないものの、私たちは日本人としては結構話せる部類に入ると思っていたが、邦弘のレベルはネイティブかと思えるほどに精通していた。
設定とは言え、連れの男がこれほど頼もしいと、私もちょっと鼻が高い。うっかり沙奈枝が邦弘を見る目がキラキラしていて、ちょっと危ないとさえ思ってしまう。
「じゃあ、二人はゆっくりくつろいでね! また夕食の時、電話するよ」
おい沙奈枝! 気を遣ってくれるのは嬉しいけど、なんで同部屋? これは少し・・・・困った。
「どうした洋子、部屋に入ろう」
「いや、そうだけどさ、同室って、どうにかならない?」
「なぜ?」
「なぜって、だって、私たちの彼氏彼女は、設定じゃない。さすがにマズいでしょ!」
「僕は気にしないよ、いつもの事だろ?」
「はぁ? いつも一緒に寝泊りなんてしていないだろ!」
「・・寝るのが一緒なのが、問題なのか?」
「当たり前でしょ! そもそも一緒に寝た事ないでしょう!」
「・・すまないが、どうして一緒に寝ると問題なのか、教えてもらえないだろうか?」
ああ、そこからなのね。私はもう、顔を真っ赤にしながら男女が同じ部屋で宿泊するリスクを説明した。まさか、同年代の男子に、こんな説明をする羽目になるなんて・・。
「そうか、ならば何も問題が無いと言うことだな」
「おい! あんた私の話、聞いてた? 未婚の男女! ダメなの! 一緒の部屋で寝ちゃ!」
「しかし、子供が出来るプロセスに於いて、寝ている時にはリスクを伴わないのだろ? ならば問題ないではないか」
あー 「寝る」って部分を、そう捉えているのか。んー、間違いでは無いんだけどなー、間違いでは。
こんな澄んだ瞳で言われると、大丈夫な気がしてしまうのも不思議だ。
第一、邦弘からそう言われても、あまり不快ではない。
遠い異国の地、近くに頼りになる、そして性的にノーリスクな男子が居るのは、逆にいい事なのではないか?
「じゃあ、約束ね、お互いのベッドには、絶対に近寄らない、いいわね!」
と思って、ようやく部屋に入ると・・・・
「洋子、これは近付かないのは無理だな」
「・・・・まあ、そうね」
ダブルベッドー!!!!
沙奈枝! どうしてそこに気を遣う! 頭の中、お花畑なのか? 関係が進んじゃうじゃない!
「大丈夫だ、私は床で寝るから」
「・・いいよ、大丈夫。その代わり、絶対に手を出すなよ」
「大丈夫。来栖 聡と引き合わせるまでは、君は僕の彼女ではないから」
なんだその理屈は! 来栖君と会った後でも、あんたと付き合う予定は今の所無いわ! 第一、来栖君と再会出来れば、私たちはまた彼氏彼女の関係に戻れる・・と思っている。
と言うより、なんだか少し寒いくらいだ。
チンギスハーン国際空港に到着するも、首都ウランバートルまでは50キロも離れていて、今日泊まるホテルまで、結構時間もかかりそうだ。
女二人旅では、きっと心細かったと思うけど、こんな時、邦弘の存在感がとても大きく感じられた。
荷物も、私たちの分の一部を、巨大なバックパックに入れて背負ってくれているし、何より安全面でも頼もしい。
私たちは日本で言う白タクに乗って、ウランバートルのホテルを目指した。結構の距離なので金額が怖かったが、そこは物価の差なのか、思ったほどの料金はかからなかった。
私と沙奈枝を驚かせたのは、邦弘がモンゴル語を使えたことだ。1年しか勉強していないものの、私たちは日本人としては結構話せる部類に入ると思っていたが、邦弘のレベルはネイティブかと思えるほどに精通していた。
設定とは言え、連れの男がこれほど頼もしいと、私もちょっと鼻が高い。うっかり沙奈枝が邦弘を見る目がキラキラしていて、ちょっと危ないとさえ思ってしまう。
「じゃあ、二人はゆっくりくつろいでね! また夕食の時、電話するよ」
おい沙奈枝! 気を遣ってくれるのは嬉しいけど、なんで同部屋? これは少し・・・・困った。
「どうした洋子、部屋に入ろう」
「いや、そうだけどさ、同室って、どうにかならない?」
「なぜ?」
「なぜって、だって、私たちの彼氏彼女は、設定じゃない。さすがにマズいでしょ!」
「僕は気にしないよ、いつもの事だろ?」
「はぁ? いつも一緒に寝泊りなんてしていないだろ!」
「・・寝るのが一緒なのが、問題なのか?」
「当たり前でしょ! そもそも一緒に寝た事ないでしょう!」
「・・すまないが、どうして一緒に寝ると問題なのか、教えてもらえないだろうか?」
ああ、そこからなのね。私はもう、顔を真っ赤にしながら男女が同じ部屋で宿泊するリスクを説明した。まさか、同年代の男子に、こんな説明をする羽目になるなんて・・。
「そうか、ならば何も問題が無いと言うことだな」
「おい! あんた私の話、聞いてた? 未婚の男女! ダメなの! 一緒の部屋で寝ちゃ!」
「しかし、子供が出来るプロセスに於いて、寝ている時にはリスクを伴わないのだろ? ならば問題ないではないか」
あー 「寝る」って部分を、そう捉えているのか。んー、間違いでは無いんだけどなー、間違いでは。
こんな澄んだ瞳で言われると、大丈夫な気がしてしまうのも不思議だ。
第一、邦弘からそう言われても、あまり不快ではない。
遠い異国の地、近くに頼りになる、そして性的にノーリスクな男子が居るのは、逆にいい事なのではないか?
「じゃあ、約束ね、お互いのベッドには、絶対に近寄らない、いいわね!」
と思って、ようやく部屋に入ると・・・・
「洋子、これは近付かないのは無理だな」
「・・・・まあ、そうね」
ダブルベッドー!!!!
沙奈枝! どうしてそこに気を遣う! 頭の中、お花畑なのか? 関係が進んじゃうじゃない!
「大丈夫だ、私は床で寝るから」
「・・いいよ、大丈夫。その代わり、絶対に手を出すなよ」
「大丈夫。来栖 聡と引き合わせるまでは、君は僕の彼女ではないから」
なんだその理屈は! 来栖君と会った後でも、あんたと付き合う予定は今の所無いわ! 第一、来栖君と再会出来れば、私たちはまた彼氏彼女の関係に戻れる・・と思っている。
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