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グレイ
第73話 クラウドを使う人類
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彼らは、この宇宙の真理である男女関係に触れることとなったけど、もはや退化してしまった彼らには、この男女の愛や人類が持つ愛情と言うものを理解することが出来なくなっていた。
「・・・・それで、男女の愛を理解するために・・・・釣りを?」
細谷さんは、複雑な表情で聞いてくる。
無理もない、なんで愛を知るために「釣り」なん?
《それほどに、不可解な存在なのだ、我々にとって「愛」とは》
《石油や微生物には「愛」が存在しないから》
《「愛」とは、創造主が作った進化ツールのようなものだ》
《本来はこれにメスを入れる事は禁忌に触れる事項だ》
《それでも、我々は自我を維持するために、肉体も必要としている》
《我々の自我は、定期的な保守点検に必要だからな》
「保守点検?」
《我々は、この宇宙の文明としては、それほど高い方ではない。このような不具合に遭遇するレベルの文明は》
《もっと高度な文明が、この宇宙には多く存在する》
《彼らは保守点検を必要としない、別の技術で自我を保管できる》
《我々は、この次元のどこかに、物質的なハードの中にそれを保存する必要があるが、彼らはそれすら必要としない》
「ねえ、そのハードって、要はクラウドに保存するみたいな事なの?」
《クラウド、そうだな、人類の言葉を使うなら、それが適当だ》
《クラウドを使う人類に、クラウドの実態をイメージする必要は無いかもしれないが、我々のように自分自身をクラウドに依存している存在には、このクラウド本体となるハードディスクの保守は、存在の否定にも肯定にもつながる大問題だから》
「で? 人類を釣ってみて、何か解った事が? そんな方法で愛情を理解するなんて、俺は無理だと思うけど」
《そうだな、君の言う通りだった、細谷淳平。我々の調査は、開始して10年が経過しても、人類の愛情を理解することは出来なかった》
《これほど難解なテーマも無いだろう》
《なにしろ、物質的なヒントが何一つ無いのだから》
《男女をまとめて引き上げてみても、彼らの意識に介入しても、愛情の正体を得る事は出来なかった》
「そして私が、ある提案をしたのだ」
「邦弘、私思っていたんだけど、グレイタイプの生産が出来ないなら、私達のタイプの生産は出来るんじゃない?」
「そう、洋子の言う通りだ。ただ、人類から「遺伝子」情報を拝借する必要はあるのだが」
「それで人類を釣っていたの?」
「それだけが理由ではないが、その「釣る」と言う概念は人間らしいな」
《我々は、人類が捕食のために行う「釣り」と言う行為とは異なるものだと定義している》
《我々は人類を食べる訳ではない》
《人道に配慮し、細心の注意を払って人類を昇天させて来た》
《野蛮な行いではないのだよ》
《それでも、我々は真理に近付く事が出来なかった》
「だから私は、フルダイブを提案したんだ」
「フルダイブって、まさかとは思うけど、人類の身体に「魂」を入れて地上に降りる・・・・」
細谷さんが、そう言うと、まるで最初から解っていたような口調で正宗さんがその問いに答えた。
「ルアーには二種類あるって言ったのは、そう言うことなんです。私達は彼らグレイタイプと良好な関係で接触するには、彼らが言うフルダイブ型のルアーと接触して、事情を探る必要がある、と考えていました」
公安調査庁は、そこまで解っていて調べていたんだ。
凄いな、公安。
「・・・・それで、男女の愛を理解するために・・・・釣りを?」
細谷さんは、複雑な表情で聞いてくる。
無理もない、なんで愛を知るために「釣り」なん?
《それほどに、不可解な存在なのだ、我々にとって「愛」とは》
《石油や微生物には「愛」が存在しないから》
《「愛」とは、創造主が作った進化ツールのようなものだ》
《本来はこれにメスを入れる事は禁忌に触れる事項だ》
《それでも、我々は自我を維持するために、肉体も必要としている》
《我々の自我は、定期的な保守点検に必要だからな》
「保守点検?」
《我々は、この宇宙の文明としては、それほど高い方ではない。このような不具合に遭遇するレベルの文明は》
《もっと高度な文明が、この宇宙には多く存在する》
《彼らは保守点検を必要としない、別の技術で自我を保管できる》
《我々は、この次元のどこかに、物質的なハードの中にそれを保存する必要があるが、彼らはそれすら必要としない》
「ねえ、そのハードって、要はクラウドに保存するみたいな事なの?」
《クラウド、そうだな、人類の言葉を使うなら、それが適当だ》
《クラウドを使う人類に、クラウドの実態をイメージする必要は無いかもしれないが、我々のように自分自身をクラウドに依存している存在には、このクラウド本体となるハードディスクの保守は、存在の否定にも肯定にもつながる大問題だから》
「で? 人類を釣ってみて、何か解った事が? そんな方法で愛情を理解するなんて、俺は無理だと思うけど」
《そうだな、君の言う通りだった、細谷淳平。我々の調査は、開始して10年が経過しても、人類の愛情を理解することは出来なかった》
《これほど難解なテーマも無いだろう》
《なにしろ、物質的なヒントが何一つ無いのだから》
《男女をまとめて引き上げてみても、彼らの意識に介入しても、愛情の正体を得る事は出来なかった》
「そして私が、ある提案をしたのだ」
「邦弘、私思っていたんだけど、グレイタイプの生産が出来ないなら、私達のタイプの生産は出来るんじゃない?」
「そう、洋子の言う通りだ。ただ、人類から「遺伝子」情報を拝借する必要はあるのだが」
「それで人類を釣っていたの?」
「それだけが理由ではないが、その「釣る」と言う概念は人間らしいな」
《我々は、人類が捕食のために行う「釣り」と言う行為とは異なるものだと定義している》
《我々は人類を食べる訳ではない》
《人道に配慮し、細心の注意を払って人類を昇天させて来た》
《野蛮な行いではないのだよ》
《それでも、我々は真理に近付く事が出来なかった》
「だから私は、フルダイブを提案したんだ」
「フルダイブって、まさかとは思うけど、人類の身体に「魂」を入れて地上に降りる・・・・」
細谷さんが、そう言うと、まるで最初から解っていたような口調で正宗さんがその問いに答えた。
「ルアーには二種類あるって言ったのは、そう言うことなんです。私達は彼らグレイタイプと良好な関係で接触するには、彼らが言うフルダイブ型のルアーと接触して、事情を探る必要がある、と考えていました」
公安調査庁は、そこまで解っていて調べていたんだ。
凄いな、公安。
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